デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

ワールドドリームサーカス

2023-06-10 19:27:19 | 観覧雑記帳
観覧日 2023年6月5日11時半+14時
会場 リトルワルード野外ステージ
久々のリトルのサーカス。前回は「ロシアコメディサーカス」でトゥイチーが出ていたが、あの時はコロナ感染がこれから広がるということで、公演中止もずいぶんあった。今回はリトルワールド創立40周年ということで、インターナショナル色を全面にだして、イタリア、アルゼンチン、インド、スペイン、ウクライナとさまざまな国からアーティストが集まった。企画招聘したのはACCだが、さすがわずか40分のショーのためにこれだけの国からバラエティーなアクトを集め、見事にまとめている。まずはその構成に拍手をおくりたい。
オープニングはこれから始まるぞというワクワク感というところでは、いまひとつ、静かな感じ。最初のアクトは、ホリゾンタルジャグリングというなかなかビジュアル的にインパクトがあるもの。上からボールが吊るされているということはわかっても不思議なボールの動きに目を奪われる。いいつかみだったと思う。

クラウン登場、客も交えてのビートボックス。チャカチャカチャなど口で音を出すもので、クラウンのレプリーズではよく使われる。リトルではボリス・ニキーシンがやっていた。あの時のように会場をもりあげるほどのものではなかったが、つなぎとしては悪くないと思った。ただコロナ時代ではありえないレプリーズではあった。自分が見た2回とも拒否されることはなかったが、いままで腰が引けたお客さんは結構いたのでは・・・
次はマラカンブというインドのアクト。初めて見た。インドの伝統芸能というよりは、スポーツの一種のようだ。コスチュームが芸能というよりは、スポーツ風。チャイニーズポールのようにスリリング、スピーディということではなく、ボール(これは生木からできているらしい)に足やからだをかませて、その静止ポーズを見せるというのがポイントになっているようだ。全体の構成のなかでいいアクセントとなるアクトだった。
エアリアルティシュは、今回の番組の紅一点であり、唯一のエアーナンバー。
ティシュは静止型エアーナンバーで、動きが少なく、迫力という点ではいまひとつだった。この空間で動き(旋回・回転など)のあるエアーナンバーを見るとかなり迫力が伝わるのだが、今回はそれが見られなかったのはちょっと残念。
ミュージカルソー
クラウンのレプリーズ、のこぎりをつかった楽器演奏。このクラウン、若いようだが、悪くはなかった。多芸に頼らないで、もっと笑いをつくるところ、特に客とのやりとりについてを学んでいったほうがいいだろう。伸びていく可能性は秘めているように見えた。
最後のアクトは、ウクライナ、クレージーフライトのバンキング。
これは懐かしかった。最初に来たウクライナサーカスの後半から入ったクリボーエログというデビューしたてのグループが、ウクライナサーカスの演出家ビスコフの振り付け演出で初めて公演した演目。来日してからしばらくは前半演技していたバンキンチームと同じ衣装と音楽で演技していたが、ある時からこの振り付けで公演、最初はリトルの人には前の通りにやってくれと言われた。音楽とテーマが「カッコーの巣の上で」で精神病院が舞台で、日本の客にはわかりづらいということがあった。演出家の強い希望で、このままやり通した。そのあとクリボーエログは、この演目でヨーロッパでひっぱりだこになり、クレージーフライトという名前に変え、メンバーも次々に変えていったようだ。たしか静岡の大道芸や吉本のNGKにも出演していたかと思う。見に来ないかと連絡があった。今回のメンバーはその時のメンバーはひとりもいない、当然だと思う。20年も前のことなのだから。ただ創始メンバーの一人がリーダーとなって、ビスコフとは離れ、マネージメントしているようだ。今回のメンバーに5年前にリトルでやったウクライナサーカスの別のバンキンググループの2人が参加していた。20年前と比べると、技と技をつなぐダンスシーンがより演技色を濃くしていたような気がした。つまりより精神病院の患者風になっていたということだが、このあたり日本人にはこの映画がさほどポヒュラーではないので、伝わりにくかったのではないかと思う。ただ演技自体は迫力があるので、トリを締めるには見事にきまっていた。
エンディングはリトルの40周年を祝うもので、とてもよかったと思う。
まさにリトルらしいサーカス、とてもいい構成だった。40分間楽しい気持ちにさせてもらった。リトルにはサーカスがよく似合う、それをとても感じさせたショーでもあった。

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