デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

月の輪書林古書目録十六 太宰治伝

2010-08-13 23:50:40 | 買った本・読んだ本
書名 「月の輪書林古書目録十六 太宰治伝-津嶋家旧蔵写真凾解体」
編集 高橋徹 発行所 月の輪書林  発行年 2010

いやあすごい目録である。二ヶ月ぐらい前に送られてきたのだが、そのころはめちゃめちゃ忙しくパラパラと頁をめくっただけなのだが、やっと落ち着いて読んでみたのだが、本の世界の奥深さ、広がりを堪能、さらに発見もあり、幸福なひとときをおくることができた。これだけ頁をめくるたびにスリリングな思いをした目録は初めてである。いまネットで検索してみたら、この古書店(通信販売のみ)の主人である高橋徹さんのつくるこの目録は有名、これについての本もだしている。(早速注文した)
今回の特集は、太宰治伝。その特集の組み方を津嶋家の人々の写真を中心に、奥行きと広がりをつけて本を集めるのである。見開きの津嶋家の一族の集合写真を見るだけでも、価値がある。この目録の魅力をくどくど説明しても自分が味わったスリリングさは味わうことができないと思う。とにかく自分は何度も唸っていた。例えば父源右衛門を紹介しながら、彼が亡くなったとき入院した病院が佐野病院、佐野碩の父親だったということで、先頃出た岡村春彦の「佐野碩の生涯」が出てくる。さらにはここから碩の祖父にあたる後藤新平の本がずらずらと並ぶ、さらには源右衛門の同じ年ということで幸徳秋水と大逆事件の書物が並ぶという具合である。
書物の万華鏡みたいな素敵な目録であった。しかも長谷川濬の小説も出てくるのだがら、びっくり、そして大発見。
これは目録というより、津嶋家を中心にしながら大正・昭和初期の社会・文化・政治を俯瞰する一冊の本といえるかもしれない。
でもどうしてこの目録が私の元に届いたのだろう、これはこれで謎・・・・

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