西宮で過ごした小学生時代の思い出。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
塾通いをした話-。
4年生の9月(2学期)から、私は塾へ通わせてもらうようになった。
初めて塾へ通った日のこと。
その日は、理科の授業が行われる日だった。
小さな教室の中には、30人ほどの生徒(児童)がいた。
「入塾は随時受付していますよ」という塾だったが、やはり一般的には春(4月)から入塾する生徒が多いようだ。私は9月からだったので、中途入塾した格好で、この教室でも〝転校生〟みたいな心境に陥った。
四面楚歌というか、教室内には私の知らない顔ばかりが並んでいた。
きょうは新入りが加わったということで、授業の冒頭、早速、担当の先生(理科)が私を指名した。
「まず、檀上に質問をします。ジャガイモは、何科の植物ですか?」
この質問は、今も忘れられない。
(じゃがいも、何科…?)
そんなことは、聞いたことも考えたこともなかった。その場で考えたって分からない。
ほかの生徒は、私が何と答えるかジッと聞いている。
「わかりません…」
静まり返った教室で、私は、蚊の鳴くような声でそう答えるのが精一杯だった。
「ハイ。それでは…、ほかに分かる人はいますかぁ?」
と、先生が教室じゅうに声を向けた瞬間、ほかの全員が、サッ!と手を挙げた。(怖かったわ)
ジャガイモはナス科の植物だと、このときに知った。
『じゃがいもは、なすびの仲間だったのか』と、私は驚きながら覚えた。
先生の質問がさらに続く。
「それでは、続いて、檀上に質問をします。サツマイモは、何科の植物ですか?」
だから…、ふつう知らないって、そんなこと
サツマイモはヒルガオ科の植物だと、このときに知った。
ヒルガオ科の植物には、ほかに、アサガオとヨルガオがあるそうだ。
『さつまいもは、アサガオ(朝顔)の仲間だったのか…』と私は覚えようとしたが、アサガオを印象付けてしまうと肝心の〝ヒルガオ科〟という名前を忘れる恐れがある。すると、先生が覚え方を教えてくれた。
「朝・昼・夜に、サツマイモを食べる!」
と、覚えなさいと。
じゃがいもはナス、そして、朝昼夜にさつまいも。
(さらに、ユウガオはウリ科なので注意せよ!というオマケ知識も記憶に くっ付いている)
大人になって、こうした知識とは縁が薄い道へ進んでしまった現在の私だが、今も忘れずに覚えていることを思うと、このとき私が受けた衝撃は相当強烈だったようである。
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塾通いをした話-。
4年生の9月(2学期)から、私は塾へ通わせてもらうようになった。
初めて塾へ通った日のこと。
その日は、理科の授業が行われる日だった。
小さな教室の中には、30人ほどの生徒(児童)がいた。
「入塾は随時受付していますよ」という塾だったが、やはり一般的には春(4月)から入塾する生徒が多いようだ。私は9月からだったので、中途入塾した格好で、この教室でも〝転校生〟みたいな心境に陥った。
四面楚歌というか、教室内には私の知らない顔ばかりが並んでいた。
きょうは新入りが加わったということで、授業の冒頭、早速、担当の先生(理科)が私を指名した。
「まず、檀上に質問をします。ジャガイモは、何科の植物ですか?」
この質問は、今も忘れられない。
(じゃがいも、何科…?)
そんなことは、聞いたことも考えたこともなかった。その場で考えたって分からない。
ほかの生徒は、私が何と答えるかジッと聞いている。
「わかりません…」
静まり返った教室で、私は、蚊の鳴くような声でそう答えるのが精一杯だった。
「ハイ。それでは…、ほかに分かる人はいますかぁ?」
と、先生が教室じゅうに声を向けた瞬間、ほかの全員が、サッ!と手を挙げた。(怖かったわ)
ジャガイモはナス科の植物だと、このときに知った。
『じゃがいもは、なすびの仲間だったのか』と、私は驚きながら覚えた。
先生の質問がさらに続く。
「それでは、続いて、檀上に質問をします。サツマイモは、何科の植物ですか?」
だから…、ふつう知らないって、そんなこと
サツマイモはヒルガオ科の植物だと、このときに知った。
ヒルガオ科の植物には、ほかに、アサガオとヨルガオがあるそうだ。
『さつまいもは、アサガオ(朝顔)の仲間だったのか…』と私は覚えようとしたが、アサガオを印象付けてしまうと肝心の〝ヒルガオ科〟という名前を忘れる恐れがある。すると、先生が覚え方を教えてくれた。
「朝・昼・夜に、サツマイモを食べる!」
と、覚えなさいと。
じゃがいもはナス、そして、朝昼夜にさつまいも。
(さらに、ユウガオはウリ科なので注意せよ!というオマケ知識も記憶に くっ付いている)
大人になって、こうした知識とは縁が薄い道へ進んでしまった現在の私だが、今も忘れずに覚えていることを思うと、このとき私が受けた衝撃は相当強烈だったようである。