ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 週末の興行成績 [11月1日(金)~11月3日(日)]と、人気順位 ►「宮本から君へ」の★1つは自分の老化現象に基因するかも?(笑)

2019-11-06 12:43:07 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸今年の<コリアン・シネマ・ウィーク>は、「ゴールデンスランバー」「また、春」「ロマン」の3作品鑑賞。今回は最初からこれはぜひ!という期待感がなく、結果的にもまあ一応観てみましたといったところ。周りの反応を見ると、韓国のネチズンの評価が高かった「ロマン」には「感動したわー」等の声も聞かれましたが、それはそれで納得。主人公のおじいさんが若かった頃に「自分のロマン=夢は仕事してお金を稼いで妻子を幸せにすること」と語ったことについて、「そんなの、人としてあたりまえのことじゃないの」との声も聞かれましたが、今の韓国のお年寄りが若かった頃の韓国の庶民の多くは高等教育も受けられず、女性は(おばあさんのように)読み書きができない人もふつうにいて、そんな人たちにとってはおじいさんのように長年誠実にタクシー運転手として働いて一家を養ってきたこと自体ロマンの実現だったと言い得るのでは、と私ヌルボは思いました。
 <東京国際映画祭>は今回はパス。しかし韓国映画「エウォン」は観ておくべきだったか、と少し後悔。

▸年を取ると耳が遠くなるのは当然として、大声も声が割れて聞こえるような感じで聞き取りにくくなっているのでは?とふと思ってググってみたら、①高い周波数が聞えない-高い音から聞こえなくなる の他に、②リクルートメント現象-小さい音は聞こえにくく、大きい音はうるさく感じる ③周波数分解能が落ちる-ぼやけた、割れた、歪んだ音に聞こえる ④時間分解能が落ちる-早口の声は、分かりにくくなる というのが<加齢性難聴の4つの特徴>として挙げられていました。皆当てはまることばかりです。とほほ。
 とくにそのように感じた作品が2日(土)初めての新宿バルト9で観た「宮本から君へ」。しかし、映画やドラマでは感情むき出しで怒鳴ったりする人がよく登場しますが、実際そんなにいるものでしょうか? 少なくとも私ヌルボの周りではそんな場面はめったにありません。この10年間で何かあったっけなー? 血をみるようなケンカはこの数十年(!)の間であったかどうか・・・。そんなわけで、ヌルボ思うに「怒鳴り声」と「流血沙汰」だけで相当な拒否感・嫌悪感があるようです。この作品は近所(横浜)での上映は行きませんでしたが、ネットでの評価が高いようなのでやっぱり観てみるかと足を運んだわけです。で、個人的な感想はやっぱり「自分には合わない」、評価は★1つでした。しかし8割以上の人が★5つか4つなんですよねー。憎い敵をボコボコにやっつけて「スッキリする」「スッキリしたい」人がそんなに多いのでしょうかねー・・・。

▸今年観た映画はすでに101本。すでに昨年の98本を上回り、過去最多の104本を超えるのも時間の問題。といっても、「天気の子」「事件記者」「主戦場」等々の話題作は未見。理由は単に「気が進まない」ということなんですけどねー・・・。
 ちなみに今後の鑑賞予定は、横浜シネマリンの「変態家族 兄貴の嫁さん」(今日午後だけ!)、「アートのお値段」、「春画と日本人」。シネマ・ジャック&ベティの「解放区」、「第三夫人と髪飾り」、「象は静かに座っている」はどうするかなー、「ブルーアワーにぶっ飛ばす」はシム・ウンギョンが出ているので。「家族を想うとき」はケン・ローチ監督にハズレなし。・・・と、ここらへんが年内の上映。
 韓国映画では、シネマヴェーラ渋谷の<生誕100年記念 異端の天才 キム・ギヨン>(→コチラ)特集の13作品中の10作品をまとめて観る予定。
 ということで、今年は合計130本程度になりそう?

         ★★★ NAVERの人気順位(11月5日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.73(124)
②(6) シークレット・スーパースター  9.54(92)
③(4) 主戦場  9.50(982)
④(3) 今日も上、上(韓国)  9.47(152)
⑤(-) おまえも俺も(韓国)  9.45(44)
⑥(-) ハンター・キラー  9.37(3,439)
⑦(-) This Changes Everything/これはすべてを変える  9.35(31)
⑧(7) ディーター・ラムス  9.32(93)
⑨(9) ポロロ劇場版 宝島大冒険  9.28(2,466)
⑩(-) 今日、私たち(韓国)  9.28(18)

 ⑤⑦⑩の3作品が新登場です。⑥「ハンターキラー 潜航せよ」は韓国では昨年12月、日本では今年4月に公開されいます。
 ⑤「おまえも俺も」は、韓国のドラマ。晋州に暮らすミジョン(チャン・ヘジン)、キョンファン(テ・イノ)、ジェユン(イ・ガソプ)の3姉弟にある日1枚の手紙が届きます。送り主は17年前に家族を残して家を出て行ったお母さん。手紙には「会いたい」という一文だけぽつんと記されていました。お母さんが家を出て、兄だったスワンまで不意の事故でこの世を去った後、表には出さなかったものの各自が心の傷を抱えて生きてきた3姉弟。家族思いの長姉ミジョンは家を出た母を憎み、自分が弟たちの母親がわりとして生きてきました。写真師のキョンファンは慎重な性格で、姉と家族に疎遠な末っ子ジェユン、認知症を患う父まで取りまとめて自分が父親役を務めるという負担を抱えて暮らしています。作家のジェユンは家族と離れて暮らすと言えないこと悩みつつ、彼らと距離を置いて暮らしています。そんな3人が、突然舞い込んできた手紙に当惑しながらも、結局お母さんに会うため韓国の南の端晋州から手紙の発信地である北の端の坡州(パジュ)まで車に乗って向かうことになりますが・・・。原題は「니나 내나」です。
 ⑦「This Changes Everything/これはすべてを変える」(仮)は、ハリウッドのテレビ界・映画界での男女の格差を描いたアメリカのドキュメンタリー。これまでもしばしば大きな問題として捉えられていたさまざまな格差について、本作ではハリウッドで活躍するリース・ウィザースプーン、ナタリー・ポートマン、メリル・ストリープ等々の女優や、パティ・ジェンキンス等の監督等96人に取材し、また統計等を用いて、格差の現実を探りつつ、その原因を考察し、解決策を追求するというもの。韓国題は「우먼 인 할리우드」です。「82年生まれ、キム・ジヨン」の小説や映画が女性層の強い支持を得てヒットしている韓国での公開は当然として、日本での公開は今のところ未定なのかな? ぜひとも公開してほしいと思います。
 ⑩「今日、私たち」は、韓国のドラマ。愛も別れも難しいジウン(チョン・スジ)、自分のための1日を願うミンジョン(イ・サンヒ)、平凡な生活のために孤軍奮闘するスジン(チョ・ミンギョン)、理解しがたい状況に置かれたヘリ(ユン・ヘリ)とミニョン(イ・ミニョン)まで、昨日と今日、そして明日を生きている5人の女性たちを描いた4つの作品のオムニバス映画です。原題は「오늘, 우리」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国)  8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
④(4) ブラッド・シンプル  7.75(4)
⑤(5) ストライキ前夜(韓国)  7.71(7)
⑥(6) ジョーカー  7.64(11)
⑦(8) キム君(韓国)  7.57(7)
⑧(9) 主戦場  7.33(6)
⑨(10) ボーダー 二つの世界  7.29(7)
⑩(-) EXIT(韓国)  7.23(13)

 今回の新登場はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月1日(金)~11月3日(日) ★★★
           日本より9日早い公開 「ターミネーター:ニュー・フェイト」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(45)・・ターミネーター・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・937,689・・・・・・1,366,833 ・・・・・・・11,344・・・・・・1,315
       :ニュー・フェイト
2(1)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・・682,361・・・・・・2,498,988 ・・・・・・・20,556・・・・・・1,272
3(42)・・天気の子(日本) ・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・205,638 ・・・・・・・337,152 ・・・・・・・・2,734 ・・・・・・・621
4(2)・・マレフィセント2・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・124,058・・・・・・1,364,891 ・・・・・・・11,537 ・・・・・・・578
5(3)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・90,566・・・・・・5,164,445 ・・・・・・・44,673 ・・・・・・・529
6(4)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02・・・・・・・・・・33,682・・・・・・2,885,662 ・・・・・・・24,637 ・・・・・・・320
7(新)・・死者の日 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/30・・・・・・・・・・25,757 ・・・・・・・・28,884・・・・・・・・・・225 ・・・・・・・336
8(新)・・北のノーム:王国への鍵 ・・・・10/30・・・・・・・・・・・9,587 ・・・・・・・・11,152・・・・・・・・・・・86 ・・・・・・・257
9(6)・・ビッグ・トリップ ・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・4,780 ・・・・・・・・40,870・・・・・・・・・・317 ・・・・・・・・93
       :赤ちゃんパンダ配達大冒険
10(47)・・フレンドゾーン ・・・・・・・・・・・10/30・・・・・・・・・・・3,918 ・・・・・・・・12,184・・・・・・・・・・・94 ・・・・・・・・99
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・7・8・10位の5作品です。
 1位「ターミネーター:ニュー・フェイト」は、日本でも11月8日公開ということで諸情報が流されているので内容等の紹介は略します。韓国題は「터미네이터: 다크 페이트(ターミネーター:ダーク・フェイト)」で邦題とは少し違いますが、これは韓国の方が原題のままです。
 3位「天気の子」は、<NAVER映画>では日本製ということで15人に1人は最低の1点(10点満点)を付けている中で平均7.76点というのは健闘しているというべきか? 一方10点満点を付けた人は約半数です。この作品の韓国上映については、中央日報日本語版に「映画『天気の子』側「日本のコンテンツだから無視された…偏見は控えてほしい」」と題した興味深い記事があります。(→コチラ。) 韓国題は「날씨의 아이」です。
 7位「死者の日」(仮)は、メキシコのアニメ。原題の「Dia de Muertos」は<死者の日>のこと。年に一度だけ生きている人たちが亡くなった懐かしい人たちに会える日です。11月1・2日の両日ですが、10月31日の晩も前夜祭として祝われます。主人公の女の子ココは両親を探したくて祭壇を作りますが、おばあさんはなぜかココが両親を見つけられないようにします。おばあさんの意図がわからないココは両親を探すために禁止されている秘密の城に行って両親の秘密を知っている邪悪なモーレット教授と会いますが、そこは驚くべき神秘的な冒険が待っている死者の世界でした。はたしてココは懐かしい両親と出会えるでしょうか? 韓国題は「빅 위시(ビッグ・ウィッシュ)」です。「リメンバー・ミー」(2017)同様、ハロウィンに合わせて公開された・・・と思ったら、アチラは3月公開でしたね。
 8位「北のノーム:王国への鍵」(仮)は、2016年7月「빅(ビッグ)」というタイトルで韓国でも公開されたアメリカのアニメシリーズ「Norm of the North」の第2作で、原題「Norm of the North: Keys to the Kingdom」をそのまま訳して仮題としました。今作はインドとの合作です。北極を守り、新しい王になったホッキョクグマのビッグに、ニューヨーク市は万能の金の鍵を贈ります。
一方、その日の夕方、銀行の金庫が破られる事件が発生し、なんとビッグがその容疑者だという濡れ衣を着せられます。一瞬にしてビッグはヒーローから悪役になる危機に追い込まれてしまいます。しかしビッグはかわいい北極三銃士のレミングスと自分を信じてくれるニューヨーク市の友人がついています。はたしてビッグは濡れ衣を晴らして真犯人を見つけることができるでしょうか・・・。韓国題は「빅 2: 황금열쇠 대소동(ビッグ2:黄金の鍵 大騒動」です。
 10位「フレンドゾーン」は、タイのロマンティック・コメディ。高校生男子のパーム(ナパット・シアンソムブン)と女子のギン(ピムチャノック・ルーウィセートパイプーン)は同じ高校に通っています。ある日父に車で送られて登校したギンは授業を受けず、待っていたパームの車に乗って父の車を尾行し、ギンの父が空港からチャンマイまで飛び立つと2人も後を追ってチェンマイへ。そしてパームはギンの父が浮気していることを知ってしまいます。ギンもまたパームの気遣いからそのことに気がついてしまいます。帰りの飛行機の中で、パームはギンを慰めますが、さらにギンに愛していると言うと、ギンが「どんな愛なの?」と問うと、パームは成り行きで(笑)「恋人同士の愛には終わりが来るが友人同士の愛には終わりがない」と言ってしまい、その時点からパームは本心とは裏腹に<フレンドゾーン>にはまってしまいます。以後、彼も彼女もそれなりの恋愛っぽいエピソードを経ながらも、友人という立場を越えてギンの恋人になりたいというパームの思いは変わらず、そして10年も経ってしまいます・・・。韓国題は「프렌드 존」。この映画、今年2月にタイで公開されて以来アジア諸国でもヒットしているようですね。日本でも公開されるといいのですが、今のところ未定のようです。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(11)・・フレンドゾーン・・・・・・・・・・・・・・10/30 ・・・・・・・・・3,918・・・・・・・・・12,184 ・・・・・・・・・・94 ・・・・・・・・・・99
2(3)・・ボーダー 二つの世界 ・・・・・・・・・・10/24 ・・・・・・・・・2,288・・・・・・・・・11,623 ・・・・・・・・・・96 ・・・・・・・・・・37
3(4)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・937・・・・・・・・134,846・・・・・・・・1,100 ・・・・・・・・・・17
4(8)・・ナマズ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/26・・・・・・・・・・・839・・・・・・・・・36,847 ・・・・・・・・・311 ・・・・・・・・・・16
5(新)・・おまえも俺も(韓国) ・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・717・・・・・・・・・・1,990 ・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・・・51

 1位「フレンドゾーン」と、5位「おまえも俺も」の2作品が新登場ですが、いずれについても上述しました。
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