ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[北朝鮮の話題]太陽節、韓国の親北ブログ、パルコルム、平壌を撮った写真家等々

2011-04-17 23:58:01 | 北朝鮮のもろもろ
 最近のニュースから、北朝鮮関係の話題4つ。

①一昨日4月15日は「太陽節」でした。これが何の日なのかすぐわかる日本人は1000人中何人かはいるでしょうか? ヒントは北朝鮮、で見当がつく人はそれなりにいるのでは? 正解は金日成の誕生日。  1997年に制定されました。この時に、彼の生年1912年を元年とする「主体(주체.チュチェ)歴」も定められました。ということは、今年2011年は主体100年にあたります。(「大正」と同じ)
主体歴が実際にどれくらい用いられているかというと、朝鮮総聯や朝鮮新報のサイトで使っていないばかりか、本元の北朝鮮の公式ウェブサイト「우리 민족 끼리(ウリミンジョクキリ.わが民族同士)」にもなく、「로동신문(労働新聞)」「통일신보(統一新報)」のような新聞に「주체100(2011)년」と表記されています。

 太陽節(태양절)が近づいてくると、「ウリミンジョクキリ」にさまざまな関係記事が掲載されます。画像や音楽等々も含めて、よくこれだけ次々に特定個人を称揚するネタがあるものだと感心(?)するほどです。
 たとえば、太陽節前日の14日には、「화면음악 우리의 영원한 태양절」という歌がuriminzokkiriによってYouTubeにupされました。当日の15日には金日成の少年時代の肖像写真が載っていました。

   
 【4月17日(日)の平壌。太陽節の装飾はあるが、人も車も少ないです。】

上記「ウリミンジョクキリ」の昨日(4月16日)の記事中に「공화국의 현실을 격찬(共和国の現実を激賛)」という見出しの記事があったので、一体どこの御仁が北朝鮮の現実を激賛しているんだろう?と読んでみると、南朝鮮(韓国)のあるブログ。「내가 본 강성대국이란!(私が見た強盛大国とは!)」という題の記事で、抗日闘争を戦い、戦後は日本の支配を引き継いだアメリカと戦った北の指導者と人民を称えています。
 もしやと思い、韓国の諸サイトを探すと、案の定次のようなニュース記事がありました。
 「警察、北韓の'太陽節'賛揚記事のブログ捜査」。13日の「朝鮮日報」をはじめ各紙に載っています。
 このニュースによると、利敵の嫌疑が明白に表れていれば、運営者を召喚して立件する計画とのこと。
 また「東亜日報」は社説でこのような「親北ブログ」を厳しく非難しています。
 いわく、朝鮮戦争を起こして数百万の犠牲者を出し、北の住民を餓死と収容所の恐怖で苦しませ、1990年代の「苦難の行軍」の時には300万人を餓死させた民族の大逆罪人金日成を称揚するブログは「表現の自由」として見過ごすわけにはいかない、国の指導層・知識人・教師たちも責任をまぬかれない・・・。 しかし、ニュース記事中で親北ブログの実例として挙げられていた「이민위천(以民為天)」や上記の「내가 본 강성대국이란!」は今現在フツーに見られます。これからどうなるのかな・・・?
 私ヌルボなんかは、韓国にも4800万人もの人がいるわけだから、中にはそんな頓珍漢人もいるだろうと鷹揚に構えてもいいのでは、と考えるのですが・・・。そんなに影響力があるとも思われないし・・・。

 あ、日本にも<朝鮮労働党万歳!>という熱烈な親北ブログがありますが、これを読んで北朝鮮に憧れる人が増えるかどうか? (北朝鮮歌謡のファンは少し増えるかも。)

上記の親北ブログ<朝鮮労働党万歳!>中の記事で知ったのですが、金正恩を称える歌「パルコルム(足取り)」の動画がYouTubeにupされていたんですね。昨年この歌について一部で報道された直後に探したものの、見つかりませんでしたが、その後登場したんですね。
 1つはシンクロナイズドスイミングの音楽として使われている動画。→YouTube
 もう1つは中国のサイト中の「朝鮮紀行」という記事内にあるもので、これは見ものです!→YouTube この8:50のところから「パルコルム」が流されていますが、画像の兵隊の整列行進に注目。足をピンと伸ばして、跳ぶように行進するので、瞬間的に両足とも地面から離れるのです。
 ・・・ふー、御疲れさまなこってす。

14日に、白金のMISA SHIN GALLERYで開かれていた韓国の写真家バク・スンウ氏の「Blow Up」と題した展覧会を見てきました。彼が2001年カメラマンとして1ヵ月平壌に滞在していた時に撮影した写真です。撮影は徹底した監視と統制のもとに行われたうえ、検閲を経て残った平凡な風景写真を「Blow Up」(拡大)することにより、「北朝鮮という非現実的な世界を一層現実的に浮かび上がらせた」ということだそうです。
 詳しくは→コチラの記事を参照のこと。そしてコチラの記事では、MISA SHIN GALLERYの展示のようすを写真で紹介しています。
 また「Utopia」と題して、平壌の写真に作為を施した作品群も展示していました。思うに、北朝鮮では普通の風景でも、外の世界から見ればそのままで十分に非現実的な印象が感じられるのでは、というのがヌルボの感想。
 MISA SHIN GALLERYは、以前は鉄工所だったそうで、外からだととても画廊には見えません。半開きの戸の隙間ごしに金日成の肖像写真などが目に入ると、なんとも不思議な感覚にとらわれてしまいます。(下写真)

      

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