ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国で公開中の映画 <NAVER映画>の人気順位 [12月22日(水)現在] ▶濱口竜介監督の「ハッピーアワー」初上映 「ドライブ・マイ・カー」も始まる ▶「寝ても覚めても」の韓国題はなぜ「アサコ」?

2021-12-24 23:50:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶2つ前の記事の見出しで「<第74回カンヌ国際映画祭>コンペ部門でパルム・ドールを受賞した「チタン」に注目!」と書きました。そのカンヌ国際映画祭コンペ部門で「ドライブ・マイ・カー」を出品して大江崇允さんと共に日本映画として初めて脚本賞を受賞したことで濱口竜介監督に対する内外の注目度が一気に高まりました。
 その濱口監督の2015年の作品「ハッピーアワー」が韓国で12月9日公開され、人気ランキングを見ると《ネチズン》《記者・評論家》とも上位に入っています。
 この「ハッピーアワー」が濱口監督作品の韓国初上陸!・・・かと思ったらそうではありませんでした。2019年3月に「寝ても覚めても」が公開されていましたね。ただし韓国題は「아사코(朝子)」。なんで?と思ったら、→コチラの記事のコメントでyohnishiさんが「韓国人にとっては、どう考えてもこれ以外の題があり得ないからです」と教えてくださいました。もちろん理由付きで。
 ところで私ヌルボ、濱口監督の作品を観たのは今年8月の「ドライブ・マイ・カー」が初めてでした。(恥ずかしながら・・・。) 感想を一言で言えば「格が違う!」です。以後10月に「THE DEPTH」を、さらに今週に入って「ハッピーアワー」「偶然と想像」「寝ても覚めても」の3作品を集中的に観て来ました。
 「ハッピーアワー」は16年だかに友人が「昨年観た中で1番」と言ったのを聞いて「しまったかな?」と思ったものの以後観る機会がありませんでした。ところが実にラッキーなことに、近所のシネマ・ジャック&ベティが大阪のシネ・ヌーボ、京都の京都みなみ会館、神戸の元町映画館と共に<ミニシアター地域交流上映会>と冠した企画上映の中で、元町映画館から神戸が舞台ということで12月20日(月)のただ1度だけ上映するということで、最優先で観てきました。具体的な内容等は省略しますが、「ドライブ・マイ・カー」に勝るとも劣らぬ作品だと思います。
 上映後濱口竜介監督のリモート・トークショーがありました。とても明晰な受け答えといった印象を受けました。「男性たちのダメさを痛感します」という感想に対し「社会的な関係性(歴史性?)の中で男が鈍感になっています」と即座に応じたこと等々。下右画像はそのトークショーのようす。右端下の聞き手の方は神戸からお越しの元町映画館支配人・林未来さん。元町映画館は私ヌルボも10年前に初めて行き、画像付きで紹介したこともありました。(→コチラ。) 毎年暮れには「ハッピーアワー」を上映しているとのこと。今年も/30日(木)まで上映しています。とくに関西方面でご覧になってない方はぜひ足を運んでください。
 なお12月23日からは「ドライブ・マイ・カー」が始まっています。(正確には12月17日から先行上映。) 23日の興行成績の順位は4位、《独立・芸術映画》部門では1位です。週末のデータが楽しみです。
    

    ★★★ NAVERの人気順位(12月22日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、①(2)等の右の( )内は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) MONSTA X : THE DREAMING(韓国)  9.81(152)
②(3) ログブック(韓国)  9.68(38)
③(2) 私はチョソンサラム[朝鮮人]です(韓国)  9.50(177)
④(新) ハッピーアワー(日本)  9.50(20)
⑤(6) 君に行く道(韓国)  9.39(255)
⑥(7) 往十里 キム・ジョンブン(韓国)  9.34(32)
⑦(10) コーダ あいのうた  9.23(690)
⑧(新) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  9.21(11,207)
⑨(-) ソン・ヘ 1927(韓国)  9.19(53)
⑩(-) 花束みたいな恋をした(日本)  9.01(538)

 ④と⑧の2作品が新登場です。
 ④「ハッピーアワー」は冒頭に記したように今や世界レベルで注目されている濱口竜介監督の2015年の作品。韓国では上映館は7館だけですが、観客のレビューはすこぶる好評。5時間を超える上映時間に最初はビビるがすぐ引き込まれ「退屈するヒマがなかった」「こんな話なら8時間も歓迎!」との声も。「年をとって人と話すのが嫌になったが映画を見てまた気づいた。会話はいつも必要です。そうでなければわからないことが多すぎるから」という感想は私ヌルボも同感。映画ジャーナリストのチョン・ユミさんは<5時間17分の幸せな時間>と題して次のような長文の評を書いています。
 ランニングタイム328分。映画を見るために体と心の準備をしっかりしなければならないような物理的な時間だ。30代後半に入った女性4人の友人たちの物語を5時間以上目を離さずに見ることができるのかという疑問は映画序盤に自然に消える。一緒に出発した旅行先で次の旅行を計画した4人は日常生活に戻り、それぞれの人生を築きつつ、集まっては旅行に出かけ、互いの問題を共有し、安否を気遣う。さまざまな問題を抱えて生きる彼女たちの日常茶飯事を映画はドラマチックに飾る意図はない。現実の人生がそうか否かと反問する隙もなく映画に導かれていく。神戸市民を対象とした演技ワークショップから出発した映画だけに劇中ワークショップと朗読会シーンは直接体験を彷彿とさせる。すっきりした答えを出さなくても、おのずと答えを探すように導かれる映画だ。
 韓国題は「해피 아워」です。
 ⑧「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」については1つ前の記事でも書いた通り本でも1月7日公開ということで諸情報が流されているので説明は省略します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ファースト・カウ  8.40(10)
②(新) ハッピーアワー(日本)  8.00(4)
③(2) チタン  7.86(7)
④(3) ベネデッタ  7.83(6)
⑤(4) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
⑥(5) ドント・ルック・アップ  7.63(8)
⑦(7) アネット  7.44(9)
⑧(8) 君に行く道(韓国)  7.20(5)
⑨(9) 言葉と行動(ラヴ・アフェアズ)  7.17(6)
⑩(新) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  7.10(10)

 ②「ハッピーアワー」と⑩「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の2作品が新登場ですが、いずれについても上述しました。

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