ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [12月29日(金)~12月31日(日)]

2018-01-04 22:28:44 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
→ <★2017年 ヌルボの個人的映画ベスト10>

▸昨日(3日)に徳島からUターン。新幹線の切符は予約していなくても、新大阪始発のこだまに乗ればゆうゆう座れます。・・・それはいいとして、帰宅後パソコンが思いもよらぬ不調。それも「Windowsが正しく読み込まれません」というこれまでにないトラブルで、何時間も悪戦苦闘。結局あきらめ、秋葉原に持ち込み修理に出向くことを覚悟。ところが翌朝目が覚めてスイッチonしたらフシギなことに直ってた! ・・・はいいとして、次にはルーターの電源が作動せず、やむなく予備のWi-Fiオープンネットワークを利用することに・・・。とほほ。
 そんなわけで、今日は今年最初の映画として横浜シネマリンの「沈黙-立ち上がる慰安婦」かシネマ・ジャック&ベティの「すばらしき映画音楽たち」を観るつもりだったのがダメになってしまいました。残念。

▸韓国では、12月20日公開の「神と共に-罪と罰」が今日(4日)早くも観客動員数1千万人を超えました。昨年の「タクシー運転手」以来4ヵ月半ぶり。そしてベスト10の2、3位も韓国映画が占めています。注目は2位の「1987」。先週の記事でも書きましたが、結局は全斗煥の軍事独裁政権を倒した1987年の民主化運動を背景にした作品です。いや、正確にはその発端となった出来事に関係したものです。1987年1月、ソウル大言語学科の学生会長だった朴鍾哲(パク・ジョンチョル)が公安当局による拷問で殺されます。拷問致死の究明・抗議の声が高まり、6月9日の集会で戦闘警察による催涙弾で後頭部を撃たれた延世大の李韓烈(イ・ハニョル)は7月5日死亡します。 6月9日以降多くの学生・市民たちによる集会・デモが拡大してゆく中で、結局盧泰愚大統領候補は、前日の全斗煥大統領との協議を経て、29日に大統領直接選挙制と言論の自由化を認めた「6.29民主化宣言」を発表し、ようやく事態は鎮静化します。
 右の写真は、2016年12月に行ったソウル・南営の警察庁人権センター内の朴鍾哲君が拷問された部屋。浴槽・寝台・机、そして彼の遺影があります。※→<コネスト>の記事では<朴鍾哲記念館>となっています。より詳しくは→コチラの記事参照。
 この作品には評論家・記者たちも下記のように高評価をつけています。私ヌルボもぜひ観てみたいと思いますが、いつになることか・・・。なお、こうした映画が作られ、多くの観客を集めていることは、現在約80%の支持を得ているという文在寅の政権であることと多かれ少なかれ関係がありそうです。昨年大ヒットした「タクシー運転手」や新機軸の慰安婦映画「アイ・キャン・スピーク」も同様ですが・・・。
    
「朝鮮日報」12月30日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ワンダー」
   まだ温かく暮らせる世 ★★★☆


 「ゴースト・ストーリー」

   生との境に寂しい霊魂 ★★★☆



 「ダブルの恋人」

   オゾン監督、挑発的帰還 ★★☆

 ダブルの恋人(仮)はフランソワ・オゾン監督によるフランスのスリラー。結局は恋人同士となり同棲を始めた精神科医と患者の女性。しかし彼女が偶然見た彼のパスポートには彼とは別の名が・・・。詳しくは→コチラ。 他の2作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(1月5日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
          ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ワンダー  9.43(493)
②(1) グレイテスト・ショーマン  9.42(7,454)
③(3) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.33(784)
④(-) 1987(韓国)  9.25(11,996)
⑤(-) 狂人オク・ハンフム[玉漢欽]  9.24(66)
⑥(5) ゴッホ~最期の手紙~  9.19(4,279)
⑦(7) モーディー  9.17(2,675)
⑧(8) ポロロ劇場版 恐竜島大冒険(韓国)  9.16(3,240)
⑨(-) 息子のところへ行く道(韓国)  8.98(82)
⑩(10) 七月と安生  8.93(405)

 今回の新登場は①④⑤の3作品が今回の新登場です。
 ①「ワンダー」と、
 ⑤「狂人オク・ハンフム[玉漢欽]」は、1978年からサラン教会の牧師として、また国際弟子訓練院院長として宗教活動を続けてきたオク・ハンフム(玉漢欽.1938~2010)牧師についてのドキュメンタリー。彼は教会の量的成長ではなく質的な成熟をめざすことを主張し、そのため自ら狂人と表現するほど弟子訓練に力を注いだとのことです。また彼は、今日の牧師たちが自分の野望のために人々を手段として利用していることを強く批判し、常に人々を前面に出して自分は後ろに立つという典型的な羊飼いの姿を目指して、尊敬を集めたそうです。原題は「광인옥한흠」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 牯嶺街少年殺人事件[デジタルリマスター版]  9.00(6)
②(-) ア・ゴースト・ストーリー  8.33(6)
③(2) パターソン  8.20(9)
④(-) 1987(韓国)  8.08(12)
⑤(4) スター・ウォーズ/最後のジェダイ  7.71(7)
⑥(5) オン・ボディー・アンド・ソウル  7.67(6)
⑦(-) 君の名は。(日本)  7.55(11)
⑧(6) ゴッホ~最期の手紙~  7.50(8)
⑨(8) メリー・クリスマス ミスター・モ(韓国)  7.33(15)
⑩(9) 静かなる情熱 エミリ・ディキンスン  7.20(5)

 ②④の2作品が今回の新登場です。
 ②「ア・ゴースト・ストーリー」は、アメリカのファンタジー&ロマンス。ゴーストといってもホラーではありません。郊外の小さい古い家。作曲家のC(ケイシー・アフレック)と彼の妻M(ルーニー・マーラ)は穏やかな日常を送っていました。ところがある日、突然の事故でCは世去り、1人残されたMは深い悲しみに耽ります。一方、病院霊安室でゴーストになって目覚めたCは、憑かれたように、Mが待っている自分の家に帰ります。布を被ったおばけに変身して・・・、とは言っても、人間には見えません。彼はMを見守るために家を徘徊します。彼女とゴーストは同じ時間と空間にいて愛していた記憶を思い出しつつ過ごします。その後CはMが新しいボーイフレンドと家に帰ってくるのを目にします・・・。韓国題は「고스트 스토리」。です。
 ④「1987」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月29日(金)~12月31日(日)) ★★★

         「神と共に-罪と罰」、4日一気に1千万を超える

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・神と共に-罪と罰(韓国)・・・・・・・・12/20・・・・・・・・2,465,017・・・・・・・・8,539,596 ・・・・・・・68,351 ・・・・・・・1,666
2(13)・・1987(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・1,353,715・・・・・・・・1,942,385 ・・・・・・・15,256 ・・・・・・・1,170
3(2)・・鋼鉄の雨[STEEL RAIN](韓国)・・12/14 ・・・・・・・・・291,426・・・・・・・・4,014,295 ・・・・・・・31,994・・・・・・・・・599
4(3)・・グレイテスト・ショーマン・・・・・12/20 ・・・・・・・・・147,414 ・・・・・・・・・815,271 ・・・・・・・・6,662・・・・・・・・・412
5(4)・・劇場版ポケットモンスター・・・・12/21 ・・・・・・・・・・87,453 ・・・・・・・・・415,251 ・・・・・・・・3,117・・・・・・・・・443
       キミにきめた!(日本)
6(5)・・モンスター・ファミリー・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・65,678 ・・・・・・・・・341,622 ・・・・・・・・2,531・・・・・・・・・355
       恐竜島大冒険(韓国)
7(31)・・ワンダー/Wonder・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・53,872 ・・・・・・・・・・81,680・・・・・・・・・・632・・・・・・・・・178
8(7)・・ポロロ劇場版・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・36,733 ・・・・・・・・・773,748 ・・・・・・・・5,848・・・・・・・・・208
       恐竜島大冒険(韓国)
9(15)・・プリパラ み~んなのあこがれ♪・・12/21・・・・・・・・21,288 ・・・・・・・・・・36,450 ・・・・・・・・・・279・・・・・・・・・191
       レッツゴー☆プリパリ(日本)
10(6)・・スター・ウォーズ/最後のジェダイ・・12/14・・・・・11,533・・・・・・・・・・946,545 ・・・・・・・・8,535 ・・・・・・・・・39
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 冒頭にも書きましたが、韓国映画界としては順調な滑り出しで新年を迎えたといってよさそうですね。ただ、ちょっと気懸りは今後3月頃までの公開予定をみるとどうもこれといった期待作がないんですよ。4月公開(日本も同月)の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」だけが突出していて・・・。2月末公開の日本映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は、原作が韓国でもベストセラーだったのでちょっと注目。
 今回の新登場は2・7・9位の3作品です。
 2位「1987」は、これも先に記したように、1987年の民主化闘争の契機となったソウル大生は朴鍾哲君の拷問致死事件をモチーフとしたドラマ。1987年㋀、警察の調査を受けていた22歳の大学生が死亡します。証拠隠滅のためにパク署長(キム・ユンソク)は遺体の火葬を要請しますが、学生が死亡した当日の当直だったチェ検事(ハ・ジョンウ)はこれを拒否し、検死に引き渡します。警察は単純なショック死に偽装しようとしますが、現場に残った痕跡と剖検所見は拷問による死亡を示していました。事件を取材していたユン記者(イ・ヒジュン)は「水拷問による窒息死」と報道します事件の拡大を防ごうと、パク署長はチョ班長(パク・ヒスン)等刑事2人を留置しますが、刑務所に収監されたチョ班長の話を聞いて事件の真相を知った看守ハン・ビョンヨン(ユ・ヘジン)は、この事実を手配中の活動家らに伝達するために姪のヨニ(キム・テリ)に危険なことを頼みます・・・原題も当然ですが「1987」です。
 7位「ワンダー/Wonder」(仮)は、R.J.パラシオの児童小説「ワンダー」(ほるぷ出版)が原作のアメリカのドラマ。オーギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は誰よりもウィットがあり、好奇心旺盛で魅力的なお金持ちの少年。しかし、病気が原因で他の皆と違って顔の形が変形しているため、クリスマスよりも顔が隠せるハロウィーンの方が好き。入退院を繰り返して、学校に通っていなかったオーギーですが、 ママのイザベル(ジュリア・ロバーツ)とパパのネイト(オーウェン・ウィルソン)は、より大きな世界を見せてあげようと、10歳になった息子を学校に通わせます。クラスメートたちは、当初オーギーの顔の形を見て騒いだりしましたが、やがて彼との交流を通していろんなことを学んでいきます・・・。韓国題は「원더」。日本公開は4月とのことです。
 9位「プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ」は、日本では2016年3月公開。私ヌルボ、どうもこの頃「(~という)私(or自分)がいた」といった表現が気になっていて、自分では使うまいと思っていました。が、今初めて使います。「このアニメについて、何も語れない自分がいた」。韓国題は「극장판 프리파라 모두의 동경♪ 렛츠고☆프리파리」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(14)・・山上の垂訓 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/07 ・・・・・・・・・・10,987 ・・・・・・・・・・・40,225・・・・・・・・・・・288・・・・・・・・・・42
2(3)・・パターソン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/21 ・・・・・・・・・・・7,277 ・・・・・・・・・・・29,279・・・・・・・・・・・237・・・・・・・・・・43
3(2)・・ゴッホ~最期の手紙~ ・・・・・・・・・・11/09 ・・・・・・・・・・・6,437 ・・・・・・・・・・384,542 ・・・・・・・・・3,061・・・・・・・・・・41
4(14)・・ゴースト・ストーリー ・・・・・・・・・・12/28 ・・・・・・・・・・・2,669 ・・・・・・・・・・・・4,276・・・・・・・・・・・・37・・・・・・・・・・49
5(4)・・チューリップ・フィーバー ・・・・・・・12/14 ・・・・・・・・・・・1,321 ・・・・・・・・・・・52,144・・・・・・・・・・・417・・・・・・・・・・21

 4位「ゴースト・ストーリー」が新登場ですが、この作品については上述しました。

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