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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

[韓国語の新語] 厳しい現実を描いたコメディは、まさに「ウップダ」!

2014-05-12 23:47:24 | 韓国語あれこれ
 4月14日から韓国で「10分」という映画が公開されています。
 私ヌルボ、最初このタイトルを見て、ハラハラドキドキのアクション映画かと思いましたがそうではなく、放送局PDの正規採用をめざして試験を受けた青年を主人公にしたコメディです。
 「10分」というのは、最後の方で主人公の青年が自らの人生を決する決断を迫られる、その制限時間です。
 若年層の就職難という、まさに現代韓国の大きな社会問題を背景にした作品で、観た映画ファンたちの評判も上々のようです。

 <DAUM映画>で、この映画に対する評価(10点満点)と寸評を見てみました。(→コチラ。)

 「本当に共感できる映画ですね。(10.0)」、「困難な現実を経験する堅実な青年の苦悩をよく表現していた。(10.0)」といった寸評&高ポイントとともに目についたのは、主人公と同じ世代と思われるファンのコメントです。
 「20代中盤のわれわれの悲しい自画像 (7.0)」とか「コメディだが全然笑えない映画 (10.0)」というのももしかしたらそうかも。

 そしてコレもたぶん。
 "웃프다"という表現がこの映画に最も似つかわしい単語ではないかと思う! (8.0)」

 ところで、なんだ、この"웃프다"というのは?

 この単語を初めて見たという人も、先に並べた感想と照らし合わせたら「あ、そうか!」とわかるかも・・・。実は私ヌルボもその1人でした。

 電子辞書にはない単語ですが、<NAVER辞典>(→コチラ)を見ると、オープン国語辞典の方、つまり新語として載っていました。説明文はおよそ次の通りです。

 웃프다웃기다(笑わせる.可笑しい)と슬프다(悲しい)の合成語で「ㅋㅋ」 (笑を表す記号)と「ㅠㅠ(涙を表す記号)」を合わせた「큐큐」と共に使えば最上の組み合わせ。

 ちなみに、<NATE知識>で「웃프다とはどんな意味ですか?」という質問が登場したのは2011年1月です。(→コチラ。)

 なるほど、この映画の内容を考えるとよくわかります。
 で、自分でもこの웃프다を用いて短文でも作ってみるかと思いましたが、情けない自虐ネタばかりが次々と浮かんできて、気持ちが落ち込んでいきそうなのでやめます。

[韓国語] 妻(アネ)の表記は韓国と北朝鮮で異なる

2014-05-12 09:36:04 | 韓国語あれこれ
     

 以前文京区白山のコリアブックセンターで購入した北朝鮮本を読んでいます。
 「홍의장군 곽재우(紅衣将軍郭再祐)」という、壬辰倭乱の時の将軍・郭再祐(クァク・ジェウ)の物語です。
約200ページですが、各ページの3分の2は絵で、活字も大きめの子ども向きの本なので、すいすい読み進められます。
 と言っても、会話は時代劇風だし、用語・用字は北朝鮮風なので、今のフツーの韓国語に慣れている私ヌルボ(と、たぶん大方の韓国語学習者)にとっては目が留まってしまうこともしばしば。
たとえば・・・・

 이곳은 녀진들이 둥지를 틀고 있는 곳과 가까으므로
 ここは女真どもが住み家を構えている所と近いので
 ・녀진(北朝鮮)→여진(韓国)
 ・가까왔으므로(北朝鮮)→가까웠으므로(韓国)

 아버님,나라에 왜적들이 쳐들어와 큰 란리가 났소이다. 소자는 기어이 왜적과 싸우려고 하오이다.
 父上、国に倭敵が攻め込んで大きな戦乱となりました。私はなんとしても倭敵と戦おうと存じます。
 ・란리(北朝鮮)→난리(韓国)
 ※소자(小子)は、王や父母等に対して自分を指して言う謙譲語。
  別の所で、소녀(小女)という言葉も出てきます。女性が目上の人に対して自分を指して言う謙譲語。もちろん少女と同じスペルです。
 [5月12日の訂正]※왜적は倭賊と思って最初そのように記しましたが、たまたま別の言葉を<NAVER辞典>で調べたら、この語が倭敵という漢字とともに出てきました。同音なので紛らわしいです。よくあることですが・・・。

 そして、実はこの本を読むまで私ヌルボが知らなかったのが안해という北朝鮮の言葉。
 発音してみると「아내」となるので、前後の脈絡からも韓国語の아내(妻)ということはすぐにわかるのですが・・・。

 この語を「朝鮮語辞典」(小学館)の電子辞書で引くと「<共和国で>家内,妻.→아내.」とあります。<NAVER辞典>(→コチラ)にも아내の北韓語または古語とあります。やはり、北朝鮮の表記が本来の形ということですね。

 韓国ウィキペディアの「아내」の項目には、さらに詳しい説明があります。
それによると、語源には次のような諸説があります。
 ①안(內)+해(物)。つまり「(家の)内の物」。
    ※慶尚道方言では「おまえの物だ(네 것이다)」という意味で「니 해라」と言うことが今もあるそうです。
 ②안ㅎ(內)+에(方向を示す先格助詞)。つまり「(家の)内の方」。
 ③안(內)+해(人を意味する接尾辞)。つまり「(家の)内の人」。
 これ以外に、妻は「家の中の해(太陽)」だと主張する意見等もありますが、これは妻をより尊重しようという考え方によるもので、語源とは関係がないとのことです。

 ついでに、エンハウィキにも아내についておもしろい説明がありました。(→コチラ。) ちょっと抜粋。

 결혼을 한 남자에게 있어 가장 무서운 천적 가 자신의 상대 여자를 지칭할 때 쓰는 말.
 사실 무슨 말만 하면 안해! 안해! 안한다고! 안해!!!를 외쳐서 아내라고 한다. 반대로 남편은...
 結婚した男性にあって最も恐ろしい天敵が自分の相手の女性を指す時使う言葉。
 事実、何か言葉をかけるとやらない!(안해!) やらない! やらないったら! やらない!!!)を叫ぶので아내という。反対に夫は・・・

 統一部(!)のFASEBOOK(→コチラ)にも、次のような例文がありました。
 다시 태어나면 안해와 결혼 안해!!
 もう一度生まれたら、妻とは結婚しない!!

 たしかに안해やらないと同義なので、実はヌルボも誤解しかけました(笑)。

 「紅衣将軍郭再祐」の内容等については、読み終えたら書きます。たぶん。