学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

「立憲デモクラシーの会」(その2)

2015-06-12 | 石川健治「7月クーデター説」の論理
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 6月12日(金)10時05分49秒

「立憲デモクラシーの会」の「呼びかけ人」を見ると、「共同代表」の奥平康弘氏は今年1月に亡くなられてしまいましたね。
「東京大学名誉教授・憲法学」といっても社会科学研究所の方ですが。
法学は共産党系の憲法学者の方もそれなりにいらっしゃるようで、政治学はよく知りませんが、私見では「日本の代表的知識人」とは呼び難い人も多いですね。
坂本義和氏(東京大学名誉教授・政治学)も去年10月に亡くなられましたね。
旧制高校関係の文献を探しているとき、『人間と国家―ある政治学徒の回想(上)』(岩波新書、2011)に旧制一高の寮生活が大変な分量で詳細に描かれているのに気付いて参考にはなりましたが、最晩年の回想にしてはバランス的にどうなのだろうと、いささか異様にも感じました。
経済学以下は本当に雑多な方々ですが、後藤健二・湯川遥菜氏の一件でイスラム国に身代金2億ドルを支払えと言っていた上野千鶴子氏のように、国家安全保障を論じさせてはまずい人も多いようですね。

文体・語彙から見て、「立憲デモクラシーの会」の設立趣旨は「共同代表」の山口二郎氏が起草したのでしょうが、民主党が政権を取ったとき、テレビで山口氏が「これは革命だ」とか叫んでいるのを見て、ちょっと精神的に不安定な人かなと思ったことがあります。

「立憲デモクラシーの会 呼びかけ人」
山口二郎(1958-)

>筆綾丸さん
上杉慎吉と長谷部恭男氏の最大の違いは、上杉が大変な美男子であったのに対し、長谷部氏はそうでもない点でしょうね。
容貌魁偉というか、ある種宇宙人的な不思議な顔をしていた美濃部達吉ほどではないですが。
『加藤周一と丸山眞男』は未読なので、早速読んでみます。

上杉慎吉(1878-1929)

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

Escape from homme(femme?) 2015/06/11(木) 17:32:10
小太郎さん
長谷部恭男氏を上杉慎吉に擬える話には驚きましたね。
地方にある国の機関はよく「合同庁舎」に入居しているので、ときどき見かける「〇〇合同法律事務所」は国の真似をしてるんだな、と思っていましたが、日本共産党系なんですか。初めて知りました。

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私自身は、そのような認識(注:個人を憲法論の価値の根元とする認識)を意識的におしつめて憲法論を組立てようとしてきたが、それに対し、後続世代の憲法研究者からは、個人であろうとすることの「息苦しさ」、抑圧性を指摘する批判が、少なからず寄せられるようになっている。個人の自己決定よりは各人の帰属単位の中での共生に安らぎを見出すことは、なま身そのままの人間の本性でもあろう。漱石は「自己本位」の意義を説きながら「一人ぼっち」の「淋しさ」に耐える覚悟を求めたが、「個人」が建前として憲法上の承認を得た戦後の七〇年を経た今、改めて「個人からの逃走」が意識されてきたといえよう。(樋口陽一氏『加藤周一と丸山眞男』144頁~)
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「後続世代の憲法研究者」がどれくらいの拡がりになるのか、わかりませんが、なるほど、面白い指摘ですね。

http://satlaws.web.fc2.com/0140.html
「自民党憲法草案の条文解説」には、「個人からの逃走」が随所にちりばめられていて、第13条において、「個人」を「人」に置き換えたものなどは「個人からの逃走」の典型のようですが、これが「一七八九年の「人 homme 及び市民 citoyen の諸権利の宣言」」(同書77頁)の人(homme)を踏まえているとは思えないですね。
コメント
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