雪が融け始めたと思ったらまた雪。今年の春はおかしい。
郡山の一家が帰った。
およそ半月、にぎやかだった。
去った後、がらんとした静かな空間がむなしい。
だが、すぐにその生活にのなれることだろう。会いたくなったら出かければいい。
孫にも、ジョンにも、リリーにも・・・郡山まで一時間ちょっとで行くことができるのだから・・・
雪が融け始めたと思ったらまた雪。今年の春はおかしい。
郡山の一家が帰った。
およそ半月、にぎやかだった。
去った後、がらんとした静かな空間がむなしい。
だが、すぐにその生活にのなれることだろう。会いたくなったら出かければいい。
孫にも、ジョンにも、リリーにも・・・郡山まで一時間ちょっとで行くことができるのだから・・・
晴れ、後曇り。
気温が高い、雪解け急。
甲府沼の氷上にもう立つことはできない。孫と一緒に湖上に作った雪だるまもいまやほとんど融け去ってしまった。
余震も少なくなった、通常生活に戻りつつある、明日は郡山の一家が帰宅することになった。
火が消えたようにさびしくなってしまうことだろう・・・
快晴、気温上がる。こんな日は家にじっとしているのは難しい。
春の花を探しに花見山に向かう。今年は春の訪れが遅いといえ、里山はすでに春の彩り、園に入るや、濃密な梅の香り、花の香り・・・
上着は不要、花見山に登れば、うっすら汗さえかくほど暖かい。早春の里山の静かな散策はどこまでも続く。
すでに花を愛でながら弁当を広げ、春の到来を楽しむ家族・・・
今年の桃源郷の春はどうなるのであろうか・・・
いつも立ち寄る園芸店、今日も人影まばら、さびしい。
だが、たくさんの苗が入荷しており、心弾む。未知のゲラニウム多数あり。
Geraniumu Pastel Cloudsを手に入れる。タグには一切情報が無い。
いったいどんな花が咲くのだろうか?anium Pastel CloudsGeranium Pastel Clouds
快晴。気分爽快。一日青空。
東京電力の小野川、秋元湖の水力発電所はフル稼働、、原発といい水力といい、東北にありながら、首都圏にただただ電力を送っている・・・
水の無くなった堰堤付近のさらけ出した湖底を川のように水が激しく流れている。
初めてみる光景、あぁ、またまた逃避している厳しい現実を突きつけられてしまう、思い出してしまう。
寒い。
曇り時々薄日、雪。天気がめまぐるしく変わる。
雪が融けた温かい陽だまりにフキノトウを見つける。そこだけがぱっと明るい。
落ち込んで暗い日本、多くの人が平穏な日常生活を送れる日が来るのはいったいいつになるか・・・
ついそんなことを考えてしまう。
雪降ったり止んだり。寒い。
日中一歩も外に出ず暮らす。
最後のジョンの散歩はぐうたら暮らした私の役目、時刻は22時、ほろ酔い、転倒に注意、防寒具に身を包み、いざ出
陣。
会津若松に買い物。
いまやスーパーマーケットの棚には震災前と同じように必要なものほとんどがある。
一時期の買占めや買いだめに走る殺気立つような雰囲気はまるで無い。
まだ休業中のガソリンスタンドが多いためか、国道沿いの開店しているガソリンスタンドには数十台の行列がある。
裏道のスタンドでは待ち時間なし、楽に満タン給油、これで1000kmOK、しばらく給油の必要は無い。ハイブリット車、万々歳か。
だが、いづれすぐにガソリン不足の問題も解消される事だろう。
帰路は猪苗代湖沿いのR49で、途中長浜に寄る。北国に帰るオナガガモ、ハクチョウの群れ。
近くによって見れば悲しいことにハクチョウの多くは羽に大きなダメージが見受けられる。
故郷に帰ることのできないハクチョウの家族たち、多くは帰国を諦め猪苗代湖で夏を越すことになるのだろう。
ハクチョウたちのやさしい眼差しからその悲劇をまったく感じ取ることができない。見る者にはそれがなおさら痛々しい。
大震災、そして原発、故郷にしばらく帰ることができない多くの被災者、思考は悪夢のような現実に引き戻されて・・・
薄曇、時々陽光漏れる。
散水栓を掘り起こし、ビニールハウスのバラに水遣り。目印をつけておいた成果、今年は深い残雪にもかかわらず、すぐに掘り当てる。
むっとする温室内ではすでに芽が動き始めている。これからこまめに換気しなければならないだろう。
家の南側の軒下に水仙の芽吹きを発見する。
あぁー、春はすぐそこまでやってきている・・・
小雪チラつく寒い一日、夕方薄日差す。
秋元湖に孫たちと散歩。堰堤にサルの群れを見つけたジョンが狂ったようにリードを引っ張る。
一目散に逃げるサルの群れ、初めて見るサルに興奮するジョンが鳴き続ける。
夕日を浴び、秋元湖の遠い対岸に浮かぶ箕輪山が白く輝く。
今日も何事も無かったように暮れようとしている、が・・・
曇天。
家族の一員に加わった犬のジョン、猫のリリーが一家を明るくにぎやかにしてくれる。
ジョンの散歩が一家の運動不足を解消してくれる。かわるがわる散歩、いまやジョンにとってはいささか迷惑か・・・
ジョンとの散歩が楽しい、今日は誰もいない五色沼へ、どんどん散歩の距離が、回数が増える。
ジョンは帰り道、いささかバテ気味。
鶴沼の氷融け、とても美しい。立ち止まりゆっくり見入る、こんなことに気づくのも散歩のよさだ。
裏磐梯のガソリンスタンドでガソリンの給油が始まった。少しずつではあるが着実に平常の生活を取り戻しつつある。
朝から小雨、霧が深い。
今日はインドアで過ごすこととする。
久しぶりにアナログ、LPレコードの棚から、古びた縫い合わせたジャケットのアルヒーフレコード、ヒュッツのマタイを聴く。CDになれた耳にはスクラッチノイズ、耳にフィルターをかけてヒュッツを聴かざるを得ない。
いまだLPを大切に聴き続けている人に敬意を表する。
私には我慢できない。早速このLPのCD化されたものを買わなければならないだろう。
続いてシェリング、ヴァルヒァのバッハ、バイオリンとチェンバロのためのソナタ全曲。
これはもうノイズを忘れ純粋にシェリング、ヴァルヒァの演奏に圧倒され、聴き終わってしまう。
オーマンディー、フィラデルフィアのワンダフル・ワルツ・イン・Hi-Fi、LP、モノラル、こんなレコードが残っていた。なんと懐かしいハイ・ファイと印刷されているジャケット、ああいつの日に聴いていたのか・・・
バッハ、アルビノーニ、ビバルディー、マーラー、調子に乗って・・・
孫どもの部屋乱入を防ぎつつ一日、アナログの世界、LPの世界に遊ぶ。
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今年は昨年に比べ、春の訪れが遅い。庭の雪も大量に残り地面がまだ厚い雪に覆われている。
昨年は地面が顔を出し、ゲラニウムの芽吹きが見られたが・・・
犬のジョンの散歩が日課に加わった。一週間ほどたちようやくジョンとの信頼関係らしきものができつつある。
今日も秋元湖へ、初めて見る湖に浮かぶ白鳥に向かって興味深々のジョンの目が輝く。
そんなジョンに愛情を感じ始める。
快晴。乏しくなったポーチの薪運び。
息子、孫総動員。 新雪に覆われた久しぶりの甲府沼、青空に磐梯山がまぶしい。
湖上で雪だるま、もうすぐこの上に立つことはできない。
側の流山で皆で橇遊び、今日も静寂な空間に明るい笑い声が満ちる。
天気がよい。裏磐梯はどこも静まり返っている、そして本来の美しさがそこにある。
よく観察すれば電力不足の一助、水力発電をフル稼働させていることが分かる。
秋元湖の水位の異常な低さがそれを示している。
うれしい復興の兆しもある。降った猪苗代のスーパーマーケットの棚に、牛乳が、卵が、新鮮な野菜が、果物が、貝類が、肉類が・・・いろいろ戻っている。
家に戻ればホームタンクに灯油を給油する車がやってきている・・・プロパンガスもいつでもOKというれしい電話。感謝、感謝、感謝・・・
40万人の被災者が一日でも早く快適な生活を取り戻すことができるよう、今はただただ静かに祈るしかない・・・
雪、時々青空。伝わるニュースは相変わらず暗い。
孫たちと秋元湖へ行く。ジョンが二人の孫たちを乗せたそりを引く。大型、ミックスのジョンはとても力がある。
新雪の秋元湖堰堤で橇遊び。子供たちの明るい笑い声が死んだように静かな雪原に流れる。
磐梯山が何事もないかのように切れ切れの雪雲から顔を出す。
それにしてもあまりに静かだ。