裏磐梯 秋元湖にほど近い森の中から・・・

裏磐梯の森の中の家、薪ストーブ、庭、山、酒、音楽を愛する独居老人の日常生活の記録、綴り続ける備忘録。

 

半人前の樵仕事

2014年02月27日 | 薪ストーブ

1991年4月、ここ裏磐梯にわれわれ家族は居を移した。

家はカラマツ林を伐採し、その中に建てられた。

カラマツを切りたくない、敷地内にできるだけカラマツを残してほしい、無理にお願いした。

結果、家のすぐそばに10数本のカラマツが伐採を逃れた。

地元の人もヤニ、細かい落ち葉が屋根の隙間に入り込み腐食を進めるなど、カラマツの人家に与える害を訴え、カラマツの伐採を再三勧めていたのだ。

当時カラマツの芽吹き、新緑の美しさに魅せたれていた私は余計なお世話、とこれも無視。

だが、これは10数年後大いに後悔することになった。落ち葉の被害は我慢できるとしても・・・

ある日、下水が完全に流れなくなってしまった。業者に原因を調べてもらうとカラマツの根が下水管の隙間から進入し、完全に下水管を塞いでしまっているという。

下水管からずるずると引き出されたカラマツの細根の10数メートの大蛇のような束・・・

その他カラマツの貪欲なまでの大地からの養分、吸水する力を恐れ知ることとなった。

カラマツは遠くで眺めるだけでいい、家の周り数十メートルにカラマツはいらない。苦々しくカラマツを見上げる日々・・・

そして今日、初めて表庭のカラマツ伐倒を決意する。根元にある大きくなった洞が強風などによっる不意の倒れ込みの恐れが大きくなっていた。

雪のクッションのある、カラマツの葉をすべて落とした休眠時期、材に水分の少ない伐倒ベストシーズン、今を逃したらチャンスはない。

隣家に近い伐倒、失敗は絶対許されない。裏庭の樹木の伐採は何度も経験しているが受け口、追い口、樹木伐採の再勉強。

結果、慎重になりすぎた、恐れすぎた。反面必要な準備を欠いていた。

昨日は目立てと調整、出来上がったチェーンソーの引き取りに会津の中屋善兵衛に行っている。

なにせここは樵のプロショップ、クサビ、ハンマーなど腐るほど置いてあっただろうに。なぜ気づかず買い忘れたのだろうか。

すばらしく使い心地のよさそうな中屋善兵衛の刻印したシングルハンドの斧に心動かされたためだろうか・・・

伐倒方向を何度も確認し、作業に入る。慎重に受け口、追い口を切る。だが思い通りに倒れない。受け口の切り方が小さすぎた。だがもう修正はできない。

クサビ代わりに追い口に斧をハンマーで叩き込むがハンマーが小さすぎて斧が跳ね返されてしまう。どうしよう・・・焦る。

こんな場合クサビは絶対必要、強風が吹かぬよう祈りながらクサビを買いに車を猪苗代に。

ダブルハンドの大型のハンマー、そしてクサビ、店にはクサビが1個しか置いてない。また斧を代用するしかない。

家に戻り追い口にクサビを打ち込み始める。追い口の隙間がなくなっている。このままでは反対方向、隣家に倒れる恐れがある。

焦る。必死でクサビを打ち込む。やっと少しずつ食い込み始める。さらに斧を打ち込む。クサビ、斧、交互に打ち込む。やがてメリメリと大きな音を立てながら思い通りの方向に伐倒・・・

枝払い、玉切り、半分ほど薪割り。直径40cm、年輪を数える。50数個の年輪、カラマツの生命を奪った罪悪感を感じる。

家に運び込みストーブにくべる。室内に針葉樹のすばらしい香り、遠い思い出、2冬、家を建てるため伐採したカラマツを燃やしていた・・・

あのすばらしい香り・・・

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陽光いっぱいのいわきへ

2014年02月24日 | Roses

今朝も裏磐梯は放射冷却が加わり冷え込む。-20°c近くになったであろうか。

氷瀑の袋田の滝にで行ってみようか、と家を出たが途中、塩谷崎灯台に行ってみよう、と急に妻が言い出す。

震災後3年、ようやく復旧なった塩谷崎灯台、そんなニュースがTVで流されていたのだ。

陽光いっぱいのいわきの海、太平洋の青い海原、とても魅力的だ。

急遽、車をいわきに向ける。

途中寄った広大なフラワーセンターの紅梅の香り、福寿草、クラクラするほど暖かい温室、咲き乱れるブーゲンビリア、たわわに実るマンゴー、

芝草の中のオオイヌノフグリの青、ホトケノザのピンク、そして香り高きローズマリーの青、膨らみかけたバラの芽。

太平洋に突き出た岬にそそり立つ白き灯台、新たなるペンキの匂い、水仙の強き甘い香り、濃密な潮の香り。

100段の階段を登りきった灯台、展開する渺茫と広がる青き太平洋。

短い早春の旅にすっかり満足し、長い帰路に着く。

これから寒く、暗い雪の裏磐梯から明るい暖かい春を探しにふらふらあちこち出かけることになるだろう。

ようやくそんな季節になった・・・

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今年もシメ

2014年02月16日 | 庭の野鳥・野生動物・昆虫

今週末も太平洋側、表日本の雪の被害は甚大だった。

幸い裏日本気候の影響下にある裏磐梯では降雪少なく30cmほど。

といっても屋根からの落雪でダイニングルームの窓はほとんど埋まってしまい外の景色が見えない。

しばらく逃れていた除雪の苦役、再び・・・

そんな埋まってしまっている窓の雪の隙間から覗く先の餌台に孤独なシメが今年もやってきている。

どんなに雪が降ろうとも餌台のヒマワリの補給は欠かすことができない。

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雪の大内宿

2014年02月13日 | 裏磐梯の近くに・・・

大混雑しただろう2月8、9日2日間の大内宿の雪祭りが終わった。

祭りの後、静かな大内宿を期待して出かける。

ここ十数年大内宿は人気スポット、いつも混み合っている。

平日でも駐車場が混み合い、苦労することが多い。いつごろからだろうか、こんなに混み合うようになったのは・・・

青空にスッキリ会津盆地をぐるり取り囲む雪山、特に目を引く雄大な飯豊山の真っ白い山容、そんな景色を見ながらの気分爽快なドライブ。

会津側から裏道、コブシラインを利用して大内宿に入る。峠越えの山道、こんな間道でも除雪されていることに驚く。

茅葺き屋根に積もった雪の丸みを帯びた曲線がとても美しい。各家前に作られた雪灯篭、雪洞、雪像、

期待通り、静かな美しい雪の大内宿をここよゆくまで楽しむ。

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優しい時間

2014年02月11日 | 日常生活

10年ほど前だろうか、そんなテレビドラマがあった。

なぜか惹かれて時々そのテレビドラマを観た。

特に惹かれたシーン、それは寺尾聰が演じるマスター、喫茶店の窓越しの雪景色、バーカウンターの背後の窓、ブルーにライトアップされた極寒の群青色の雪景色だった・・・

単純、馬鹿なオトコはすぐにそんな雪景色を見たいがためにホームセンターに走る。

東急ハンズならいざ知らず、田舎のそこにはそんなものはない。投光器の前に置く、ブルーの透明なアクリル板を買い求める。

だが、暗くなるのを待って点灯するもアクリル板のブルーの色がいかにも淡すぎて優しい時間のあの雪とは程遠い色。

そして10年?時は流れ急に青い夜の雪景色再び・・・

いかにも1時間らたすの急拵え、これから時間をかけて優しい時間、あの美しい、あの深海色の雪景に近づけてゆこう、と思う、が・・・

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逹沢不動滝へ

2014年02月05日 | 裏磐梯の近くに・・・

冷え込む。

朝の気温-12度c、逹沢不動滝の氷瀑でも見に行こう、突然そんな気になる。

逹沢不動滝、猪苗代沼尻温泉奥、安達太良山系船明神山に源を持つ不動川にかかる名瀑、行くのは何年ぶりだろうか。

冬季に訪れた記憶はない。積雪期は2、30分手前で車を捨てなければならない。

-8°c、風強く雪煙巻き上がり、猛烈に顔面が痛い。だがそんな雪道を歩くことも運動不足の我々の目的の一つ。

凍りついている不動川沿いをしばらくたどれば達沢不動明王を祀る祠奥に凍りついてしまった流れのない女滝、

そしていつもの優美さを全く失った、無数のつららを垂らした厳つい男滝があった。

今日の目的は果たした。

だが達沢不動滝のすぐ近くにあるハーブヒル・コテージはお休み、今回は石窯パンは諦めなければならない。

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