裏磐梯にはオオウバユリが大変多い。今、そのオオウバユリの花盛り。とても目立つ。開花期には葉(歯)が落ちてしまうことからなずけられた。確かにきれいな葉がついているためしがない。昔はこの球根から澱粉をとり、薬や食料にしたという。(庭の片隅にて)
カラマツの木立から異様な声がする。何かと窓の外に眼をやるとサルの群れが。熊、カモシカ、狐、狸いろいろ窓から目撃したがサルは初めて。観察すると彼らの目的はカラマツに巻きついた山葡萄のようである。小猿の視線が山葡萄に注がれている。こんな未熟なブドウに執心するとは。山に異変がなければよいのだが。ちょっと心配。
裏磐梯の草原にオカトラノオが咲き始めた。長い花序を見立てて岡の虎の尾。なんと安易な命名であろうか。植物図鑑を眺にめていてその植物にぴったりな素敵な名前に出会うことがまれなのは本当にさびしい。(庭の片隅にて)
裏磐梯に居を移した春、ご近所の方からいただいたヤブカンゾウ、今年もにぎやかに咲く。園芸種のように庭に植えられているのを見ることが多い。有史以前に中国からやってきた帰化植物という。なるほど華やかな大陸的な花だ。
忘れ去られた庭の片隅にフランボワーズの赤い実が実った。日当たりの良い場所はバラで占領され、フランボワーズは刈り取られ、抜き取られ、それでも地下茎を伸ばし生き残った一本だ。その実を口に含めば、その香りはまさにフランボワーズ
今、裏磐梯の草原や林下ではトリアシショウマの白い花がとても美しい。あまり聞きなれない野草だが雨にぬれ、静かに風に揺れる清楚なたたずまいは見る者に忘れがたい印象を与える。早春の若芽は一部の人達に美味しい山菜として採取されるという。(庭の片隅にて)
ヒョウタンボクの赤い実があちこちで目につく。花色が白から黄色に変わるためキンギンボクとも呼ばれる。それは解るとして、(有毒植物として有名ではあるが)別名ヨメコロシ、ドクブツ、いやはやなんとも。どんないわれがあるのか知りたいものだ。(庭の片隅にて)
トラディスカントが初めて花開いた。今ガーデナーに人気のイングリッシュローズのひとつだ。このバラは17世紀のイギリスのプラントハンターの祖といわれているTradescant、その名を冠している。Plant Hunter・・・食料、香料、薬、等の有用植物を求めて世界中に出かけていった者たちのことである。21世紀の今日も新薬開発のため、世界各地でプラントハンターが暗躍しているという。(庭にて)
熊は桑の実がよほど好きとみえる。カーティスクリークのそばで熊を目撃するのも桑の実の熟すこの季節。バリバリと枝を折る音が森から一日中聞こえことがある。それにしても小さな実、大きな熊の胃袋を満足させるのは大変なことだろう。(甲府沼の森の中)
チョウチンバナとも呼ばれ、花の中にホタルを入れて遊んだことからなずけられたという。今度ホタルを入れて楽しんでみよう。ホタルブクロの花に灯りがポーと燈ったらどんなに素敵だろうか。(白花ホタルブクロ 甲府沼付近の草むらにて)
庭の片隅、ドクウツギの実が色づき始めた。その実は甘く、美味しいという。昔は子供の誤食による死亡例が多かったらしい。果肉には毒はなく、種を食べなければ大丈夫という説もあるが、間違っても口にしてはならない。(庭の片隅にて)
カーティスクリークの小川を渡って森に入ると、たくさんのハグロトンボがひらひらと舞っている。それはまるで黒い妖精、お伽噺の世界に迷い込んでしまったよう。この妖精もホタルも数多くの種類のトンボもこの小さな小川が育んでいる。(庭の小川にて)