五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

香りの体験

2009年05月10日 | 第2章 五感と体感
晴天の朝。

車の鳴らすクラクションと排気ガスの匂い。

鳥の鳴き声がビルに響きます。

線路を走る電車の音。

商店で働く人たちが、開店の準備をしています。

パリの下町は、こんな感じです。

映画アメリの舞台になったモンマルトルの丘の下は、とくにこんな感じです。

上野の国立博物館でカルティエの展覧会を観てきました。

上野の駅を降りると、いつも思います。「あ~~モンマルトルだ~」

そんなモンマルトルと似た五感を体感しながら、上野公園を歩き、カルティエコレクションを観る。「なんと幸せ!」こんなことを感じるなんて、贅沢というか単純な私です。

ヨーロッパの手先の仕事と日本人の手先の仕事は、違います。
モデリングしていく骨太さと、削いでゆく繊細さ・・・

カルティエ展の最終室に入ると、ほんのりとパヒュームの香りが・・・

そうね。パリはこれでなくちゃ・・・

展覧会で嗅覚を刺激されたのは初めてです。

五感の中で個々の「好き」「嫌い」がはっきりしているのは嗅覚だったりするので、遠慮しながらの微香でした。

技巧と美しさと贅沢さを満喫し、最後は香りのデザートで締めくくり。

カルティエを主張するための表現に、納得致しました。
まさしくこれがアイデンティティの統合だ、と思った次第です。

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源氏物語~その四

2009年05月09日 | 悔いのない人生とは?
準備と計らいは、「雅」の象徴的な精神性だとつらつら思います。

夕顔の屋敷は、下町の荒れた家屋ではあるけれど、香を炊きしめた白い扇に夕顔の花を乗せて渡すしつらえは、とっさにできるものではありません。

相手を想っての準備は、昨日今日の努力で成せるものでは決してないのです。

シンプルな暮らしが好き。。。とおっしゃる人がいますが、シンプルな暮らしをするための努力は、なみな精神力ではできないと思うのです。
そう思いながらも、私も余計なものを持たずに暮らすことが理想です。

ポストに入れられた手紙やチラシ、ついつい買ってしまう「物」、仕事の書類を整理しないまま積み上げているうちに、整理しきれなくなってしまったり・・・

しつらえよく暮らすことを目的とすると、今の時代、相手のことを想いながら、自分の好みを保ち、しつらえよく暮らすことは、かなりの覚悟が必要です。

居間を見渡しながら、あーー、庶民の暮らしだわ~~、と嘆く私ですが、せめては本棚に並んだ源氏物語関連の書物に感性を揺らめかせることで、想像の世界に入りたいと思う次第です。

せめて、とっさの来客の折り、お出しするお茶があれば、それで、良しとしましょうか・・・正真正銘の粗茶ですが

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お母さんには。。。

2009年05月08日 | 第4章 愛とゆるし
母と子の関係は、愛するが故に、愛されるが故に、いろいろな防衛機制に巡り合います。

母親に対して、
理想ではなく、相手への要求というものでもなく、人の悪口でもなく、自分の本音
の感情を意識に引き上げたとき、はたして、ありのままを云えるだろうか?

全てをぶちまけて、こじれる場合もあれば、

全てをぶちまけたお陰で、許し合える場合もあるでしょう。

本音を伝えないことが愛情と捉えることもありです。

親の防衛機制を恐れて、本音の感情を抑えてしまうこともよくよく体験することです。

さてさて、どれが、母と子の付き合い方かなんて、答えはありません。

「愛情があるからこそ、あればこそ、こんなふうになっちゃうのよ~」という方が生身の人間らしい、親子関係の姿かもしれません・・・

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要求

2009年05月07日 | 第2章 五感と体感
人との関わりの中で、いつも自分自身、ハッとすることがあります。

それは、強い言葉で人に要求する人に出会うと、ものすごい不安感に陥ります。

不安感は嫌悪感に変化し、自己嫌悪に発展していきます。

相手は、人に要求している意識はないと思います。
言っているほうも、言われているほうも無意識の領域で自他混合という現象が起きているのだと洞察します。

そうだと分かっていても、私には嫌悪感という感情が湧き上がってくるのです。

その感情がなぜ湧き出すのか?

自分の成育史が大きく影響しています。
仕事の関係で、いつも父は不在でした。たまに帰ってきて、しつけられることは、母子三人の平素の生活が崩されることと同じでした。
今は、高度成長期、不在がちの父親を想うと「お父さん、がんばっていたんだなぁ~」と思えるのですが、「湧きだす感情の傾向」はしっかりと自分の傾向として根付いています。

「たまに帰ってきて要求されることほど、嫌なことはない」これと同質の現象が私の前に表れると、こんな感情が湧き出すわけです。

嫌なことに起こる自分の感情。。。これには傾向があります。

思い出すのが辛ければ、意識に上げることはよした方がよいかもしれませんが、もし、、自分の傾向に目を向けてみたとき、思わぬ成育史の思い出がよみがえるかもしれません。

他人のことは、わかりません。人を攻撃したり、否定したり、要求する前に、ちょっぴり、自分の心と向き合ってみては?

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光源氏のあるがまま

2009年05月06日 | 第4章 愛とゆるし
源氏物語の主人公、光源氏、六条院は、母の面影を追いながら様々な女性を愛していきます。
でも、それだけが物語のほんとうの姿ではありません。

一人一人の女性の成育史と性格に添いながら、その女性のあるがままの姿をそのまま愛していく光源氏に私は魅力を感じます。

しかし、ただひとり、自分の理想を追い求めた結果、先立たれる紫の上だけは別です。

六条の御息所は、抑圧の深さから無意識に怨霊となり、嫉妬の深さを表出していきます。私自身のストレスをどのように表出させるか考えると、案外、怨霊となる自分に気づき苦しむ六条の御息所に親近感を覚えるのです。

一方、抑圧の深さを、更に深淵へと追いやっていった紫の上自身には、自虐的なアイデンティティを感じるのです。
どこへ放出することもなく自分の命さえも深淵へと持ち去ってしまったように思います。
それは、自我が目覚める前に無意識のなかで分化していった光源氏の教育、または洗脳が大きな原因かもしれない、と思ったりもします。

あるがままを愛することの大切さを千年前の物語からも感じることができるのです。

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私には不安がない

2009年05月05日 | 第3章 無意識の世界
不安は人の本質です。

幸せでなくてはならない・・・成功しなくてはならない・・・いつも平安感でいたい・・・等々、これに固執してしまうと、不安な自分はますます不安になっていきます。

自分には問題はない、不安はない、という方に出会うことがありますが、はたして本当だろうか?と思う私の猜疑心がムラムラと湧き上がってきます。

私たちのカウンセリングの勉強会では、他者分析は行いません。現代社会のことを憂うことも必要かもしれませんが、まずは、自分のことを自問自答することを大切にしています。

なぜ、他者分析ではなく、自己分析・自己事例をもっとも大切にするのか?

それは、他人のことは、分からないからです。

分からない他人のことを憶測しても何もはじまりません。まずは自分です。

成育史は宝物。自分の宝物をカウンセリングの理論を使って理論武装していきます。

これは生涯の私たちの学びのスタイルです。


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源氏物語~その参

2009年05月04日 | 第2章 五感と体感
源氏物語に登場する女性は、ことごとく出家していきます。
男性優位の時代、女性が唯一、自らの意思で自己実現できる身の振り方です。

でも、

よくよく考えてみると、出家するには、庵が必要ですし、それだけの後ろ盾がなくては実現しません。

後ろ盾がないと、源氏物語に登場する末摘花(すえつむはな)のように、侘びしい暮らしを余儀なくされます。

さて、

出家は、逃避であるか?はたまた、昇華であるか?

これも防衛機制に繋がっていきますが、読み手の解釈次第です。

源氏物語を防衛機制の観点から読んでいくのも、面白いと思います。

抑圧・抑制・昇華・逃避・退行・知性化・投影・感情転移・摂取・合理化・置き換え・補償・同一化・反動形成(14の防衛機制)

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源氏物語~その弐

2009年05月03日 | 第2章 五感と体感
イメージを語ることは、現実逃避ではありません。
五感をフルに使い、物語と自分を重ね合わせます。

自分の耐えがたい現実を語ることはなかなかできるものではありません。

源氏物語の登場人物の成育史を知ることにより、防衛機制の上手な使い方ができるように思います。

防衛機制とは、自分を守る術のことです。自分が無意識に使っている自分自身の防御策といってもよいかもしれません。

源氏物語は54のお話から成っています。光源氏が亡くなった後は、宇治十帖という章で物語が展開されます。これが、浮舟。

浮舟は二人の男性から愛された女性です。
二人の間に揺れ動く優柔不断な思いから物語は展開し、結局は、出家する道を選びます。
優柔不断が悪いとは思いません。人はいつでも左か右か、前か後ろか、迷いながらも決断して生きていきます。その決断が固いものか、緩いものか、それもその時その場で、それぞれでしょう。人によっても様々です。

二つの大切なものを失いながらも、最終的には本当の自立をしていくことで喜びを見出していく浮舟は、人の成長の極端な例かもしれません。

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源氏物語と自己愛~その壱

2009年05月02日 | 悔いのない人生とは?
光源氏の成育史は、亡き母と育ての母の幻影が彼の自己愛を育んでいきます。
赤子の頃に亡くなった母に似た女性である藤壺に育てられた光源氏。

「美しい母」という幻影。

そのテーマから繰り広げられる源氏物語は、光源氏以外の登場人物の成育史にもリアルにせまっていきます。

物語に登場するそれぞれの人物に、自分自身を投影させると、何が嫌いで何が好きかが自分の中に芽生えてきます。

自分がしっくりくる登場人物の女性は、玉鬘。彼女は、苦労の幼少期から青年期を送りますが、結局はほんとうの幸せを掴んで幸せな生涯を送ります。

謙遜さが目につき、何か、良いとこ取りをしているように見える明石の君。

幼いころから光源氏に育てられ、教育を受け、光源氏の理想以上の女性と育つ紫の上。光源氏にとっても最愛の女性ではありましたが、それが故に死ぬまで苦しめられます。私は抑圧の深さに息苦しさを感じます。

甘やかされて育った女三ノ宮は、自分の幼稚さ、ツメの甘さから大きな過ちを犯します。

プライドの高さから、自分の正直な思いを伝えられず、無意識の領域で怨霊となり、葵上や夕顔を殺し、紫の上を死の寸前まで追いやります。

書き出すときりがありません。。。

近々、関西の勉強会で、源氏物語をテーマに勉強会をおこないます。

ブログを書きながら、ちょこっとメモで、どんなふうに物語を見ていこうか考えていこうと思います。


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伝える

2009年05月01日 | 第2章 五感と体感
職場や学校、家庭、いろいろな人間関係を経験しながら私たちは生活しています。

何か問題が起こり、「さて、どうしよう!!」ということになったとき、親は子供に、先生は生徒に、上司は部下に、自分の思いを伝えることを経験することとなります。

そんなとき、どうでしょう?

自分の「思い」と思って言っていることは、実は相手に対しての「要求」、ということはないでしょうか?

ここ数日間、仕事やプライベートで、この「思い」についてちょっと考えることを経験しています。


素直な自分の感情を伝えているつもりが、案外良かれと思って伝えていることが「相手への要求」だとしたら、言われた側は、どうでしょう?

相手の口元を眺めながら、次の言葉を待つ余裕を持ちたいものです。

答えは必ず、自分の内にあります。


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