五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

源氏物語~その六

2009年05月14日 | 第2章 五感と体感
去年から能を始め、「謡」を口伝で習っています。
その中で謡われる言葉の美しさに、自然と涙が出てくることがあります。

現代文に慣れている私は、古文の展開の早さに驚きつつ、実際に音読をしてみると、決して展開が早いというわけではないことに気付くのです。

謡いの速度は緩やかです。その抑揚の中から、情景がイメージでき、感情が顕わに表れます。
たぶん、筆で書く文字と同じくらいの速度かもしれません。
書く速度と音読の速度が同じくらいだから、読むよりも音読することで五感に響いてくるのだと思います。

去年は源氏物語千年とあって、俳優やアナウンサーが源氏物語を朗読する会が多かったようです。私も白石加代子さんの宇治十帖を聴きに行きました。

身体に響く声の音が、体感に響き渡る時ほど美しく感じるものはありません。

筆で書く文字と、自分の大脳のイメージ。その湧き出す速度が重なった時に起こる心地よさは、初めての体験です。
カナ文字の成立と、五感の表現は、きっと共に歩んだに違いない。。。と千年前の日本人をうらやましく思います。

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