五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

シャガールを使う意味

2013年11月20日 | 第2章 五感と体感
芸術に触れることで自分が感受するものを言語化する療法を絵画鑑賞療法と呼んでいます。

但し言語化するにあたり、感じた事をありのままに言語化するということは、余程言語表現に長けている人でないとできるものではありません。

カウンセリングの理論をまとめた「生き甲斐の心理学」を使用し、シャガールの絵画を鑑賞し、テーマに添いながらフォーカシングを学んでいこうとする講座が今日から始まります。

しかも、今回は新しい試みで雑誌を使います。芸術新潮7月号「シャガール特集」です。

今年9月から来年にかけて、全国でシャガール展が巡回中ということもあり、新しい視点でシャガールを特集した芸術新潮さんに深くお礼を申し上げます。
今年に入り、ずっと配布する資料をどうしようか考えていた矢先、シャガール展を開催することを知り、しかも理想的な形で雑誌が編集されたことは、御縁としか言いようがありません。

ユダヤ教の信徒として生まれ育ったシャガールが観るものを神秘主義と世間はは勝手に呼んでいますが、宗教がもたらす概念から見えてくるものは、決して神秘では無くシャガール自身にとってはリアリティ(真実)であるのです。
そのことを知らずしてシャガールを観てしまうと「色彩多様なメルヘンな絵」としか映りません。

以前から、絵画鑑賞療法に欧米の心理学者がシャガールを使用してきた意味を理解してもらうにはどうすればよいか、と思案していたのです。日本に住まう私達のアイデンティティで個人の感覚で絵画を眺めることも大事ですが、この場合どうしても違和感から脱却できずにワークショップでの水先案内人と講座を受ける方々との落差が上手く縮まる感覚が持てず、ジレンマを感じていました。

そんな時に出合った芸術新潮のシャガール特集は、まさに私の力では揃える事の出来ない資料が満載なのです。

「現場で撮ることで感じるスケール感」を感じていただきながら学びを深めあっていきたいと思います。

これから半年間、密な時間を共に過ごす皆様、宜しくお願い致します。

シャガール展は、東京近県では行いません。一番近くて3月に開催する静岡県立美術館のはずです。東京、神奈川で展覧会を行わないことは残念ですが、シャガールが「メルヘンぽい」と思っていた人の概念が覆される興味深い展覧会です。
キュレーターの方々の学問が広がりを感じる事に嬉しさも感じる良質な展覧会でもあります。


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12月6日から8日まで 神宮前の「渋谷のIMA」(神宮前6-17-14六英ビル4階)にて「ちいさく表装・作品展」を開催します。今回は各講座の指導員の表装を展示します。8日14時~15時まで表導会主宰者清水達也先生の掛け軸の取り扱い方を中心にギャラリートークを予定しています。いまようの住まいにも馴染む掛け軸をぜひご覧ください。

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