五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

集いと繋がり

2013年08月19日 | 第2章 五感と体感
江戸表を愛する会が無事終了しました。

灼熱の暑さの中、お出かけくださり心から感謝申し上げます。

今回の展覧会は、世田谷美術館の企画展「榮久庵展」や区民ギャラリーでの規模の大きな美術展、それに加え、世田谷区美術展の公募搬入日が重なり、毎日大勢の方が表具を見てくださいました。

表装文化の暮らしをしているはずなのに、襖や障子でさえ、身近でなくなった昨今、ましてや掛け軸や屏風などは美術館でしか見た事が無い人も多くなってきたように思います。

それでも日本の気候を考えると、水を含んだ空気に相応しい素材と云えば、木と紙であることは時代が変わっても変わらないものであるように思います。

美術館の温度と湿度は一定に管理されており、高温多湿な時期に展覧会が出来たおかげで、壁に掛ける掛け軸が、夏バテにならずに済んだようにも感じています。

「裏打ち」という言葉を、比喩の言葉に使いながらも「ほんとうの裏打ち」がどんなものであるかを知っているのは、表装に携わる人ぐらいかもしれません。

今回の展覧会は、その裏打ちした布を折り紙にし、薔薇の花を作ったり、創作鶴を作ったりするコーナーを設けたことで、素材に直に触れてる機会を得た方も多くいらっしゃいました。

手間暇かかるだけではなく、長年の修練が必要な日本の職人技の入口を覗いていただいただけでも成果は大きかったように思います。

湿度と天候に左右される出来具合は、森羅万象に含まれている人間の営みそのものを象徴しているようにも思います。

まだまだ暑さが続きそうですが、朝日の傾き加減は秋の風情です。

表具師の皆様の技を勉強させていただきながら、情報を仕入れることで、ちょっぴり技術が向上した気分になっています。

どんな集いでも集うと繋がります。
その繋がりは、また更なる繋がりを生んでいきます。

今回の展覧会も、たくさんの宝物を頂きました。

技術だけでなく、表装文化の伝承だけでなく、ギャラリーに足を運んでくださり、集う中から生まれてくる繋がりもとても貴重なものです。

あっという間に夏の季節は過ぎそうですが、精進は続きます。
本来の仕事モードに頭を戻しつつ、次に仕立てる掛け軸の妄想はもう始まっています。

江戸表具を愛する会のメンバーの皆様の絶妙なよき加減に感謝し、ご来場くださった皆様に心から感謝申し上げます。

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