五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

風土を体感する

2011年11月10日 | 第2章 五感と体感
民藝といえば、柳宗悦氏です。

現在、「柳宗悦展」が、横浜そごう美術館で開催中です。

私が民藝という言葉に目覚めたのは、6歳か7歳くらいの頃です。母の実家が高円寺にあり、訪れるたびに北口商店街の「ねじめ」(全国の民芸品を集めた、今の言葉で表現するなら、民芸セレクトショップ)に入るのを楽しみにしていました。
「ねじめ」に一人で入り、店内を眺め、器や小物を手に取ることで、幸福感を味わったりしていました。

つまり、民芸品好きの子供であったわけです。1960年代後半の子供といっても、ちょっと変わった子供だっと…^^;

暮らしの中のあらゆる意匠は、人の感性を育みます。風土から生まれた諸々の物、事、食、祭事は、その土地の個性として、いっそう独特なものとしていきます。

それらは、暮らしに必要なものによって更に育んでいきます。

つまり、「暮らすこと」と「人」を繋げているものは、「物」や「食」や「祈り」で、それらが時代と共に循環しつつ変化していきながらその土地の普遍的な風土を作り上げてゆくのです。

人に会い、その風土を知り、
物を見て、その風土を知り、
食で、その風土を知り、
祈り方、祀り方で、その風土を知ることができます。
言葉も、そうです。
そして、その土地に立ち、空気を吸う事で、風土を感じます。

その場に立ちたい、という情動がいつも強く起こるのは、自分の体感を一番信じているからかもしれません。

美しきものを見定める審美眼は、風土を知ってこそ、鍛えられるもののように思います。

フィールドワークは、身体が動く限りやめられない私の生き甲斐と言えそうです。

観る人がまばらな「柳宗悦展」で、ゆったりとソファーに座り、自分の人生を振り返る時間を持つことができました。

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