五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

蘇る五感

2011年11月08日 | 第2章 五感と体感
住宅地での焚き火が消防法で禁止されて以来、庭で落ち葉の焚き火が出来なくなりました。私の住まいの周辺は我が家を含め、大きな庭を持つ家も少なくなり、焚き火ができる環境ではありません。

それでも、10年くらい前までは、どこかで落ち葉に火が焚かれ、朝に夕に、外に出ると匂う焚き火の匂いは、なんとも嬉しい晩秋の匂いと、私の中に記憶されています。

今日は立冬です。

大震災から八か月です。住まいを失った被災者の方々は、春、夏、秋と季節が巡り、季節毎の今まで当たり前だった五感を感じ得ることが出来ないことで、虚しさを感じていらっしゃる方も多いと思います。

自分が当たり前だと思っていた季節の香り、暮らしの香りが失われてしまうことを想像すると、とても悲しい気持ちになります。

長い歴史と共に育まれた風土の香り、季節の香りの復興は、住まう人々から改めて育まれていくことでしょう。
その土地特有の五感を蘇らせていくことは、住まう人々の暮らしを豊かにしていくはずです。

以前のままの香りを蘇らすことはできないかもしれませんが、ちょっとの違いでも感覚的に敏感に感じる人に記憶されている五感が、その土地の風土を新たにつくり上げていくはずです。

「あ、この香り。。。」

「そうそう、この味よ。。。」などなど…

言葉では表現できませんが、五感の絶対音階的なものは自己の中に必ずあるのです。
これらの感覚は、記憶する人の微細な感覚から発するものです。

目に見える風景が変わってしまっても、人に宿る五感を蘇らせることは、再生された土地に魂を宿らすことと同じことのように思います。



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