Mr.コンティのRising JAPAN

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シンガポールにてアルビレックスシンガポール観戦記

2008-04-26 | Football Asia
4月のシンガポールは他の東南アジア諸国と同じ大変な暑さと湿度だ。
2年に一度シンガポールで開催されるアジア最大級の見本市に出展参加する為にここに滞在して1週間近くになる。香港や台湾に在住されている方でさえ開口一番 “暑いなぁシンガポールは” と発するあたりはその暑さを証明するには充分だろう。

2月下旬にスタートした今シーズンのシンガポールの国内リーグ、Sリーグ。アルビレックス新潟は参戦して今年で6年目だ。先週まで3勝5敗2分けで12チーム中9位の戦績。昨シーズンは8位に終わり、一昨年は11チーム中6位。2005年は10チーム中5位と少しずつ順位を落としている感じがする。
今や日本サッカー、そして選手はアジアではトップクラスと言われている。その若い日本人選手で構成されているチームがFIFAランクではかなり下がるシンガポールの国内リーグに参戦しているのだが相手チームには東南アジアとは言えシンガポールやタイなどの国家を代表する選手や欧州、南米からの助っ人もいる。そうそう簡単には勝たせてくれない。また昨シーズンから参戦の韓国の選手で構成される Super Reds 、今年から参加している中国の大連実徳と強豪もいるの。大連は19歳から20歳の選手で構成されているがReds は21歳の選手から22,23歳の選手が中心だが30歳の“ベテラン選手”もいる。アルビレックスシンガポールの主目的はここで経験を積んで新潟のトップチームに引き上げることでここの選手達も日本でプレーする事を目標としている事だろうが、やはり勝負事には勝ちたいのがスポーツ選手だろう…..

仕事の都合で Jurong East Stadium に到着したのは試合開始15分すこし前だった。 Chinese Garden 駅で日本代表のレプリカを着た子供がいたのでその子に親指を立てて “Japan !! “ と言ったら日本人でお母さんと一緒にこの試合を観戦に来る途中だったらしい。 
”アルビレックスですか?試合始まっていますね。“と母親に言うと
”そうですね。もう始まった頃ですね。“ と言っていた。

思い出すのは私がルーマニアに在住していた時。今から14年も前の話。当時楽しみに少ないルーマニアでは子供達を引率して 2回ほど Steaua Bucuresti のUEFA Champions League 応援ツァーを敢行した。もちろん親御さんも一緒に。今、ここシンガポールでは日本を代表してアルビレックスがいる。在留の子供達の為にもぜひ良い試合を…と期待した。

競技場に着くと真っ先に弁当を求める。まだ残っている。可愛らしい日本人女性が丁寧に献立(といても炒飯かチキンカレーの2種類しか残っていなかったが。)を説明してくれた。結局炒飯とフライドチキンを買ってSG$6.00 を払う。昨日までは競技場の到着がおそかったので弁当にありつけなかったが今日は入手できた。おにぎりもあったぞ…..それにしても彼女は試合を観られるのかナ??? 
そう言えば入場料も SG$6.00。他の競技場は SG$5.00 なのにここだけ違うのは理由があるのかな??? 

私が着席した時、スコアーは 1-1になっていた。前節は大連実徳を2-1 で降し3試合振りの勝利をものにしたアルビレックスのこの日の相手はWoodland Wellington。
アルビレックスは前節大連戦のスタメンからFWの秋吉泰祐が外れ18歳の和田将志が入った。この二人は前節の80分に交替をしておりそおままそれが続いているのか?? Sリーグはリーグ振興の為かほぼ毎日1試合か2試合ずつゲームが開催されている。従って試合間隔がまちまちでこの試合の両者はアルビレックスが中6日なのに Woodland は中3日の強行軍。その Woodland はCBの Jerry Baltholomeusz が累積警告で出場停止。サテライトの若い Fathal Rahman がルーマニア人DFの Lucian Dronca とCBを組み、2列目左の Kamal Nasir Haja がベンチスタートでそこにはGayland 戦では中村彰宏と中盤を組んでいたSazali Salleh がそのポジションに入り、ベテランの Hasrin Jailani がこの日は中村彰宏と中盤を組んだ。中村は4日前の Geylang 戦はロスタイムに決定機を外しチームを敗北から救えなかっただけにかつての古巣相手となるこの試合にかける意気込みは相当なものであっただろう。
私自身シンガポール入りして既に2試合 Woodland の試合を観ているのでこのチームの特徴を結構掴んでしまったか…..

28分Woodland が次の得点を決める。右サイドで得たFKを Hasin Jailani が入れたところを Dronca が身体を折り曲げて低い位置からヘッドで合わせてアルビレックスゴールネットを揺らし、1-2 とされた。 30分には左サイドをIsmadi Mukhtar に破られ入れられたクロスにフリーの朴泰完がヘッドで狙うがこれは外してくれた。
今シーズンのアルビレックスは失点が目立つ気がする。前節まで10試合で24失点。第4節の Home United 戦で5失点、第9節の Tampine Rovers 戦では6失点。先制点を許した試合が4試合。それ以上に連続失点が目につく。特に Rovers 戦では先制しながら連続6失点。この試合はDF陣の奮起を期待した。
その願いが通じたか、30分過ぎからアルビレックスが徐々に主導権を握る。31分には和田将志がドリブルシュートを放つがこれは惜しくもポストの左に外れる。32分にはFW佐藤に替えて190cmの長身FW土井良太を入れそこをターゲットにボールを入れる。そして34分にはゴール正面でFKのチャンスを得ると、ベテランFW岡山哲也がそれを直接蹴り込み、同点!!と喜ぶが掲示板の得点は 1-2 のままだ。隣の人に訊くと “今のスコアー”が正しいかったそうだ。と言う事は先制を喫し、追加点も取られた後のゴールと考えなおさねばならなかった。
それにしてもさすがはJリーグ開幕前からプレーを続けている大ベテラン。元“ミスターグランパス”。しかし今でも彼をこう呼ぶグランパスサポーターもいるらしい。これに触発されたか高瀬証中盤からドリブルで Woodland ゴールに迫る。これを Zaid Ahmed がファールで止めてイエローが出される。にわかに選手に積極性が出て来た様にみられるが43分にはカウンターから朴泰完、モロッコ人FW Abdelhadi Laakakad に渡って撃たれたシュートはGK高橋が何とかセーブ、そのこぼれ球を繋がれ中村が撃ったシュートはゴールポストの右に外れた。守勢にまわるとラインを下げてカウンター狙いに切り替えるしたたかさを見せられた感じがした。

   

ハーフタイムに弁当を食べていると AKIHIRO のレプリカを着た日本人の男の子が。彼の少年チームGFA のメンバーの子か?そういえば4日前の試合でも同じシャツを着た日本人の子を観た。後で知ったがこの試合のWoodland の先制ゴールは Dronca だったがそのゴールは中村彰宏のアシスト。欧州だけではない世界中で日本人選手が頑張っているのだ。
  
    
  
後半に入って最初のチャンスは Woodland。 Dronca が左から上げたところを中村が頭で落とし走り込んだ朴泰完がシュートを放つがこれは僅かにオフサイド。そしてその後はアルビレックスが長身の土井にボールを集め攻勢に出る。52分には右サイドから朴明彦のFKに合わせたヘッドは惜しくも外れ、53分には岡山から送られたロブをGK Yazid Yashin の出鼻をループ気味に浮かして狙うがこれも僅かに外れる。55分には左サイドをあがった朴明彦が入れたクロスに飛び込むがわずかにオフサイド。この時間から左サイドの朴明彦が積極的に上がり前線にボールを送るが Woodland もゴール前に人数を集めてラストパスを通させない。そして時折カウンターでアルビレックスゴールに迫る。63分にはFW Laakkad とのワンツーで抜けた Sazali Salleh がシュートを放つがクロスバーを越える。その直後にもカウンターから今度は右サイドを Laakkad, 朴泰完に崩されそこから逆サイドの Salleh に。フリーの Salleh が走り込んだフリーの Laakkad に送るはずのクロスは大きく外れた。67分にはカウンター攻撃を受け最後はファールで止めてFKを献上。 Doronca のFKはポストを直撃しひやりとする。 70分にはロビングに中村が飛び込むがここはGK高橋がブロック。いずれもカウンターからの速攻だった。
70分に Woodland は 右のMF Hasin Jailin を下げて中村を右に回し、左に Kamal Nasir Haja を投入する。Nasir Haja は前節の Geylang 戦ではスタメンだった。Nasir Haja はアルビレックスの攻撃に糸口を中盤で摘み取っていく。いい上がりを見せていた朴明彦はその前に交替で下がってしまった。彼がいればなぁ…と思った。
そしてそこから攻撃に転じる。74分には Mukhtar のクロスに朴泰完がボレーで狙うがクロスバーの上に、78分には中村を起点に Mukhtarを経て朴泰完がシュート、そのこぼれ球を Mukhtar が撃つがここはCKへ逃れる。
80分にアルビレックスベンチはMF和田将志を下げてDF 石井彰浩を入れ,望月隆司をDFから中盤に上げる。中盤を厚くするのだが試合はアルビレックスゴール前で展開される。82分に朴泰完が須永俊輔を振り切ってドルブルで上がり最後は望月がファールで止めてイエローが出される。そのゴール正面からのFKを Laakkard が直接狙うがGK高橋がファインセーブ。スタンドの在留邦人の方達からは大歓声が起こる。
   
    

次は得点シーンを、まだ時間は残っている…..と思った86分、 Mukhtar を振り切って上がった岡山が入れたクロスに土井が飛び込むがそのヘッドはゴール枠を捉えられない。そして残り時間を Woodland に守り切られタイムアップ。 
レギュラー選手二人を負傷、二人を累積警告で欠き、中三日で疲労が懸念された Woodland の粘り勝ちと言ったところか?FKを与えても小競り合いに“持ち込み”すぐにリスタートさせないしたたかさも。
この日の試合は小雨がふったり湿度が高かったりと選手には厳しいコンディションだっただろう。日本での試合の様な運動量をここで求めるのは酷だ。そう言う中、やはり “地元”の選手は動きどころを抑えている様に思えた。
第1クールを終えてアルビレックスはまだホームゲームでの勝利が無いらしい。
帰りにお弁当を売っていた日本人のお嬢さんが観客達に丁寧に“お疲れ様でした”と声をかけている。いろんな人が支えてこのチームがあるんだなぁと実感する。 

次はこの人たちそして在留邦人、子供達の為に勝ち試合を見せてやってくれぃ……..

   


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