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近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

“下山事件” 追及する側の思惑は?

2008年09月16日 | 下山事件
昨日の続きです。

私・・・では、今日は、“占領軍犯行説”の政治的意味を考えたいと思います。

B氏・・・何かムズカシクなりそう。

私・・・そんな事はありません。いたって単純明快なのです。それでは、え~と。占領軍の情報機関による謀略説は、松本清張が最初に発表しました。

B氏・・・「日本の黒い霧」だよね。むかし、文庫本で読んだ事がある。

私・・・「日本の黒い霧」は単行本として、事件後、13年経った1962年に出版されている。1951年に講和条約が締結され、日本の主権が回復して11年後だった。

B氏・・・日本に主権の無い占領状態では、占領軍の犯行なんて事は、云えない、書けない、聞こえてこない状態だった。

私・・・そうです。兎に角、戦争に負け占領されていたわけだから、占領軍の謀略なんて事は、公にできなかった。

B氏・・・占領中にそんな事を云ったり、書いたりしたらホント“消され”たかもしれないね。

私・・・つい最近まで、それなりに、何かを知っていそうな関係者や、事件取材をする側からも、身の危険を感じる人が居るようです。そんな事が“下山事件本”に書かれているね。

本人は真剣なんだろうけど、第三者からすると、かなり、たわいも無い話だったりして、単なる過剰反応にしか見えないけどね。

B氏・・・キャノン機関の幻に怯えているわけね。

私・・・それは、それで、一つの謀略工作であり、占領軍に不利な発言をした者が、命を狙われた“ような情報”を密かに流したり、実際は単なる事故だったものを、恰も謀略工作のように“見せかける情報”を流したりと、いろいろ工作をしている事実は、つい最近まであったと思う。

B氏・・・それって、暴力団なんかが、実態以上に恐怖感を抱かせる手口に似ているな。

私・・・暴力団よりも、情報機関は国家権力を背景にしている分、幻であったとしても、その恐怖感は相当なものなんだろうけど。

このプログも真実迫りつつあるので・・・・・・、もしかして、何か、危険な事が起きたりして・・・・・・。

B氏・・・ナイ。ナイ! それよりも、前回の「占領軍陰謀説の政治的な意味」の話は?

私・・・そうでした。それで松本清張ですが、彼も、そして、“占領軍犯行説”を主張するのは、進歩的と言われる人達とか、左翼と云われる人達が多い。

事件発生直後から、他殺説イコール「共産党犯行説」だった。当然共産党は“自殺説”を主張していた。

それが、講和条約以降、松本清張による「他説説=占領軍説」となる。事件発生時から、他殺説で取材をしていた、朝日新聞記者「矢田貴美雄」も始めは「共産党説」乃至は、ソ連の情報機関説だったらしい。

B氏・・・矢田貴美雄って、そうだったんだ。まぁ、占領期間中だったからな。それで、陰謀説の政治的な意味の方は?

私・・・そうです。これまでにも下山事件の時代背景を話したけど、この事件の発生前は、共産党などの左翼勢力は、国外の共産主義勢力に呼応して、大変な勢いだった。

日本にも共産主義政権の誕生は近い等と、叫ぶ勢力も現れ、9月革命説も一部には云われたりして、世の中は騒然としいてのです。

そんな中での下山事件、三鷹事件、松川事件でした。この一連の事件の後、左翼勢力は世の中の支持を急速に失っていった。

そこで何です。この時期から、戦後の流れが変わったので、下山、三鷹、松川が戦後の重大事件として語られるわけです。

でも、しかし、何です。この“三大謀略事件”により、歴史の流れが変わったと、声を大にして叫ぶ人達の中に、怪しい“思惑”も隠されているのです。

左翼勢力、特に指導的な立場にあった日本共産党は、49年頃から50年代に入って指導部が分裂して機能しなくなった。

一部は武力闘争を叫んで、山の中でゲリラ戦の真似事を始めたりと、メチャクチャの状況に入ってしまったのです。そんな、こんなで、共産党は現実政治への影響力を失っていったわけです。

そして、あの“間違いは絶対に犯さないと自認する”政党ですから、国鉄の“首切り合理化”に対する、敗北の責任は党の方針の誤りではなく、占領軍の謀略が原因であるとしたいのです。

その為には、キャノン機関の役割、組織、活動実体を、実際以上に“大きく見せたい願望”が働いてしまった。

キャノン機関を実体以上に大きく描けば、それに反比例して、共産党の誤りは、実体以上に小さく見えてくるのです。

B氏・・・何か、はなし難しくない。もう少し軽いノリで進めてくれる。それに、今、“蟹工船ブーム”に沸いている共産党に、水を差すような・・・・・・。

私・・・“過去”の共産党の話です。蟹工船ブームに乗って、時期衆議院議員選挙では、それなりに頑張って、予算処置を伴う法律の提案権を持てるよう期待しています。

B氏・・・旨いこと云って取り繕いましたね。

私・・・いえ。そんな事はありません。共産党が一定の議席を持つ事で、いろいろな“歯止め”になります。

B氏・・・“歯止め政党”ですか?(笑)

私・・・え~と。話が少し逸れ気味の傾向にありますので、本筋に戻したいと思います。と、云ったところで、そろそろお時間となりました。一旦、閉めたいと思います。

と、云う事で本日は、この辺でお終いとします。

それでは、また明日。

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1 コメント

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帝銀事件 国家陰謀説 (化学屋)
2008-12-05 20:43:43
最近出版された 科学捜査論文「帝銀事件」には使われた毒物が青酸カリであることを証明しています。
そして、松本清張の毒物はアセトンシアンヒドリンという説を否定しています。これは、化学の問題です。化学の分かる人は、この本を読めばはっきりと毒物が青酸カリウムだと分かります。そして、犯人はこの青酸カリを分解する消毒薬オキシフルという言葉を発した平沢が犯人だというものです。
2チャンネル 帝銀事件 でもこの本のことが取り上げられています。
松本清張の帝銀事件国家陰謀説は間違いです。
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