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“下山事件” 李中煥の証言は綻びだった?

2008年09月22日 | 下山事件
先週の続きです。

私・・・先週は、“長嶋フクさん”の証言が謀略だとしましたが、今日は、謎の韓国人の登場です。

その名は、“李中煥”日本語の読みでは“リ・チュウカン”と読むのでしょうか。

B氏・・・その「リさん」は、どんな方なんですか?

私・・・これがまた、なんとも謎の多い人物で、韓国と、ソ連のダブルスパイとか米軍の情報機関とも関係していたとか、訳が判らない男です。

B氏・・・それで、李さんは何をしたわけ?

私・・・下山総裁が殺害される“3日前”に下山暗殺計画の情報を、在日韓国代表部に持ち込んできた。以前から、いろいろな情報を持ち込んでは謝礼金をせびっていたようです。

彼の情報では、『殺してから列車に轢かせ自殺に見せかける』との事だった。その事が3日後に現実になったわけ。

この時に、下山暗殺計画の主体を、彼が言及していたのか?、していなかったのか? 

後で触れるけど、それが、米軍情報機関だったのか? ソ連の情報機関だったのか? どうもハッキリしない。

そして、事件が起きて5日後に再び訪れ、『殺害方法は腕の血管から血を抜かれての失血死』と、まで云ってきた。

古畑鑑定で、死因を失血死として発表したのは、事件が起きてから、1ヶ月後だった。

B氏・・・えッ。それって、大変な情報じゃないの、計画段階から知っていたと云う事は、実行犯の相当近い処に彼は居たって事だろ。犯行の主体は別にして、事実はその通りだったわけだから。

私・・・彼は、その5日後の7月15日に、米軍情報機関に、“占領軍作戦命令違反”で逮捕されている。

逮捕容疑は、7月10日、占領軍に「下山事件」に関する“偽情報”の提供となっている。兎に角、彼は事件の真相を知っている筈だ。

B氏・・・そこら辺から、何だかよく分からなくなるね。日本の検察は彼を取り調べているの?

私・・・そこらも変なんだけど、彼が強制送還待ちで小倉刑務所に服役中に、彼の方から、下山事件について話たいとして、検察に連絡してきた。

B氏・・・下山事件の情報を漏らした件で逮捕され、強制送還になったんじゃないの?それをまた日本の検察にしゃべるの? そんな事が可能なの? 何かよく分からないね。

私・・・それで、小倉刑務所で検察が供述調書を取っているんだけど、その内容もいまいちハッキリしないし、その調書も東京駅で何者かに奪い盗られているんだ。その為、再度、供述調書を取りに行っている。

B氏・・・奪い盗られる何て検察官としては、間抜けな話でもあり、謎めいた話でもあるね。

私・・・それで、検察に対して李は、犯行の様子、実行犯の名前、拉致に使用した車のナンバー等について供述したんだけど、その後の裏付け捜査で虚偽である事が判り、李に対する捜査はそれで終了したそうだ。

B氏・・・それは、絶対におかしいよ。事前に下山殺害を予告して、殺害方法まで知っていたし、その事実については虚偽でないわけだし。もっと洗って行けば真実に迫れた筈だよ。

私・・・そこいら辺も、確かに怪しいのです。事前に殺害計画を知っていた事実が一番の重要事項だし、それに、詳しい供述内容については、今も検察は明らかにしていない。

B氏・・・李は真犯人を知っている筈だ。検察も何か隠している。

私・・・ここで、私の推測ですが、李は情報屋として、ソ連にも米国にも情報を流していたわけだから、何かの“偶然”で計画を知り、事の重大さをあまり認識しないで、情報を売って小銭を稼ごうとした。

それを知った米軍情報部が口止めの為に逮捕し、事件後に事後工作として彼を利用したんじゃないかと思う。

B氏・・・確かに、逮捕した事実から、米国にとって不利な情報を流した事は確かだね。

私・・・その供述調書の内容なんだけど、事件から30年後の1979年に米国の国立公文書館で見つかった。

B氏・・・何て書いてあったの? まぁ、未だに犯人探しをやってるわけだから、決定的な事は何も書かれていない気がするけどね。

私・・・段々と、判ってきたみたいですね。その通りです。供述内容として、4項目が書かれていた。

①ソ連大使館で暗号係りをしているうちに下山国鉄総裁の暗殺計画を知った。

②計画実行者は秘密行動隊員で下山総裁に情報を提供するふりをして接近した。

③殺害方法は注射で呼吸を止め、血を抜いた。

④自他殺不明となるように轢断現場の常磐線レールに置いた。


B氏・・・犯行主体については、まったく触れていないの?

私・・・そうです。ソ連大使館で暗号係りをやっていて計画を知った事から、ソ連の犯行を“匂わす”程度だった。

B氏・・・彼の供述が「ソ連犯行説」ならば、米国が逮捕するのは理解し難い。

私・・・李中煥が“下山拉致計画”を事前に知ったのは、何らかの偶然による、情報漏れだと思う。

彼を逮捕し慌てて事後処理の工作を行った事で、結果として事件はより複雑に見えてきた。そんなところです。

B氏・・・そうすると“李中煥”の件は謀略ではないと云う事。

私・・・事後に綻びを取り繕っただけです。

それと、一部訂正があります。9月15日の「キャノン機関はヘボだった」で、松本清張もキャノン機関説であったと書きました。

ところが“日本の黒い霧”を読み返したら、彼は、

『このキャノン機関が下山事件に関係があるように云われているが、私はキャノン機関は関係ないと思う・・・』

『キャノン機関は・・・鹿地事件をやって、たまたま名前を暴露された・・・失敗した機関なのである・・・』

『軍諜報機関と云えば直ちにキャノン機関に結び着く今日のジャーナリズムの安易な常識はもっと改められなければならない』

と、ハッキリ書いていました。

“清張先生と私”は同じ見解でした。ここにお詫びして訂正します。

      ゴメンネェ! m(_ _) m


それでは、また明日。


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1 コメント

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血の道 (石田梅蕾)
2015-10-24 17:35:28
最終章の終わりに、Y機関」、と。
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