歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

映画『幸せのちから』は不幸せのちから?

2013年07月04日 | 映画の話し
前回はテレビドラマでしたが、今日は映画のお話です。

感想を書き留めて置かないと、頭の中の記憶からキレイサッパリ消えてしまうのです。ボケ防止なので御座います。

ここ最近で見た映画は、『幸せのちから』『タウン』『追憶』『青い鳥』『モンタナの風に抱かれて』『うさぎドロップ』・・・だった、と、思います。すべてNHKBSで放送されたものです。

それでは、ボケ防止作業に掛かろうと思います。

それで、『幸せのちから』ですが、物語は始まりから、中ほど、そして終盤に差し掛かるのですが、主人公は、ずっと、ずっと、不幸せの連続で、なかなか幸せにはならないのです。

観ていて、“オィ!早く幸せになって、ヨカッタ!ヨカッタ!で終わらせろ!”何て突っ込みを入れたくなるのでした。

不幸せで、引っ張って、引っ張って、引っ張って、最終コーナーで一気に盛り上げる、まあ、そんな“ベタ”で、とっても判り易い、アメリカンドリームなのです。

と、云う事で、以上終わり。では、感想としては短いので、これでは、ボケ防止対策としては不十分ですから、すこし穿りたいと思います。

主人公なのですが、真面目に、地道に、額に汗して働くタイプではなく、一攫千金タイプなのです。

独立自営のセールスマンで、大金をはたいて仕入れた骨密度測定器を売り歩き失敗し、女房は愛想も尽き、家を出て行ってしまうのです。

そこから、一人息子と二人で、手に手をとって、不幸からの脱出作戦が始まるのです。


そして、このシーンです。真っ赤なフェラーリから降りてきた、高級そうなスーツを着た男に、主人公は聞くのです。

「あなたに二つ質問がある。仕事と、その仕事にどうやって就いたんだ?」


未だ、懲りないのです。未だ、一攫千金狙いなのです。でも、しかし、“映画”ですから、幸せのちからですから、彼は成功し大金持ちになって幸せに暮らしたのです。めでたし、めでたし、チャン、チャン。


“映画ですから”と書いたのですが、調べたら、実在の人物をモデルとした物語なのでした。現在も存命中のようで、大金持ちで、慈善事業もやっているそうです。

ホームレスになり、公衆便所で寝泊まりしながら、“赤いフェラーリの男”に聞いた儲け話を信じて、投資顧問会社の半年間の養成コースに通い、めでたくトップの成績をおさめ正規採用となるのです。

この“投資顧問会社”と云うところが、それなりに、現在のアメリカ経済であり、世相であり、金融工学であり、ハゲタカであり、リーマンショックなのでした。

それにしても、主役は、何処かで、いつか、観たような気がする俳優でした。調べたら『メン・イン・ブラック』シリーズの“ウィル・スミス”で、息子役はホンモノの彼の息子だそうです。そう云われてみれば、確かに似ていまし、親子の演技が自然でした。


こう云う、シリアスな芝居もするのです。

この作品で2006年の第79回アカデミー賞主演男優賞に“ノミネートされた”そうです。まあ、それなりにイイ演技でしたが、作品が、作品ですから、受賞は無理だったのです。

それにしても、不幸せと云うか、経済的困窮と云うか、そんな状況から、子供と共に、抜け出し、這い上がった、“主人公”の原動力は、息子と云う、幸せのちから?

それにしても、高級住宅地の大邸宅に住み、高級なスーツを着て、高級車を乗り回し、高級レストランで美味い物を食べる、それこそが、と、云った、ところは、かなり、かなり・・・・・です。

不幸せが、経済的困窮が、物質的困窮が、幸せになるちから?だと、そんな気がする作品でした。

それでは、また。




コメント
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