歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

映画 『追憶』 は曲のプロモーションビデオ?

2013年07月11日 | 映画の話し
『追憶』のタイトルに惹かれました。

追憶と聞くだけで、その文字を見るだけで、とても、とても、甘く、切なく、悲しく、辛く、でも、しかし、それなりに、充実し、楽しくもあったあの頃に、一人静かに想いを馳せる・・・・・・。

それで、映画『追憶・・・(1973年公開)』ですが、“タイトル”とは、とても、とても、ほど遠いストーリーでした。

1944年、第二次大戦の終結する一年前のニューヨークで二人は再会し、ドラマは始まります。

二人はスペイン内戦(1936年~1939年)当時に、大学で知り合います。

スポーツマンで、金持ちで、ハンサムで、成績も優秀で、政治的には無関心で、キャンパス1のモテモテの男と、

※大学生としては老けてます、無理があります。ロバート・レッドフォードはこの時37歳

政治好きで、議論好きで、まあまあの成績で、アルバイトをする苦学生で、まあまあの容姿の女。

※私は、映画「追憶」について、まったく知りませんでした。「バーブラ・ストライサンド」の名前は知っていましたが、顔は知りませんでした。画面に彼女が現れたとき、何か、ずいぶん、主演女優にしては、???だったのです。米民主党の熱烈な支持者で、政治的な発言も数多いそうで、それなりのキャスティグ?

この二人が卒業(1937年頃?)してから6~7年後の1944年に再会。男は売れっ子の映画脚本家、女はラジオ局のディレクター、二人は結ばれ、子供が生まれ、マッカーシー旋風に巻き込まれ、いろいろあって、そして、離婚。

“マッカーシー旋風”がハリウッドにも及んだのが1947~50年頃ですから、44年に再会し、結婚し、子供が生まれ、離婚したのは50年頃。

やたら年代を記したのは、出会ってから、結ばれ、そして、再会、年月の長さが気になったからです。30年代に出会い、40年代に結ばれ、50年代に別れ、そして、60年代に再会。

二人は別々の人生を歩み、10数年の歳月が流れ、街頭で再会します。還暦を過ぎたおじさんとしては、「追憶」と云うには30年程度の時の流れ短いような気がするのです。それにしても、ロバート・レッドフォードは最初から最後まで同じ顔でした。

女は核兵器反対運動で街頭で活動中、


男は再婚し、妻を連れ立ってホテルから出て来たところ、


男は妻を先に行かせ、


思わせぶりに抱擁し、女も、それなりに、応えるのです。


男の行動がこれまでの経過から、理解できません、不自然です。でも、「追憶」ですから、無理があっても、この展開なのです。

この視線、彼女は、未だ、未だ、未練が残っているのです。もう一度、やり直したい・・・・・・・と。再婚したと云ったのは嘘だと思います。


どうしても、二人が結ばれたことに、そして、再会後に、それとなく関係を復活する気配の演出に、とても違和感があります。

女の方が積極的で、男に夢中になるのですが、男としては、ちょっと、鬱陶しいのです。こんな女に、もう一度は、とても、とても、無理だと思います。

でも、行動的で、どんな時にも主義主張を貫き通し、真剣に、懸命に、ぶれない生き方を理解し、それなりに尊敬することはありえます。

でも、それが、です、男と女で、“愛情関係”に発展する、それも、2度までも、それは、ちょっとだと思います。

兎に角、オープニングとエンディングに流れる主題歌の『追憶』は、曲も、詩も、そして、そして、バーバラの歌声が、とても、とても、素晴らしいです。


追憶 (バーブラ・ストライサンド)

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心の片隅に残る思いで

過ぎし日の思い出は淡い水彩画

散らばった写真に忘れてしまった笑い

互いに交わすほほ笑み

過ぎし日の私たちに あのころはすべてが単純だった
   

それとも時間がお話をかえたのかしら

もう一度やり直せるものなら やってみる?  やれるかしら?

思い出は美しいもの つらい思い出は忘れ去り 楽しい事だけ思い出すから

過ぎし日を思い出すときは 過ぎ日を・・・・・・

※訳は映画の画面より

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この作品は、バーブラの“追憶”という曲のすばらしさに対して、映画的には大した作品ではないと思います。

映画の為に曲が書かれたのではなく、曲の為に映画が作られたような、単なる、曲を引き立てる為の、プロモーションビデオのような作品でした。


と、云うことでした。


コメント
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