静かなる怒りに似たる凪のうへゆふらりほどく女うつくし
月光のつらぬくばかり叫ぶかな傷を明かせる少年の力
昼夜のさかひめに身を遊ばせて狂ほしきこときよらに噛みぬ
あららかに肩を揺さぶる潮のあと汚さるまま純白になる
仮面より時を隔ててあたらしき海は無限の器とならむ
なだらかに海はわたしの膝に寄る砂に伏せなば深いくぼみを
ふたりして西風浴びぬ水平のいつはらぬ果てぞ未来と思ひし日
汝(な)の眸(まみ)のいくらか昏く陽を溜めて我が喉締めぬされどきよかり
くちびるに血の味探す満潮のあらぶるままに夏至味わひぬ
海の涯に少年消ゆるを恋ひわたるなげきに満ちて女と思ふ
あざやかに今を想へりつばさありて唇忘れずまた海へ赴(ゆ)く
冬ごもり凩向かふ肩を抱へ何も語らず歩み合はせし
未発表のさいきんのつぶやきをランダムに並べた。
良い日だった。
神に感謝。