雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

西風の見たもの

2017-12-09 20:27:39 | Weblog

静かなる怒りに似たる凪のうへゆふらりほどく女うつくし


月光のつらぬくばかり叫ぶかな傷を明かせる少年の力


昼夜のさかひめに身を遊ばせて狂ほしきこときよらに噛みぬ


あららかに肩を揺さぶる潮のあと汚さるまま純白になる

仮面より時を隔ててあたらしき海は無限の器とならむ


なだらかに海はわたしの膝に寄る砂に伏せなば深いくぼみを


ふたりして西風浴びぬ水平のいつはらぬ果てぞ未来と思ひし日


汝(な)の眸(まみ)のいくらか昏く陽を溜めて我が喉締めぬされどきよかり

くちびるに血の味探す満潮のあらぶるままに夏至味わひぬ


海の涯に少年消ゆるを恋ひわたるなげきに満ちて女と思ふ

あざやかに今を想へりつばさありて唇忘れずまた海へ赴(ゆ)く

冬ごもり凩向かふ肩を抱へ何も語らず歩み合はせし





未発表のさいきんのつぶやきをランダムに並べた。


良い日だった。


神に感謝。


コメント
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