鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその979~竹鶴政孝パート267

2014-11-19 12:32:53 | 竹鶴
今回のお気に入りは竹鶴政孝パート267、「ウイスキーとダンディズム」です。

竹鶴孝太郎著「ウイスキーとダンディズム~祖父・竹鶴政孝の美意識と暮らし方」を読みました。
朝ドラ「マッサン」にあやかり続々と発行されるマッサンとリタの伝記モノ。
新旧取り混ぜていろいろ読みましたが、本書はそれらとは若干異なる内容でした。
それはマッサンの孫である著者が、家族しか知らないマッサンとリタを描き出している点です。

著者は次のように書いています。

リタはよく美談として書かれるように日本人になりきろうとしたのではない。
彼女はスコットランド人としてのアイデンティティを生涯大切にし続けた。
それでいて日本人・マッサンとの生活をバランスよく成り立たせた。

これは国際結婚の理想でしょう。
いえ、結婚そのものの理想でしょう。
日本人同士でさえ人格は互いに異なり、それをバランスよく成り立たせることは困難なのですから。
互いの異なる部分を是として受け入れる度量が強く求められたことでしょう。

マッサンとリタが取り仕切る和洋のバランスがとれた家庭に生まれ育った孝太郎。
彼は成長する過程で他の家庭との違いに大いに驚きます。

・すべての部屋には鍵がついていてプライベートが守られており、部屋を出るときにはきちんとした服装をしていなくてはならない。
・荷物を持つときはどんなに辛くても別の手に持ち替えるのははしたない。
・ジェントルマンという言葉の元になったイギリスの支配階級の道徳観がリタの振る舞いの各所にみられた。

など、彼が余市を出る15歳までに経験したことを中心に書かれており、新しいリタ像を知ることができました。
また政孝に関する記述も豊富でした。
著者はソフトバンクの孫社長をはじめとして、これまで世界中の数多くのトップと交流する機会があったが、政孝の存在感(オーラ)を超える人物はほとんどいなかったそうです。
唯一政孝を超える存在感を感じたのはイギリスで後に首相になったマーガレット・サッチャーだったそうです。
なるほど「鉄の女」だけですか!
この見解は身内の言葉ということで話半分としても実に面白いと思いました。

本書には、これまで伝えられてきた「政孝とリタ」よりもドラマの「マッサンとエリー」に若干近い姿を感じるエピソードがありました。
一般的な伝記モノに飽きた方が読むと面白いかな?というくらいの軽い読み物です。

なお後半部の政孝とリタの伝記にあたる部分は目新しい記述が少なく不要です。

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