今回のお気に入りは、森本草介です。
森本草介の画集「光の方へ」を買っちゃいました。
先日、別冊太陽の「写実絵画の新世紀:ホキ美術館コレクション」で素晴らしい写実絵画をたっぷり鑑賞し、その中で一番気に入った作家が森本草介であり、一番気に入った作品が「光の方へ」でした。
今度は彼の作品だけを鑑賞したくて、たくさんあるであろう画集の中から選ぼうと思って調べたら、意外や意外、何種類もないことに驚きました。
その中に「光の方へ」という題名の画集がありました。
これなら当然「光の方へ」に前後する作品が採録されているはずと思い、迷わずそれに決めました。
AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
17年ぶり、待望の森本草介最新画集。
敬虔なる写実--自選作による決定版。
現代日本の写実絵画界を牽引してきた油彩画家・森本草介。
モチーフを細密に描写する確かな技術、また人物像、静物、風景に通底する独自の穏やかで優しい作風は、多くの芸術愛好者を魅了してきた。
特に、女性美の一瞬の輝きを写しとったかのような裸婦の作品郡は高い評価を得ている。
本書の掲載作品は作家自身により選ばれ、モチーフを独自の写実技法により極限まで「美」に昇華し、「生きる喜び」を描いてきた作品群には、生への謳歌、未来への讃歌がある。
=====
たくさんの美しい作品を鑑賞することができました。
画家が、女性の背中の美しさやヨーロッパの田舎町の風景の美しさをどれだけ愛しているかが胸に伝わり、ページをめくる手がなかなか進まず、数日をかけたゆったりとした鑑賞となりました。
セピア色がかった独特の色彩からくる温かい静謐に浸りながらの作品鑑賞はまさに至福のひと時でした。
ヨーロッパの田舎町の風景画はかなりの作品数が採録されていますが、川を描いたものすべてがお気に入り。
静かに揺らめく水面の表情が何とも魅力的で、心を和ませてくれます。
部屋に飾りたいと思い、ヤフオクで調べると、図録から切り抜いた13cm×9cmほどの作品を額装して2万円近くで売っていました。
いくら狭い部屋とはいえポストカードサイズでは小さすぎ。
一番大きなサイズのものでもその2倍ほどしかなく、壁に飾るにはやはり小さすぎ。
当然本物には手が出ません。
時々画集を開いて鑑賞することにしたいと思います。
人物画は何とも魅力的。
若い女性の落ち着いた表情と無理のないポーズで表現する柔らかな曲線。
ヘアスタイルは髪留めでまとめたものの方がいいですね。
先日鑑賞した「ホキ美術館コレクション」には、たくさんの画家が描いた女性像が採録されていましたが、女性のマスクだけでいえば、森本の女性像が一番気に入りました。
現実感がありそうななさそうな、いつか韓流ドラマで見かけたような、そんな女性像に惹かれました。
ひとつ疑問に思ったのはモデルのこと。
長年に渡り描いてきた女性像は表情がどれも似ていますが、作品の発表年数からみてモデルは複数いるでしょう。
画家の好みに合う、よく似たモデルを選び続けたということでしょうか?
ネットの記事をあちこち拾い読みして調べてみました。
気になったのは次のエピソード。
・画家はこれだという女性を見かけても恥ずかしくて自分で声をかけられず、妻にモデル交渉をさせていた。
・モデルの衣装も妻と一緒に買いに行き、時には妻が縫い上げた。
・モデルの容姿は実物とは異なる。絵はイメージの世界だから、描いている内に自らの好みに近づいていくもの。(画家のコメント)
日本の写実絵画を代表する森本が、奥様の絶大なるサポート無しに作品制作もままならなかった、というエピソードは何だかとても微笑ましいです。
大物なのに大物感のないシャイな芸術家というイメージで、モデルからも好意的にみられ、信頼・尊敬されていただろうことが想像されます。
写真みたいにただそっくりに描くのではなく、イメージを写実的に描いて表現していること、特に自らの好みに近づけて描いているとはっきり言いきっている点に好感が持てました。
つまりモデル選びの段階で、画家と奥様のメガネにかなった、雰囲気のよく似た女性が選ばれ、さらに画家の好みに近づけるように描かれているため、作品中の女性の容姿が似ているということ。
ある意味、作品中の女性は画家が創り上げた架空の人物というのが答えなのかもしれません。
そういえば小磯良平が描いた女性たちも、目鼻立ちがクッキリした西洋風の美人という共通点があるように見えることが、以前から気になっていました。
こちらもきっと森本と同じ理由なのでしょうね。
自分の中で最も好ましく思う女性のイメージを作品に描きたい、という画家の熱意はとても当然だと思います。
なおこの画集には多くの静物画も掲載されていました。
ホキ美術館の保木さんのリクエストで描いたと書かれていますが、静物画にはほとんど興味がないため今回は全く触れませんでした。
そういえばニトリ美術館でも岸田劉生の静物画を目立つところに展示していましたが、私はその前を素通りしました。
人により好みが違うのは仕方ないことです。
今回画集を鑑賞して、ますますホキ美術館に行きたくなりました。
画集に記載された実物寸法から想像するに、迫力・オーラ・生命力というものをたっぷり体感できることでしょう。
森本草介の画集「光の方へ」を買っちゃいました。
先日、別冊太陽の「写実絵画の新世紀:ホキ美術館コレクション」で素晴らしい写実絵画をたっぷり鑑賞し、その中で一番気に入った作家が森本草介であり、一番気に入った作品が「光の方へ」でした。
今度は彼の作品だけを鑑賞したくて、たくさんあるであろう画集の中から選ぼうと思って調べたら、意外や意外、何種類もないことに驚きました。
その中に「光の方へ」という題名の画集がありました。
これなら当然「光の方へ」に前後する作品が採録されているはずと思い、迷わずそれに決めました。
AMAZONの内容紹介を引用します。
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17年ぶり、待望の森本草介最新画集。
敬虔なる写実--自選作による決定版。
現代日本の写実絵画界を牽引してきた油彩画家・森本草介。
モチーフを細密に描写する確かな技術、また人物像、静物、風景に通底する独自の穏やかで優しい作風は、多くの芸術愛好者を魅了してきた。
特に、女性美の一瞬の輝きを写しとったかのような裸婦の作品郡は高い評価を得ている。
本書の掲載作品は作家自身により選ばれ、モチーフを独自の写実技法により極限まで「美」に昇華し、「生きる喜び」を描いてきた作品群には、生への謳歌、未来への讃歌がある。
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たくさんの美しい作品を鑑賞することができました。
画家が、女性の背中の美しさやヨーロッパの田舎町の風景の美しさをどれだけ愛しているかが胸に伝わり、ページをめくる手がなかなか進まず、数日をかけたゆったりとした鑑賞となりました。
セピア色がかった独特の色彩からくる温かい静謐に浸りながらの作品鑑賞はまさに至福のひと時でした。
ヨーロッパの田舎町の風景画はかなりの作品数が採録されていますが、川を描いたものすべてがお気に入り。
静かに揺らめく水面の表情が何とも魅力的で、心を和ませてくれます。
部屋に飾りたいと思い、ヤフオクで調べると、図録から切り抜いた13cm×9cmほどの作品を額装して2万円近くで売っていました。
いくら狭い部屋とはいえポストカードサイズでは小さすぎ。
一番大きなサイズのものでもその2倍ほどしかなく、壁に飾るにはやはり小さすぎ。
当然本物には手が出ません。
時々画集を開いて鑑賞することにしたいと思います。
人物画は何とも魅力的。
若い女性の落ち着いた表情と無理のないポーズで表現する柔らかな曲線。
ヘアスタイルは髪留めでまとめたものの方がいいですね。
先日鑑賞した「ホキ美術館コレクション」には、たくさんの画家が描いた女性像が採録されていましたが、女性のマスクだけでいえば、森本の女性像が一番気に入りました。
現実感がありそうななさそうな、いつか韓流ドラマで見かけたような、そんな女性像に惹かれました。
ひとつ疑問に思ったのはモデルのこと。
長年に渡り描いてきた女性像は表情がどれも似ていますが、作品の発表年数からみてモデルは複数いるでしょう。
画家の好みに合う、よく似たモデルを選び続けたということでしょうか?
ネットの記事をあちこち拾い読みして調べてみました。
気になったのは次のエピソード。
・画家はこれだという女性を見かけても恥ずかしくて自分で声をかけられず、妻にモデル交渉をさせていた。
・モデルの衣装も妻と一緒に買いに行き、時には妻が縫い上げた。
・モデルの容姿は実物とは異なる。絵はイメージの世界だから、描いている内に自らの好みに近づいていくもの。(画家のコメント)
日本の写実絵画を代表する森本が、奥様の絶大なるサポート無しに作品制作もままならなかった、というエピソードは何だかとても微笑ましいです。
大物なのに大物感のないシャイな芸術家というイメージで、モデルからも好意的にみられ、信頼・尊敬されていただろうことが想像されます。
写真みたいにただそっくりに描くのではなく、イメージを写実的に描いて表現していること、特に自らの好みに近づけて描いているとはっきり言いきっている点に好感が持てました。
つまりモデル選びの段階で、画家と奥様のメガネにかなった、雰囲気のよく似た女性が選ばれ、さらに画家の好みに近づけるように描かれているため、作品中の女性の容姿が似ているということ。
ある意味、作品中の女性は画家が創り上げた架空の人物というのが答えなのかもしれません。
そういえば小磯良平が描いた女性たちも、目鼻立ちがクッキリした西洋風の美人という共通点があるように見えることが、以前から気になっていました。
こちらもきっと森本と同じ理由なのでしょうね。
自分の中で最も好ましく思う女性のイメージを作品に描きたい、という画家の熱意はとても当然だと思います。
なおこの画集には多くの静物画も掲載されていました。
ホキ美術館の保木さんのリクエストで描いたと書かれていますが、静物画にはほとんど興味がないため今回は全く触れませんでした。
そういえばニトリ美術館でも岸田劉生の静物画を目立つところに展示していましたが、私はその前を素通りしました。
人により好みが違うのは仕方ないことです。
今回画集を鑑賞して、ますますホキ美術館に行きたくなりました。
画集に記載された実物寸法から想像するに、迫力・オーラ・生命力というものをたっぷり体感できることでしょう。
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