「毒婦。」なる奇妙な記録ひもとけば 紙一重なり売春と妻
「毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記」 北原みのり 朝日新聞出版
夢中で読んだ、北原みのり渾身のルポルタージュ。以下、備忘メモ。
100円ノック式ボールペンを、優雅に押す。一つひとつの所作が、きれい。そんなの、あるのか。18頁
「中出しは言われたままするのに、結婚は親に反対されたからダメだなんておかしいよ!」 傍聴の若い女の会話 54頁
女男が逆だったら? 男の”純情” ”ピュア” 74頁
5センチヒールのサンダル 75頁
佳苗ガールズ 登場 86頁
佳苗のドライさと合理性 114頁
「男性が喜びそうな女像」を徹底して演じながらも、「他人にどう思われるか」に、驚くほど無頓着で恐れを持たず、それより「どう見せたいか」にこだわり、相手に畏怖と敬意を求める。それが佳苗だ。 146頁
インターネットオークション詐欺 こんな間抜けやるんだ 執行猶予付き有罪判決 174頁
「独自の価値観」 裁判官に言われたくないよな 188頁
裁判員 27歳の男「達成感があった」「自分の持つ以上の力を出し切れた」「裁判官と裁判員の結束力が強まった」とにこやかに答える...ああ、おぞましい 190頁
手記の公表 みのりの衝撃 191頁
「援交世代から思想が生まれると思っていた。生んだのは木嶋佳苗だったのね」上野千鶴子 204頁
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木嶋佳苗被告の手記 朝日新聞デジタル版
おそらくこれが、佳苗の文章。これほど不快感の高まる表現は、初めて。呆れた。まさに怪物。