チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第70話 百円札

2007年05月17日 | チエちゃん
 チエちゃんが通う小学校には子ども貯金制度がありました。
入学した時に、郵便局からお祝い金30円が入金された貯金通帳をもらいます。
それに毎月積み立てていくのです。

 三つ折りの貯金通帳を開くと、毎月100、100、100・・・・の数字が並んでいます。
チエちゃんは、毎月15日の貯金の日に貯金通帳とお母さんからもらった百円札を持っていったのです。
担任の先生に預けると、翌日か翌々日には、新しい100の数字が印字された通帳が戻ってくるのでした。

 「このままずーっと、貯金していけばすごいお金持ちだあ」チエちゃんはそう考えたものでした。小学校低学年のチエちゃんにとって、あの頃の百円札はとても大金に思えたものです。なんたって、お札なんですから。
あの頃の百円札は、現在の千円札ぐらいの価値があったのではないでしょうか。

 ここで、当時の100円の価値について考えてみましょう。
牛乳1本20円、もりそば1人前50円、ラーメン1杯63円、ビール1本120円、封書15円、はがき7円 ちょっと例が少ないですね。
 大卒者の初任給が15,000円~20,000円であったので、現在は約10倍。確かに百円は、現在の千円ぐらいの価値があったのです。

 ところで、にしゃばあちゃんは、チエちゃんにこんないたずらをしました。
百円札1枚と10円玉10枚を並べて、「おこづかいをあげるから、どっちがいい?」と聞きました。
高学年になっていたのなら、チエちゃんは迷わず百円札を選んだことでしょう。
でも、チエちゃんは使い慣れない百円札よりも、駄菓子がたくさん買える10円玉10枚を選んだのでした。それを持って、遠藤商店に走ったことは言うまでもありません。

 そういえば、あの子ども貯金のお金はどうなったんだろう?