86年松竹映像作品。けっこう面白い映画である。つくづく思うのだが、本作の公開当時も今も日本映画における喜劇は存在感が薄い。そもそも観客の側がスクリーン上での“お笑い”を期待していないフシがある。映画関係のネットの書き込みで目立つのが“泣ける映画を教えてください”という質問だ。
対して“思い切り笑える映画を教えてください”という設問は思いの外少ない。だいたいテレビのスイッチを入れるとお笑いタレントの跳梁跋扈であり、明らかに“笑いのデフレ化”が進行している。カネを取って映画館で喜劇を見せるということ自体がリスクが大きい。
さて、この映画は才人・久世光彦監督によるコメディだ。主演は松坂慶子と桃井かおりで、これが初共演作である。場末のキャバレーで歌う徳子(松坂)は場違いなほどの美人だが、実は整形だ。整形前の徳子を演じるのが片桐はいりというのがキツいけど(爆)、そんな彼女に手紙を寄越したのがかつての親友の咲江(桃井)である。
いい男をつかまえて今では草津で悠々自適・・・・という咲江の境遇に興味を覚えた徳子は彼女を訪ねてみるが、咲江は結構披露宴の直前に相手に逃げられ、そのときの借金で首が回らない。
ボケの徳子とツッコミの咲江との珍道中、それに胡散臭い整形医師(平田満)も交えて、てんやわんやの騒動が巻き起こる。主演二人のコンビネーションは絶妙で、取っ組み合いのシーンもあってまさに“体当たり”の熱演。いつもの無手勝流で役に挑む桃井も良いが、表情豊かに“お笑い”の地平を切り開く松坂は敢闘賞ものだ。
金子成人による脚本はネガティヴな面を微塵も感じさせず、登場人物全てを肯定的に捉えているのが心地良い。主演二人のキュートなファッションも要チェックだ。
対して“思い切り笑える映画を教えてください”という設問は思いの外少ない。だいたいテレビのスイッチを入れるとお笑いタレントの跳梁跋扈であり、明らかに“笑いのデフレ化”が進行している。カネを取って映画館で喜劇を見せるということ自体がリスクが大きい。
さて、この映画は才人・久世光彦監督によるコメディだ。主演は松坂慶子と桃井かおりで、これが初共演作である。場末のキャバレーで歌う徳子(松坂)は場違いなほどの美人だが、実は整形だ。整形前の徳子を演じるのが片桐はいりというのがキツいけど(爆)、そんな彼女に手紙を寄越したのがかつての親友の咲江(桃井)である。
いい男をつかまえて今では草津で悠々自適・・・・という咲江の境遇に興味を覚えた徳子は彼女を訪ねてみるが、咲江は結構披露宴の直前に相手に逃げられ、そのときの借金で首が回らない。
ボケの徳子とツッコミの咲江との珍道中、それに胡散臭い整形医師(平田満)も交えて、てんやわんやの騒動が巻き起こる。主演二人のコンビネーションは絶妙で、取っ組み合いのシーンもあってまさに“体当たり”の熱演。いつもの無手勝流で役に挑む桃井も良いが、表情豊かに“お笑い”の地平を切り開く松坂は敢闘賞ものだ。
金子成人による脚本はネガティヴな面を微塵も感じさせず、登場人物全てを肯定的に捉えているのが心地良い。主演二人のキュートなファッションも要チェックだ。