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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

映画とクラシック音楽の甘い関係

2025-06-19 19:49:47 | 映画周辺のネタ
 既成曲、特にクラシック音楽をうまく使った映画について述べてみたい。まず「アマデウス」(84年)。モーツァルトを題材にした映画だから音楽が溢れているのは当たり前。しかし音楽監督のネヴィル・マリナーは演奏場面以外にも全編音楽を埋め尽くすことにより、モーツァルトの音楽の天才性を観客にイヤというほど納得させている。いい意味での中庸を貫くマリナーの音楽性(異論もあるけど)は聴き手を圧迫させない。芸術性も高いが娯楽映画としても絶品のこの映画の作風によくマッチしていた。



 これが古楽器派のグスタフ・レオンハルトとなるとそうはいかない。「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」(68年)はバッハの妻アンナを通じてバッハの人物像に迫った映画だが、徹底してオリジナル楽器演奏を追求するレオンハルトのアプローチは、バッハの音楽が持つ前衛性と過激さを強調する。不自然な位置の固定カメラでとらえる当時の演奏場面。しかもモノクロ。アヴァンギャルドとも言える映像がなんとバッハの音楽の真髄を見せてくれたことか。

 作曲家を扱った映画ではほかに「マーラー」(74年)「ベニスに死す」(71年)「めぐり逢う朝」(91年)などが興味深い。演奏家を描いたものでは「愛を弾く女」(92年)「コンペティション」(80年)が面白い。いずれも選曲には細心の注意が払われている。

 音楽を題材にしていない映画でもクラシック音楽は有効だ。「恋人たち」(58年)のブラームス、「地獄の黙示録」(79年)のワーグナー、「木靴の樹」(78年)のバッハ、「プラトーン」(86年)のサミュエル・バーバー、「恋のためらい」(91年)のドビュッシー、「眺めのいい部屋」(85年)のプッチーニ、「美しき諍い女」(91年)のストラヴィンスキー、「ダイ・ハード2」(90年)のシベリウス、「フィアレス」(93年)のグレツキなど、枚挙にいとまがない。



 でもやはりクラシック音楽を使った映画で最も衝撃的だったのは「2001年宇宙の旅」(68年)だろう。冒頭の地球と太陽の壮大なカットにかぶさるR・シュトラウスの「ツゥラトゥストラはかく語りき」。J・シュトラウスの「美しき青きドナウ」に合わせてワルツを踊るスペースシャトルと宇宙ステーション。主人公が時空のはざまに吸い込まれていく有名なシーンでのリゲッティの現代音楽。もうこれ以上にはないと思われる映像と音楽のマッチングで(特に「ツゥラ」はこの映画によって一躍スタンタードナンバーになった)、監督スタンリー・キューブリックの異才ぶりが輝いていた。

 ほとんどのクラシック音楽は著作権がないため、映像のバックにはよく使われているが、演出家の力量によって圧倒的な効果の差が出るのは当然だ。これからも、クラシック音楽をうまくモノにした映画に数多く接してみたいものである。
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思い出の映画

2025-06-15 06:47:03 | 映画周辺のネタ
 映画鑑賞を趣味にしている者にとって・・・・というか、映画に全く興味が無いという人間はあまりいないと思うので、誰にでも“思い出の映画”というものはあるだろう。それはたとえば、初めて彼氏or彼女と2人きりで映画館に行ったときに上映されていた作品や、気分が落ち込んでいたとき偶然目にして元気をもらえた映画、それまで考えもしなかった映画の見方を教えてくれた作品など、いろいろと考えられる。

 かくいう私はどうかというと、やっぱり親などの保護者が同伴せずに、自分たちだけで初めて劇場に入った際に観た映画が最も印象深い“思い出の映画”なのかもしれない。それは中学一年生の頃の話で、鑑賞したのはイギリス映画「小さな恋のメロディ」(71年)だ。しかし、封切り時にリアルタイムで観たわけではない。公開からかなり年月が経過した、名画座でのリバイバル上映であった。



 この映画の中身については、今回私があえて説明する必要は無いだろう。有名な作品なので、検索すればいくらでも詳しい情報が得られる。私個人が本作で感銘を受けたのは、使われていた楽曲だ。この映画でビージーズやクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング(CSNY)といったミュージシャンを初めて知った。私が洋楽に興味を持った切っ掛けがこれだったのだ。

 特にラストで主人公たちがトロッコに乗って草原の彼方に去って行くラストシーンで流れる、CSNYの「ティーチ・ユア・チルドレン」は絶品だった。あと、ビージーズのそれからの活躍は言うまでもない。

 この映画の監督であるワリス・フセインは、本作以降は映画を撮っていないようだが、脚本担当のアラン・パーカーはそれから多彩な仕事をこなすようになる。プロデューサーのデイヴィッド・パットナムも、数々の有名作に関わった。彼らの出世作としても存在価値のある映画だ。

 ともあれ、本作と出会ったおかげで、それから私は映画および音楽鑑賞にのめり込む人生を送ってきたわけだが、果たしてそれが正解だったのか、オッサンになった今では判断が付かない。もっと別の趣味を持った方が良かったのかもしれない。もちろんそんなことを考えても詮無いことなのだが、人生というのはふとした切っ掛けであらゆる方向に舵が切られるものだと、改めて思ったりもする。
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漫然と選んだ2024年映画ベストテン。

2024-12-30 06:16:38 | 映画周辺のネタ
 2024年も終盤になり、まことに勝手ながらここで個人的な年間映画ベストテンを発表したいと思う(^^;)。ただし、すでに封切られてはいるが現時点でまだ観ていない作品もいくつかあるので、年が明ければいくらか変動する可能性はある。そのあたりは御了承願いたい。

日本映画の部

第一位 夜明けのすべて
第二位 PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて
第三位 侍タイムスリッパー
第四位 違国日記
第五位 カラオケ行こ!
第六位 戦雲(いくさふむ)
第七位 青春ジャック 止められるか、俺たちを2
第八位 愛に乱暴
第九位 ぼくが生きてる、ふたつの世界
第十位 HAPPYEND



外国映画の部

第一位 シビル・ウォー アメリカ最後の日
第二位 ランサム 非公式作戦
第三位 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
第四位 美と殺戮のすべて
第五位 マリウポリの20日間
第六位 ぼくの家族と祖国の戦争
第七位 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
第八位 12日の殺人
第九位 2度目のはなればなれ
第十位 密輸1970



 ベストテンを選んでいて改めて思ったのが、日本映画の低調さである。客は集めてはいるのだが、ヒット作の大半がアニメーションあるいはテレビドラマのスピンアウト版だ。もちろん、その中には悪くない出来のシャシンもあるのだろう。しかしながら、私のようなヒネた映画ファン・・・・という言い方に語弊があるのならば(苦笑)、大人の映画好きの食指が動くような建て付けではない。

 つまりは、ほとんどの観客は“邦画なんて、こんなものだろう”という認識しか持っていないのだ。斯様な状況でマトモな映画が多く作られるわけがない。そして残念ながら、そんな図式が改善される兆しも無い。今後ますますジリ貧の様相を呈していくのだろう。

 対して外国映画に関しては、一位の「シビル・ウォー アメリカ最後の日」をはじめとして(製作国は様々ながら)現実をシッカリと捉えた作品が目立った。要するに、日本映画だけが置いて行かれているのだ。

 なお、以下の通り各賞も選んでみた。まずは邦画の部。

監督:三宅唱(夜明けのすべて)
脚本:安田淳一(侍タイムスリッパー)
主演男優:吉沢亮(ぼくが生きてる、ふたつの世界)
主演女優:杉咲花(朽ちないサクラ)
助演男優:高橋文哉(映画 からかい上手の高木さん)
助演女優:芋生悠(青春ジャック 止められるか、俺たちを2)
音楽:岩代太郎(愛に乱暴)
撮影:福本淳(碁盤斬り)
新人:齋藤潤(カラオケ行こ!)、早瀬憩(違国日記)、空音央監督(HAPPYEND)、齊藤勇起監督(罪と悪)

 次は洋画の部。

監督:キム・ソンフン(ランサム 非公式作戦)
脚本:アレックス・ガーランド(シビル・ウォー アメリカ最後の日)
主演男優:マイケル・ケイン(2度目のはなればなれ)
主演女優:アニャ・テイラー=ジョイ(マッドマックス:フュリオサ)
助演男優:ウィレム・デフォー(哀れなるものたち)
助演女優:サンドラ・ヒュラー(関心領域)
音楽:クリス・ベンステッド(コヴェナント 約束の救出)
撮影:ケイト・マッカラ(コット、はじまりの夏)
新人:ミスティスラフ・チェルノフ監督(マリウポリの20日間)

 ついでに、ワーストテンも選んでみる(笑)。

邦画ワースト

1.本心
2.きみの色
3.Cloud クラウド
4.ルート29
5.あんのこと
6.ぼくのお日さま
7.若き見知らぬ者たち
8.悪は存在しない
9.あまろっく
10.みなに幸あれ

洋画ワースト

1.オッペンハイマー
2.プリシラ
3.ボーはおそれている
4.西湖畔に生きる
5.ARGYLLE アーガイル
6.ゴーストバスターズ フローズン・サマー
7.山逢いのホテルで
8.ゴッドランド GODLAND
9.ヒットマン
10.ボブ・マーリー:ONE LOVE

 邦画のワースト群は、とにかく映画をマジメに撮っていないことに尽きる。だいたい、製作意図そのものが判然としない始末。洋画のワースト群は(前回も触れたけど)有名アワードを獲得したり、あるいは候補になった作品が必ずしも上質とは言えないということだ。

 ローカルな話題としては、2024年3月31日をもって、福岡市博多区中洲にある映画館、大洋映画劇場が閉館したことが挙げられる。まあ、建てられたから相当の年月が経過していたので仕方がないと言えよう。なお、取り壊し後の再開は未定らしい。もちろん私もいずれは復活して欲しいと思うが、すでに中洲地区は映画を観る場所ではなくなっている。別の場所での開館が望ましいのではないだろうか。
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中洲大洋映画劇場が閉館。

2024-04-01 06:08:31 | 映画周辺のネタ
 去る2024年3月31日をもって、福岡市博多区中洲にある映画館、大洋映画劇場が閉館した。当劇場は1946年4月にオープン。300人以上のキャパを持つ規模の劇場として長らく営業を続けていたが、建物の老朽化のため取り壊しが決まったものだ。

 最盛期には21館もあったらしい中洲地区の映画館も大半が姿を消し、唯一残っていた大洋劇場も今回終焉を迎えたということで、映画ファンとして感慨深いものがある。とはいえ、私は出身こそ福岡市だが幼少期から青年期までは福岡県以外に住んでいたため、リアルタイムで中洲の映画街の雰囲気を味わった時期はそれほど長くはない。特に2000年代以降はシネマコンプレックスの隆盛により、従来型の映画館は存在感が小さくなっていた。だから今回の大洋劇場の閉館も仕方がないとも言える。



 昔は映画館というものは歓楽街とセットになっていたようだ。中洲地区に映画館が多かったのも当然だろう。しかし、現在は映画館は主に繁華街やショッピングモールの中に存在する。映画という娯楽の在り方に関しては、今の方が的確だと思う。最近でも大洋劇場に足を運ぶことはあったのだが、朝一番の回を観る際に、徹夜で遊んだと思しきホスト連中や客たちが劇場の周囲で嬌声をあげている状況は、どう見ても映画鑑賞に相応しい環境ではない。

 確かに、大洋劇場は従来型の映画館ともシネコンとも、はたまたミニシアターとも違うエクステリアとインテリアを備えていた。バラエティに富んだスクリーンを4つも抱えていたのも異彩を放っていた。ただ、やっぱりあの場所ではこれ以上の映画館の営業は難しい。中洲は、あくまでも飲み屋街なのだ。



 取り壊し後の再開は未定だという。もちろん私もいずれは復活して欲しいと思う。しかし、同じ場所での開館は望んではいない。規模は小さくなってもいいから、映画館の立地に相応しいロケーションに移ってもらいたい。具体的に挙げるとすれば、中央区天神地区だろう。あのエリアも今では一館(TOHOシネマズ 天神・ソラリア館)しか営業していないが、人通りは途切れることは無い。番組編成を工夫すれば、ビジネス的に成功すると予想する。
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穏やかな気分で(?)選んでしまった2023年映画ベストテン。

2023-12-31 06:03:38 | 映画周辺のネタ
 性懲りも無く、2023年の個人的な映画ベストテンを勝手に発表したいと思う(^^;)。

日本映画の部

第一位 世界の終わりから
第二位 生きててごめんなさい
第三位 PERFECT DAYS
第四位 逃げきれた夢
第五位 アンダーカレント
第六位 ゴジラ-1.0
第七位 BLUE GIANT
第八位 愛にイナズマ
第九位 ハマのドン
第十位 恋のいばら



外国映画の部

第一位 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
第二位 SHE SAID シー・セッド その名を暴け
第三位 対峙
第四位 生きる LIVING
第五位 ジュリア(s)
第六位 アフターサン
第七位 To Leslie トゥ・レスリー
第八位 サントメール ある被告
第九位 シモーヌ フランスに最も愛された政治家
第十位 熊は、いない



 2023年の映画界のトレンドワードは、ズバリ言って“マルチバース”だろう。もっとも前年までもこの概念は多用されていた。しかし、それはあくまでもハリウッド製アメコミ作品などに限った話だったと思う。つまりは荒唐無稽な設定を追い求めた結果、この新奇なネタにたどり着いたのだ。しかし2023年には、マルチバース自体を重要なドラマのモチーフとして持ち出したり、あるいはマルチバースの在り方に迫った作品が目立ってきた。日本映画の一位作品や、外国映画の一位および五位にランクインさせた作品群はその典型。特に「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」は、アメリカ映画そのものがマルチバースに突入したかのような様相を呈しており、オスカーを獲得したのも当然かと思わせた。

 あと日本のエンタテインメント界で大きな話題を集めたのが、旧ジャニーズ事務所をめぐるスキャンダルだ。かなり重大な事件なのだが、この事務所の構成員は相変わらず映画やドラマに出まくっている。もしも欧米で同様なトラブルが持ち上がると、所属タレントはもちろんプロダクションごと抹消されてしまうだろう。このあたりが我が国の“後進性”を如実に示していると思う。

 なお、以下の通り各賞も私の独断と偏見で選んでみた。まずは邦画の部。

監督:紀里谷和明(世界の終わりから)
脚本:山崎貴(ゴジラ-1.0)
主演男優:役所広司(PERFECT DAYS)
主演女優:杉咲花(市子)
助演男優:井浦新(アンダーカレント)
助演女優:吉本実憂(逃げきれた夢)
音楽:上原ひろみ(BLUE GIANT)
撮影:フランツ・ラスティグ(PERFECT DAYS)
新人:東野絢香(正欲)

 次は洋画の部。

監督:ダン・クワン&ダニエル・シャイナート(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
脚本:カズオ・イシグロ(生きる LIVING)
主演男優:ポール・メスカル(アフターサン)
主演女優:ダニエル・デッドワイラー(ティル)
助演男優:キー・ホイ・クァン(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
助演女優:ジェイミー・リー・カーティス(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)
音楽:ロビー・ロバートソン(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)
撮影:ロジャー・ディーキンス(エンパイア・オブ・ライト)
新人:サッシャ・ガジェ(ザ・フラッシュ)
   サラ・モンプチ(ファルコン・レイク)
   フラン・クランツ監督(対峙)

 毎度のことながら、ワーストテンも選んでみた(笑)。

邦画ワースト

1.月
2.銀河鉄道の父
3.首
4.アイスクリームフィーバー
5.BAD LANDS バッド・ランズ
6.春画先生
7.ほつれる
8.春に散る
9.658km、陽子の旅
10.高野豆腐店の春

洋画ワースト

1.TAR ター
2.インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
3.キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
4.ウーマン・トーキング 私たちの選択
5.マーベルズ
6.アダマン号に乗って
7.フェイブルマンズ
8.バビロン
9.イニシェリン島の精霊
10.ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE

 邦画のワースト作品に関しては別にコメントすることは無い。とにかく例年通り“相変わらずの体たらく”である。洋画のワースト群は、やっぱり有名アワードを獲得したり、あるいは候補になった作品が必ずしも良い映画とは限らないということに尽きる。あと気になるのが、ハリウッド映画の上映時間が意味も無く長くなりつつあるということ。サブスク配信サービスに対する“配慮”なのかもしれないが、あまりホメられた話ではない。

 ローカルな話題としては、福岡コ・クリエイティブ国際映画祭の発足があげられる。もっとも私はこのイベントには足を運べなかったのだが(汗)、2021年に終了したアジアフォーカス福岡国際映画祭の後継として発展することを願いたい。2024年にも開催されれば、観に行くつもりである。
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無目的に選んでしまった2022年映画ベストテン。

2022-12-31 06:55:01 | 映画周辺のネタ
 年末の“ノルマ”として、2022年の個人的な映画ベストテンを今年も発表したいと思う(^^;)。

日本映画の部

第一位 PLAN 75
第二位 香川一区
第三位 マイスモールランド
第四位 窓辺にて
第五位 マイ・ブロークン・マリコ
第六位 教育と愛国
第七位 こちらあみ子
第八位 ビリーバーズ
第九位 土を喰らう十二ヵ月
第十位 戦場記者



外国映画の部

第一位 ナワリヌイ
第二位 あのこと
第三位 キングメーカー 大統領を作った男
第四位 渇きと偽り
第五位 帰らない日曜日
第六位 スティルウォーター
第七位 ブルー・バイユー
第八位 GAGARINE ガガーリン
第九位 白い牛のバラッド
第十位 ベルファスト



 2022年は“個人的な事情”によって映画館から遠ざかる時期が何回かあり、主要な作品をすべてチェック出来たとは言い難い。見逃した映画も少なくないだろう。しかしながら、何とかベストテンを選べるだけの本数をこなせたのは幸いだった。2023年からは“通常のペース”に戻せたらと思っている。

 日本映画の一位作品は、まさしくアップ・トゥ・デートな題材を反則技とも言える御膳立てで扱い、しかもそれを成功させているという希有な例である。国家権力による人命収奪を描いているが、実際にこのような施策が考案されたら、意外と広範囲な支持を集めてしまう可能性があるのではないか。それだけ我が国の社会的状況は救いようが無いフェーズに突入している。

 あと日本映画全体の傾向として、完全に“二極化”していることが挙げられる。私がベストテンに入れた映画と、巷で客を集めている作品群は別物だ。一般ピーブルは大手シネコンで全国拡大公開される映画以外に、邦画というものは存在しないと思っている。もちろんこのトレンドは随分前からあったのだが、近年それが昂進しているように見える。

 客の入りが良いのは結構なことだが、その仕掛けがマンガやライトノベルやテレビドラマ等の映画化であることを見透かされている以上、所詮は“バブル”であろう。質的な発展が期待できるものではない。

 外国映画のベストワンは2022年の一大ニュースに関連したドキュメンタリーの力作だ。現時点では“観るべき映画”の筆頭である。ハリウッド製の大作群はランクインさせていないが、これは別にアメリカ映画が特別見劣りしていたということではなく、レベルとしては“いつも通り”だ。少なくとも、面白い映画を企画・製作して観客動員を増やそうという真っ当なマーケティングが通用していることは、邦画界よりもマシである。

 なお、以下の通り各賞も勝手に選んでみた。まずは邦画の部。

監督:早川千絵(PLAN 75)
脚本:今泉力哉(窓辺にて)
主演男優:山田裕貴(夜、鳥たちが啼く)
主演女優:永野芽郁(マイ・ブロークン・マリコ)
助演男優:三浦友和(ケイコ 目を澄ませて)
助演女優:玉城ティナ(窓辺にて)
音楽:レミ・ブーバル(PLAN 75)
撮影:松根広隆(土を喰らう十二ヵ月)
新人:嵐莉菜(マイスモールランド)、北村優衣(ビリーバーズ)

 次は洋画の部。

監督:ダニエル・ロアー(ナワリヌイ)
脚本:オドレイ・ディワン、マルシア・ロマーノ(あのこと)
主演男優:イ・ソンギュン(キングメーカー 大統領を作った男)
主演女優:アナマリア・ヴァルトロメイ(あのこと)
助演男優:トロイ・コッツァー(コーダ あいのうた)
助演女優:ジュディ・デンチ(ベルファスト)
音楽:ジム・ウィリアムズ(TITANE チタン)
撮影:エリック・アレクサンダー・ウィルソン(ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ)
新人:オデッサ・ヤング(帰らない日曜日)、マディ・ジーグラー(ライフ・ウィズ・ミュージック)、
   ソ・ユミン監督(君だけが知らない)

 毎度のことながら、ワーストテンも選んでみた(笑)。

邦画ワースト

1.峠 最後のサムライ
演出・脚本・演技と、三拍子そろった(?)見事な駄作。とにかく、何も描けていない。製作側は“時代劇さえ作ればシニア層を大量動員できる”とでも思ったのだろうか。猛省を促したい。
2.SABAKAN サバカン
悪い意味で“子供をダシに使った”映画。筋書きのいい加減さは目に余る。
3.母性
4.シン・ウルトラマン
5.LOVE LIFE
6.ヘルドッグス
7.夜明けまでバス停で
8.この子は邪悪
9.グッバイ・クルエル・ワールド
10.ハケンアニメ!

洋画ワースト

1.アムステルダム
2.アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台
3.ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー
4.ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス
5.パーフェクト・ケア
6.ハウス・オブ・グッチ
7.Zola ゾラ
8.ナイトメア・アリー
9.シラノ
10.GUNDA グンダ
番外 トップガン マーヴェリック

 ローカルな話題としては、福岡市博多区那珂に開業したショッピングセンター“ららぽーと福岡”の中に、東宝系のシネコンがオープンしたことが挙げられる。もっとも、ロケーションが市内中心地から外れていることもあり、いまだに足を運べていない。2023年には何とか都合を付けて行ってみたいと思っている。
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「小倉昭和館」が焼失。

2022-08-14 06:54:46 | 映画周辺のネタ
 去る2022年8月10日夜、北九州市小倉北区魚町にある映画館「小倉昭和館」が、隣接する旦過市場の火災の巻き添えを食らい全焼した。同館は北九州市に唯一残る個人経営の映画館で、福岡県内最古。今では珍しい35ミリフィルムの映写機も稼働していた。配給会社から預かっていたフィルムも焼失したとのことで、実に残念だ。

 ただし、注意しなければならないのは、旦過市場はほんの数か月前にも大規模な火災を引き起こしていたことだ。その時の瓦礫撤去の目処も付き、復興の気運が高まっていた矢先である。それにも関わらず、また同じような災害に見舞われたのは、ハッキリ言って学習能力が無い。この地域は昭和30年代に建てられた木造建築物が密集しており、中央の通路を挟み建物が神嶽川の上にせり出して建っている。しかるに災害に対しては脆弱で、99年の丸和スーパーが火元となる大火災をはじめ、近年の水害でも被災家屋が発生している。

 北九州市では神嶽川の改修にあわせて旦過市場の再整備のための「旦過地区土地区画整理事業」を2021年に策定しているが、それが実現化する前の災難だった。しかも、今回の火災で大きな被害を受けた新旦過横丁は、この土地区画整理事業のエリアに入っていない。

 旦過市場は北九州の台所とも呼ばれ、幅広い層の利用客がいたらしいが、そのセールスポイントはバラエティに富んだ飲食店を含めラインナップが充実していたことと同時に、大正時代に創設されたというノスタルジックな風情だと思われる。しかし、逆にそれが災害に弱い環境に繋がっていたのではないか。そもそも、被災が幾度となく繰り返されてきた過去がありながら、再開発計画が策定されたのはつい最近なのだ。

 私は同じ福岡県に住んでいながら、旦過市場には行ったことはなく、当然のことながら「小倉昭和館」にも足を運んだことはない。だが、画像をチェックする限りこの映画館の設備は満足できるものとは言えないようだ。客席は急勾配で、バリアフリー環境とは程遠い。座席自体も広いように見えない。つまりは“昔ながらの街の映画館”である。

 こういう劇場の佇まいには郷愁感は覚えても、決してその有り様は現在に通用するものとは思えない。こういう“昔ながらの街の映画館”の多くが淘汰され、シネコンに置き換わったように、このビジネスモデルは古いのだ。35ミリフィルムの映写機や、有名人のサインなどの貴重な資料があるとしても、それは“映画をちゃんと見せる”という本来の映画館の目的とは別物である。

 ならば被災後のこの劇場の在り方はどうなのかといえば、まずは当然のことながら、復活はして欲しい。何しろ、新旧取り混ぜたこの映画館の上映ラインナップは映画好きにとっては堪えられないものだ。しかし、それが土地区画整理事業の対象にはなっていない今の土地で営業を再開するのは賛成できない。とにかく、災害に巻き込まれる可能性が小さいエリアに移転するのが最優先事項だ。そして、顧客の立場を十分に考えた設備を整えて欲しい。
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岩波ホールが閉館に。

2022-01-14 06:29:16 | 映画周辺のネタ
 東京都千代田区神田神保町にあるミニシアター、岩波ホールが2022年7月に閉館することが発表された。同劇場は1968年に多目的ホールとしてオープンしたが、やがて東宝東和の川喜多かしこと、ホール総支配人の高野悦子が良質な映画を上映する運動“エキプ・ド・シネマ”を発足させた。74年のサタジット・レイ監督のインド映画「大樹のうた」の公開を手始めに、これまで上映された作品は271本にものぼる。

 しかしながら、昨今のコロナ禍で劇場の運営が困難になったらしく、とうとう閉館を決定したという。

 ただ、よく考えてみるとコロナ禍で業績が落ちたのはミニシアターだけではないはずだ。それでもシネコンは立派に営業しており、新規の開館も相次いでいる。これはやはり、ミニシアターの立ち位置というのが揺らいでいるからだろう。本来は単館系である作品も、シネコンで公開される例もある。つまりはシネコンとミニシアターの棲み分けが崩れつつあるのだ。

 また、若年層のミニシアター離れも巷間で言われている。そういえば福岡市のミニシアターも、観客で目立つのは中高年層ばかり。まあ、それで経営が成り立っているのだから問題は無いのだろうが、若者が気軽に入れるような雰囲気は希薄だ。ロビーが加齢臭で充満しているようでは(苦笑)、見通しが明るいとはとても言えない。

 そもそも、日本の映画館の入場料金は高い。約2時間も椅子に座っているだけで1,900円も取られるのだから、コストパフォーマンス(及びタイムパフォーマンス)は低い。それでもシネコンには大きなスクリーンと良好な音響システムが揃い、映画関連グッズの販売も実施されている。映画鑑賞に関してプラスアルファの付加価値があるのだが、ミニシアターはそのあたりが覚束ない。

 それに、若年層はあまり小難しいシャシンを好まない。もちろん、中高年も難渋な映画は避けたい向きが多いだろうが、良質な作品を求める層は存在する。対して何かと実生活で苦労している若者たちは、映画を観るときぐらいリラックスしたいのだろう。岩波ホールで上映されるような“考えさせるような映画”を敬遠するのは当たり前だ。

 だからといって、このままで良いとは思わない。シネコンで単館系作品を取り扱うのならば、逆にミニシアターでメジャーな作品を公開してもおかしくないわけで、立地さえ良ければ若年層をミニシアターに呼び寄せることも可能だろう。その映画館で上映している単館系作品に興味を持ってくれる若い観客も、皆無ではないと思う。

 さて、私は数回しか岩波ホールに足を運んだことが無いが、いずれも上映していた作品は満足できるものだった。特に、一時は東京国際映画祭の関連企画の会場になったことは印象深い。閉館は残念だが、54年間の長きにわたるスタッフの努力に敬意を払いたい。
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大雑把に選んでしまった2021年映画ベストテン。

2021-12-31 06:15:58 | 映画周辺のネタ
 年末恒例の(別に恒例でもないのだが ^^;)が、本年度(2021年)の個人的な映画ベストテンを発表したいと思う。

日本映画の部

第一位 すばらしき世界
第二位 街の上で
第三位 猿楽町で会いましょう
第四位 モルエラニの霧の中
第五位 子供はわかってあげない
第六位 ひらいて
第七位 彼女の好きなものは
第八位 まともじゃないのは君も一緒
第九位 すくってごらん
第十位 ザ・ファブル 殺さない殺し屋



外国映画の部

第一位 ノマドランド
第二位 ファーザー
第三位 少年の君
第四位 チャンシルさんには福が多いね
第五位 ミッション・マンガル 崖っぷちの火星打ち上げ計画
第六位 KCIA 南山の部長たち
第七位 ディア・エヴァン・ハンセン
第八位 MINAMATA ミナマタ
第九位 最後の決闘裁判
第十位 ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから



 前年に引き続き、2021年もコロナ禍が映画界を直撃。映画館の閉鎖こそなかったが、ハリウッド製の大作の公開延期が相次いだ。次々とウイルスの変異株が現れていることから、コロナ禍の前の状況に戻るには長い時間がかかりそうだ。ただし、ベストテンを選べるだけの本数を上映してくれたのはありがたい。

 日本映画において印象的だったのは、我々が直面する社会問題を捉えようという作品が目立ったことだ。しかし、一位の「すばらしき世界」を除いて、それらは高評価を得られていない。なぜなら、映画として練られていないからだ。どんなに高尚な意図を持っていても、ウェルメイドに徹していなければ観客を振り向かせることは出来ない。

 外国映画の一位「ノマドランド」は、その主題や手法はアメリカ映画としては画期的なものだった。同作のC・ジャオ監督はマーベルの大作も担当しており、外部から異質な才能を呼び込むハリウッドの方法論を再確認した。ただし、同監督の出身国である中国当局の頑迷なスタンスは、世界情勢の暗い一面を垣間見せる。

 また、韓国映画は総体的に日本映画を圧倒しつつある。気が付いてみれば、国民一人当たりのGDPは韓国にも遅れを取り、我が国の衰退は避けられない状況だ。しかし、そのことに無自覚な国民は圧倒的多数を占める。たぶん、日本は落ちるところまで落ちないと、事の重大さを理解しないのだと思う。

 なお、以下の通り各賞も選んでみた。まずは邦画の部。

監督:西川美和(すばらしき世界)
脚本:今泉力哉、大橋裕之(街の上で)
主演男優:役所広司(すばらしき世界)
主演女優:石川瑠華(猿楽町で会いましょう)
助演男優:鈴木亮平(孤狼の血 LEVEL2)
助演女優:中田青渚(街の上で)
音楽:鈴木大輔(すくってごらん)
撮影:新宮英生、与那覇政之(モルエラニの霧の中)
新人:神尾楓珠(彼女が好きなものは)、首藤凜監督(ひらいて)

 次は洋画の部。

監督:クロエ・ジャオ(ノマドランド)
脚本:フローリアン・ゼレール、クリストファー・ハンプトン(ファーザー)
主演男優:アンソニー・ホプキンス(ファーザー)
主演女優:フランシス・マクドーマンド(ノマドランド)
助演男優:メラーブ・ニニッゼ(クーリエ:最高機密の運び屋)
助演女優:美波(MINAMATA ミナマタ)
音楽:ベンジ・パセク、ジャスティン・ポール(ディア・エヴァン・ハンセン)
撮影:ジョシュア・ジェームズ・リチャーズ(ノマドランド)
新人:イー・ヤンチェンシー(少年の君)、ジョディ・カマー(最後の決闘裁判)、キム・チョヒ監督(チャンシルさんには福が多いね)

 毎度のことながら、ワーストテンも選んでみた(笑)。

邦画ワースト

1.ドライブ・マイ・カー
映画として何も描けていない。加えて3時間という気の遠くなりそうな長さ。観たことを心底後悔した。
2.パンケーキを毒見する
稚拙な語り口で時事問題を扱わないでほしいものだ。もっとマジメにやれ。
3.あのこは貴族
4.BLUE/ブルー
5.空白
6.茜色に焼かれる
7.明日の食卓
8.ホムンクルス
9.先生、私の隣に座っていただけませんか?
10.いとみち

洋画ワースト

1.プロミシング・ヤング・ウーマン
物語の前提は無理筋で、ストーリー運びは絵空事。話にならない。キャストも最悪。
2.007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
これは断じて“007”ではない! 所帯じみたボンドなど願い下げだ。
3.ミナリ
4.17歳の瞳に映る世界
5.わたしの叔父さん
6.どん底作家の人生に幸あれ!
7.パワー・オブ・ザ・ドッグ
8.サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ
9.イン・ザ・ハイツ
10.沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家

 ローカルな話題としては、アジアフォーカス・福岡国際映画祭が終了したことが実に残念だった。2020年に30回目を迎えたが、2021年3月をもって実行委員会が解散し、事実上終焉を迎えた。とはいえ、今までの上映作品はフィルムアーカイブとして福岡市総合図書館に保管されており、この資産を活用する施策も考えられるだろう。今後に注目していきたい。
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金曜ロードショーの“復活”を評価する。

2021-06-06 06:14:50 | 映画周辺のネタ
 今年(2021年)4月より、日本テレビ系列で金曜日午後9時より放映されていたスペシャル番組枠の「金曜ロードSHOW!」が、映画専門番組の「金曜ロードショー」に改変になった。もっとも、この新タイトルは2012年まで同局のこの時間帯に放映されていたものと一緒であり、いわば“原点回帰”と言える。また、現在では地上波のゴールデンアワーで定期放送されている唯一の映画番組になる。

 ネット配信のサブスクリプションサービスが全盛になった今、あえてオールドスタイルな形式でのオンエアに踏み切った理由として、局側では“過去の名作群の掘り起こしや、大勢の人が同じ時間に同じ作品を見ているというリアルタイムな体験を提供すること”と述べているが、これは実に正しい。サブスクリプションサービスではチェックする対象範囲が限られてしまい、未知のジャンルに触れることが少なくなる。対して、バラエティに富んだ作品を地上波で放映すれば、それだけ視聴者の知見が増える。



 思い起こせば、この地上波における映画番組というのは、私も随分とお世話になったものだ。金曜ロードショーの前身だった水曜ロードショーをはじめ、日曜洋画劇場、月曜ロードショー、ゴールデン洋画劇場と、民放だけで週4本もの2時間の枠が設定されていた。また、それぞれ個性豊かな解説者を配して作品紹介をおこなっていたのも、視聴者にとって有難かった。

 一般的には日曜洋画劇場の淀川長治が有名だったが、個人的には月曜ロードショー(TBS系)の荻昌弘が印象的だった。おそらくは、作品選定に彼の意向が反映されていたはずで、今ならば絶対にゴールデンタイムに流せないようなマニア向けの映画が堂々と放映されていたものだ。この番組で、私は子供の頃に生意気にもフェデリコ・フェリーニやジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、ルイス・ブニュエルといった監督の名を知った。

 そして、面白い映画が放映されると、翌日に学校でそれが話題になるのも楽しかった。何しろ、ビデオはあまり普及していなかった時分だ。この体験の共有化というのが地上波における映画放映の醍醐味である。時に作品のカラーに合わない吹き替えが施されたり、放送時間の関係でカットされる場合も多々あったが、それでも映画がテレビ画面で見られるというのは堪えられなかった。

 ともあれ、金曜ロードショーの“復活”は素直に喜びたいし、スタッフも頑張ってほしい。お笑い芸人をひな壇に並ばせてのバラエティやグルメ番組は、そろそろ視聴者は飽きが来ている。そんなのよりも映画を一本流してくれた方がよっぽど良い。願わくば、他局も追随してもらいたいものだ。
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