goo blog サービス終了のお知らせ 

元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「GONIN2」

2008-02-02 06:50:17 | 映画の感想(英数)

 96年作品。観初めて10分もたたないうちに目が点になってしまった。主役の5人をすべて女にしたパート2という企画も安易だが、出来は最低。女5人(大竹しのぶ、余貴美子、夏川結衣、西川由海、喜多嶋舞)が宝石強盗から獲物を横取りし、強盗とヤクザから追われ、それにヤクザを目の敵にする元工場長(緒方拳)がからむというストーリーなのだが、ディテールの粗雑さには唖然としてしまう。

 ド素人のくせに射撃がやたら上手い女5人。ハジキを持ってるくせに日本刀一本で殴り込む緒方にオタオタするヤクザ。重傷を負っているのにプールで泳ぐ片岡礼子。簡単に女に拳銃を取られてしまうヤクザの見張り。一度弾切れしてもいつの間にか弾丸が装填されている拳銃。そしてこれだけ大事件が起こっているのにパトカーの一台も現れない不思議。本当に映画を作る気があるのかと疑いたくなる。

 実は前作「GONIN」にも作劇にいいかげんな部分があったのだが、トンがった登場人物たちの造形と畳み掛ける演出でそんなことを忘れさせてしまったものだ。対してこれはまず女5人のキャラクター設定が極めていいかげんで、犯罪に到る必然性もまるでなし。第一、男にフラれたぐらいでヤケ起こして強盗やる女なんてあまりいないと思うぞ(爆)。 百歩譲ってそんな奴がいたとして、その心理的背景をテンション上げて描くべきではないのか。おまけに5人揃って黒っぽい服着てるせいか、ちょっと目には見分けられないし、中の一人はいつの間にかいなくなってしまうという失態ぶり。5人が廃虚となったディスコで不満ぶちまけて踊るシーンなんてのは、オバサンの井戸端会議と変わらん。

 要するにこの監督(石井隆)、久々にキレイな女優たち(大竹を除く)を大挙動員できたものだから舞い上がってしまい、オジサンが若いコに対する“ネェーネェー、キミたちぃー”といったみっともない態度で映画を作ってしまったのだろう。反面、緒方拳のキャラクターは取ってつけたみたいで、どちらかをカットすれば少しはマシになったかもね。

 いかにもすぐ脱ぎそうな女優を揃えているのに露出度が低いのも不満(よかったのは喜多嶋舞の緊縛ヌードだけだ)。おまけに大竹しのぶはセーラー服姿で出てくる(気持ち悪いぞ ^^;)。撮影、音楽、美術etc.どれもまったく気合いが入っていない。さっさとジャンクされることを祈るのみだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする