あかるいほうへ。

週末は、ぎりぎりまでぐずぐず迷い続けたすえ、
えいやっ！とむりくり元気を出して表参道へ。

髪を切って、
その後、月の初めから予定されていたお食事会へ。


いつもより、人通りの少ない表参道。

外資系のブランドショップなどは軒並み休業で、
行き交う車の数も少なくて、しん、としていた。


でも。
そのいつもと違う静けさを別にしても、
その日の表参道はいつもの表参道とは違って見えて。

それは。
表参道が変わったわけじゃなくて、
見ているわたしが変わったんだ。


当たり前の景色。
見慣れたビルの数々。

どのお店も照明を落としていて暗いはずなのに、
いつもよりキラキラと輝いて見えた。

人工的な光が少ない分、
空からふり注ぐ光が瞬いて見えた。

「日常」は当たり前にここにあるのではなくて、
「日常」こそが尊い。

今、ここで生きていることを、
生かしてもらっていることを、感謝しなくちゃ。
そう、思ったんだ。


ひとりでちょこっとじーんとしながら歩いていたら、
糸井さんとブイヨンのお散歩に遭遇。

ブイヨンのてくてく軽やかな足運びがほほえましくて、
ふうっとこころが和みました。



レストランでお話を伺うと、
予約の90％はキャンセルが入る状況だとか。

そのお話を聞いて、
今日思い切ってお食事に来てよかったなぁ、と思った。

わたしたちまで下を向いているままでは、
日本がどんどん小さくなってしまう。



東京がもっと元気を出して、
お金を稼いで、
困っている方々に持っていく！くらいの気持ちで、
力強くいなければ。



帰り道、駐車場で開かれていた小さなマルシェで、
有機玄米と名古屋コーチンの卵を買って帰りました。

玄米の上手な炊きかたや、
「赤い卵は赤い鶏が産むんだよ」なんて話を聞きながら。

花屋さんをのぞいたら、
それはそれは色とりどりのたくさんの花が咲いていました。


仕事をして、食事をつくり、
部屋を片付けたり、洗濯をしたり。

笑ったり、泣いたり、怒ったり。

そんな毎日こそが、尊い。



今は無我夢中で、
ほんとうの痛みはこれからじわじわと
わたしたちの生活に浸み込んでくるのかも知れない。

でも。
どうせなら。

おぼつかない足元より、空を見上げて。

明るいほうへ向かって、歩いていきたいな。