気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

なにかかう

2009-07-19 01:48:12 | きょうの一首
座り猫ふりむくときになにかかう懐手(ふところで)する感じをかもす
(小池光 時のめぐりに)

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ネット上のどこかで「なにかかう」という表現は、小池光的という文章を読んだので、その根拠となる歌を捜したところ、発見。『時のめぐりに』の最初の方にあった。
短歌の要と言われる三句目に「なにかかう」と言ったどうでもいいような言葉、間の手のような言葉を入れて、調子を整えている。
猫好きで猫の姿態をよく見ている人には、たまらない表現だろう。我が家の近くには地べたに寝そべったり座ったりしている猫が多数いるが、飼っていないので、見わけがつかない。あちらは私が歩いて来ても、危害を加えないことを知っているから、おとなしくこちらを見ている。しかしあの目は芯から信用している目ではない。事あらばすぐに逃げ出す目。こちらも見てはいるが餌をやることはないし、クールな関係。これは人間に対してもそんな感じ。深入りはしない。


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