気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2005-07-18 18:41:43 | 朝日歌壇
沙羅双樹の花の静かに咲く寺に郵便バイクが登って来たり
(浜松市 桑原元義)

戦争を知らないなんて言わないで戦争だらけの世界じゃないの
(江別市 成田強)

話半分わかればよろし耳遠き二人がひとりのような残生
(新発田市 和田桃)

夫もまだ知らぬ白髪を染めながら鏡に秘密とじこめてゆく
(東京都 宮田礼子)

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一首目。沙羅双樹は夏椿とも言うらしい。さわやかな一首。
二首目。あたりまえのことだが「戦争を知らない・・・・」という常套句の奇妙さを鋭く指摘している。
三首目。お名前からして女性のようだが、何歳くらいになるとこういう境地に達するのだろうか。
四首目。こちらはまだ色気も配慮もあってよい。お互いに見たくないのかも。

短歌の骨法は、一番言いたいことを言わないことだと、常々聞いている。
言うべきことはずばっと短く。日常でも心がけているのだが・・・

とりあへず言ふべきことは言つておく「聞いてない」とは言はせないため
(近藤かすみ)

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