気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

NHKBS宇治歌会 自由詠

2005-04-25 00:39:27 | NHKBS短歌スペシャル
歯型にて本人確認するといふ歯はさびしくてそを磨きをり
(大口玲子)
会はぬ人はおもかげ若し間遠なる蛇口の下の水滴のおと
(高野公彦)
朝の雨のひかりの雫こぼしをへ泣き足らひたる椿はしづか
(渡英子)
行く先を知らずうしろを振り向かず川こそ真の旅人である
(大松達知)
丸顔の老若男女絵巻にて想いもろとも永遠に平たし
(東直子)
電柱にランプの垂れる春の夜のおとなしそうな道に入りゆく
(吉川宏志)

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23日のNHKBS宇治歌会の自由詠。
当たり前だが、短歌は俳句よりながい。その分、上句から下句へ微妙な「ずらし」で詩を広げていけると思う。
会はぬ人は…の歌、三句目の「間遠なる」をはさんでうまくずれていっている。歯型にて…の歌、「そを」でリズムを取っている。
私が一番すきなのは、朝の雨の歌。椿は泣き足りるほど泣いたから静かなのかと納得させられる。

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