気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

パン 香川ヒサ

2008-07-03 23:41:56 | つれづれ
この道を行くはいく度この街のいまだ知らざる時間を行きつつ

尖塔の建てられてよりこの街の空は果てなき広さとなりぬ

雲はただ雲としてゆき羊らは羊らとして草食み 千年

尖塔の建てられてよりこの街の空は果てなき高さとなりぬ

ともかくも神が存在するかぎり洪水対策立てねばならぬ

魔女狩りで火あぶりにされた人たちを魔女だつたのだと信じてあげよう

こんなこともあるさと言つてゐるやうな 顔削られし聖人像は

(香川ヒサ パン 柊書房)

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今週は、香川ヒサ漬けになっている。次の日曜日、関西歌会の研究会で、『perspective』について発表するので、その準備のために、歌集を読み直している。
初期の歌集は、まだわかりやすかった。ただごと歌があり「香川ヒサは知的な奥村晃作」という言葉に共感して、どんどん嵌ってしまったが、途中から、だんだん難解になって、普通の短歌の読み方では対応できない感じがする。その「だれにも似ていない」ことが最大の魅力なのだが・・。
題材は、聖書や神話から取られ、舞台は欧米か!
家族詠はほとんどなく哲学的。
ご本人は、パンツスーツのよく似合うスタイル抜群のスポーツウーマン。相当鍛えておられるらしい。

自宅から水着をつけてプールへと行くらし歌人香川ヒサさん
(近藤かすみ)


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