気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

もみぢして

2006-10-15 01:06:22 | つれづれ
消費して消費してとめどなき日々を謀略のごとチラシ入りくる

靄いづる晩秋の森もみぢしてこころの表裏あいまいになる

暮れなづむけふ一日の幕間にひととき架かる虹を見てゐつ

情報がひとの心をもてあそぶいやな時代のただ中にゐる

犬はふと胴震ひせり人間はそしてどこまで時雨れてゆくのか

(小泉史昭 夕木霊 本阿弥書店)

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『夕木霊』の後半から。
四首目に関連して思うこと。ネット上に情報があふれていても、いつも気にしている同じところばかり見てしまって、全体が見えていないんじゃないかと不安になる。ジャンクメールが一杯来るが、たまたま現実の友達とおなじ名前で来るとどきっとする。ちらっと見て削除する。手紙ならば、間違いであってもそんなに粗末に捨てはしないだろうに。



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2 コメント

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Unknown ()
2006-10-15 07:15:20
一首目の下句の落とし方で、関西の人なのかな、と思いました。



雨に濡れた犬、といえば栗木京子さんの



雨降りの仔犬のやうなひとが好き なのに男はなぜ勝ちたがる



を思い出してしまいます。

時事詠も、素直で共感する内容です。

先に読んだ、日置俊次さんのように、秋を感じさせるいい歌です。

ふたりとも、秋の風景を老いゆくご自分の人生に重ねておられるのでしょうか。
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Unknown (かすみ)
2006-10-16 00:03:09
森さん こんばんは。

秋は人生の半ば過ぎを思わせます。当たり前のようでいて、独自の発想をすることが大事なんでしょうね。なかなか出来ません。
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