気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2006-11-13 21:25:11 | 朝日歌壇
誘えども趣味は仕事と自慢せし友が工場の閉鎖きょう聞く
(東京都 民辻善史郎)

オールこぎ終えし勝利の男らは声なきままに皆空を抱く
(秋田市 山田愁眠)

ひと朝の濃き紫をとじ込めて朝顔の種はぬばたまの黒
(枚方市 鍵山奈美江)

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一首目。内容がむだなくちゃんと詰められていて意味がきちんと伝わる。気の毒ではあるが、まだ過労死でないだけ救われる気がする。
二首目。ボートレースで勝つまで力を出し切った様子が表現されている。「空を抱く」にもロマンがある。
三首目。花は紫だったのに、たねは黒。ちゃんと分けないと、来年どれがどれかわからなくなる。それもまた楽しみか。


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