気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2013-04-01 18:52:22 | 朝日歌壇
高みより見たるわが家のちさきこと屋根に生ひたる草のゆれをり
(竹田市 飯田博和)

梅の花さくらんぼの花満開となりて廃屋花明りする
(西予市 大和田澄男)

祈事(ねぎごと)の叶ふまではと茶を断ちて白湯(さゆ)の甘きをはじめて知りぬ
(埼玉県 小林道子)

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一首目。近所の山か丘に上ってわが家を見たのだろう。下句の「屋根に生ひたる草」がなんとものどかな雰囲気で好ましい。
二首目。人の住まなくなった廃屋だからこそ、なおさら残された木の花は明るんで見える。対比があるからだ。いずれ取り壊されるであろう家と、最後?の花を咲かせる木々のけなげさ。
三首目。白湯を飲むことなど滅多になく、願い事のために茶断ちしていると、甘味が感じられるようになった。人間の味覚は不思議だ。祈事(ねぎごと)とは美しい言葉だ。

画像は、「暖地桜桃」というさくらんぼの花。
季節の花300のサイトからお借りしています。いつもありがとうございます

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2 コメント

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初めまして (海音)
2013-04-03 21:43:30
こんばんわ。「短歌人」のリンクから飛んできました。元「短歌人」会員の者です。
久しぶりに短歌を読んで、また「短歌人」を購読だけでもしようかなーという気持ちになりました。

追伸 「鱧と水仙」の「鱧を詠む」に一首出しました。現在、佛教大の通信制大学院で坪内先生にお世話になっております。
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Unknown (かすみ)
2013-04-03 22:19:34
海音さま

はじめまして。ぜひ購読してください。また気が向いたら、短歌人に戻ってください。
稔典先生のところの学生さんなのですね。きのうは鱧水の合評会で稔典さんと一緒でした。

俳句と短歌は、違いますね。作る人間のタイプも違う。稔典さんは、どこまで行っても俳句の方という感じです。
短歌人の編集人藤原龍一郎さんも俳人(藤原月彦)です。藤原さんは、やっぱり今は短歌の人でしょうね・・・
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