震度五の揺れにおどろき猫足の桃花心木(マホガニー)のピアノが動く
大人にはなかなかなれず少女から老女になるのはたやすいような
(若尾美智子 桃花心木のピアノ)
百一歳レニの死鼓動がとまつただけ記されあれば 羨(とも)しきものを
カテーテル挿入してないはうの手で十字切りたりいささか神妙
(椎木英輔 レニ)
草食系老人となり一年を生きたぞそりゃあ耐えてまだまだ
年を取ることにも慣れて来る年へ足取り軽く踏み出さんとす
(関根忠幹 老旬)
眠る前の耳に流れる水の音生まれる前の記憶みたいに
耐熱のガラスポットに開く茶葉日々はわたしの何も変えない
(高田薫 ささやかな風景)
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短歌人12月号、12月の扉より。
大人にはなかなかなれず少女から老女になるのはたやすいような
(若尾美智子 桃花心木のピアノ)
百一歳レニの死鼓動がとまつただけ記されあれば 羨(とも)しきものを
カテーテル挿入してないはうの手で十字切りたりいささか神妙
(椎木英輔 レニ)
草食系老人となり一年を生きたぞそりゃあ耐えてまだまだ
年を取ることにも慣れて来る年へ足取り軽く踏み出さんとす
(関根忠幹 老旬)
眠る前の耳に流れる水の音生まれる前の記憶みたいに
耐熱のガラスポットに開く茶葉日々はわたしの何も変えない
(高田薫 ささやかな風景)
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短歌人12月号、12月の扉より。