気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2013-08-06 17:25:41 | 朝日歌壇
溶け落ちし燃料棒は如何ならん朝顔の花紺深く咲く
(福島市 青木崇郎)

風は木を身もだえさせる雲は地を圧して速い いま雨がくる
(神戸市 有馬純子)

記念館出づれば木々に夏しぐれ茂吉の像をはつかに濡らす
(福島市 美原凍子)

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一首目。上句はだれもが疑問に思っていること。下句では、まったく関係のないように思える自然の様子を詠った。現代短歌の典型的な作りの歌だと思う。「紺深く」がうまい。
二首目。風と雲の様子は雨を予想させて、結句でその通りの答を出す。結句のために、それまでの言葉が費やされているとも言える。「身もだえさせる」の擬人化はどうか、意見の分かれるところだが、臨場感があり勢いを感じる。
三首目。斎藤茂吉記念館を作者は訪れたのだろう。三句目の「夏しぐれ」がうまく前後を繋いだ形になっていて、うまくできている。

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