気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2013-01-07 22:38:55 | 朝日歌壇
鮒釣りの等間隔にひとりひとりひとりになりたいひとりの世界
(館林市 阿部芳夫)

この空を昨年も私病室(ここ)で見たガラスの外の青い冬空
(佐倉市 山田明子)

受講生若からずして湿布薬かすかに匂う「祇王」の件(くだり)に
(下野市 若島安子)

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一首目。釣りをする人はひとりで自分と向き合いたいのだろう。等間隔に座るというと、鴨川沿いにカップルがふたりずつ座る光景を思うが、こちらは「ひとり」の連続。その気持ちはよくわかる。
二首目。作者は病室から出られないまま、長い時間を過ごして窓から冬空を見ている。切ない気持ちがよく伝わる。短歌には、こういう切なさがよく似合う。
三首目。「祇王」は平家物語に出てくる白拍子。平家物語を学ぶ受講生から匂う湿布薬とは、面白い取り合わせだが、いかにも現代的。年を重ねて学びたいと思う人は、若い学生より熱心かもしれない。件を「くだり」と読ませて字余りにするところの、ゆったりした詠みぶりが好ましい。

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4 コメント

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Unknown (風信子)
2013-01-08 08:49:13
あけましておめでとうごさいます
本年もよろしくお願いいたします。

かすみさま、同人1に昇格されたのですね。いろいろのお歌を読ませていただいて、それは楽しいのですけれど、やっぱりファンとしてはかすみさまのお歌が読みたいので、ぜひ載せてくださいね。かすみさまのお歌はわたしには「肌が合う」という感じです。
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Unknown (かすみ)
2013-01-08 13:24:12
風信子さま

あけましておめでとうございます。
こちらこそよろしくお願いします。

自作は、ほかの方の歌と関連があれば、すこしずつ載せてみるつもりです。
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Unknown (teruo)
2013-01-08 23:31:05
私も同感です。
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Unknown (かすみ)
2013-01-09 00:05:49
しばらくお待ちください
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