気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2013-02-05 18:28:55 | 朝日歌壇
試験場に大きなくしゃみこだまして弓弦(ゆづる)のごとき空気緩みぬ
(東京都 嶋田恵一)

房総の陽は斜めなり石蕗(つは)の花の黄の輝きぞ鮮やかに濃き
(青梅市 津田洋行)

冬の日の自転車乗りは吹く風に痛さが違う左右の耳たぶ
(下野市 石田信二)

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一首目。入学試験の季節である。みな、とても緊張するだろう。その中での大きなくしゃみ。一瞬、場が和んだのだ。人間が集まれば、くしゃみをする人もいて当然。「弓弦のごとき」という比喩が適切で美しい。
二首目。自然の有り様を丁寧に詠んでいて好感の持てる歌。房総には、春の訪れも早い気がする。こういうオーソドックスな自然詠を、懐かしく珍しく思ってしまう。
三首目。下句が秀逸。痛さ、左右の耳たぶというところで、実感が出た。

毎週月曜には、今日の朝日歌壇を書こうと思いながら、きのうはどうしても書けませんでした。ゆっくり行くことしかできません。「気まぐれ」ということで・・・

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