気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2013-02-12 01:52:48 | 朝日歌壇
人生は二毛作です勤め終え小菊つちかう講習うける
(山形県 高橋まさじ)

とんぼ玉だいじにするねと言った友ふっつり逝きぬなんにももたずに
(奈良市 古味直香)

特別な用じゃないんよ繰り返す受話器の向こう故郷の母
(西宮市 木野英子)

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一首目。「人生は二毛作です」の口語が効いている歌。私の場合は、短歌を作るようになったのが遅く、二期作の人生だと思う。支えてくれる仲間に感謝。
二首目。とんぼ玉は、穴の開いたビー玉のこと。「だいじにするね」と言ってもあの世まで持って行くことはできない。作者の取り残されたようなさみしさが伝わってくる。結句の「なんにももたずに」の字余りが効果をあげている。
三首目。成人した子供と話がしたいけれど、きっと忙しいだろうから、自分のおしゃべりで煩わせてはいけないと思う母の気持ちがわかる。そんな優しい母のいる作者を、羨ましく思って読んだ。

歌の評を書くのは、本当に難しいと痛感するこの頃。平凡なことしか書けないけれど、止めたら、ますます上達の見込みがなくなる。粘り強く続けるしかない。

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