気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

会うまでの時間 俵万智自選歌集

2006-02-07 20:20:30 | つれづれ
会うまでの時間たっぷり浴びたくて各駅停車で新宿に行く

菜種梅雨やさしき言葉持つ国を歩むひとりのスローモーション

チューリップの花咲くような明るさであなた私を拉致せよ二月

(俵万智 会うまでの時間 文藝春秋)

************************

俵万智の自選歌集を読む。いままでどこかで読んでいた作品なので、すっすっと読める。
一首目。時間を浴びるという言い方が新しいかったのだろう。この本の題になっている歌。
二首目。コピーとしても成功していると思う歌。歩むひとりの・・・の句跨りが心地よい。
三首目。「拉致」という作者の意図と別の意味に読まれそうな言葉を使った歌を、敢えてまた出すのは、強い人の証し。もしこの歌が短歌人会関西歌会に出たらどうなるか、忽ち想像できる。

俵万智の歌は、素直で訴えるところはあるが、これをまともに読んで感動してはいけないような雰囲気ってなんだろう。またこうして自選歌集を出すって、由美かおるみたい。新作『プーさんの鼻』も読んでみたいが、まだ借りる順番が回って来ない。


最新の画像もっと見る