気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人2月号 同人のうた

2016-02-08 00:27:07 | 短歌人同人のうた
燗酒を一本付けて和みをる一人の夜も地球は回る
(泉慶章)

かなしみは手足に宿る この軽きひらがな書きのいじめがきらい
(鶴田伊津)

ひさかたの天の力士のまく塩かこころ鎮めの初雪がふる
(洞口千恵)

ゴンドラはたとへば柩 横たはり見てをり空と舳先の飾り
(阿部久美)

「里の秋」唄えばいつも涙出るわれの身体のいずこに浸みし
(関谷啓子)

こんなにも空青ければ旅立たむインディアンサマーだどこへでも行ける
(有沢螢)

しやぼんだま屋が来ればをさなと手をつなぎついてゆきたし秋の日ざかり
(和田沙都子)

日だまりに落葉は集う命なきもののやさしき黄金色よ
(八木博信)

擬人化はときに無敵であることをまざまざと思(も)うたとえばゆるキャラ
(生沼義朗)

さかしまに置かれし琴のくるしみをわれは歌ひて生き来しものを
(西橋美保)

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短歌人2月号、同人1欄より。

きなり色の高野豆腐に湯をそそぐ花の絵のある魔法瓶より
(近藤かすみ)

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