気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2012-02-12 19:22:41 | 朝日歌壇
さうぎしやとおほがたすーぱーむかひたちねぎともふくのかうさするごご
(佐倉市 横山鈴子)

あの世からメールのできるシステムを開発中ですスティーブジョブズ
(鎌倉市 鈴木栄次)

人の数だけ電話が街を歩いている喜怒哀楽を宙(そら)に飛ばせて
(大阪府 宮本秀)

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一首目。全部ひらがななので読みにくいが、漢字混じりにすると「葬儀社と大型スーパー向ひ建ち葱と喪服の交差する午後」となる。内容は現代の風景をとらえていて面白い。しかしなぜ全部ひらがなにしたのか。しかも旧かな。
想像だが、ここ数年の朝日歌壇では、歌に必要な漢字すべてを学校でまだ習っていない小学生の歌が、よく取り上げられて常連となっている。このことへの批判かと思った。子供や若い人の短歌への参入は歓迎すべきことであるけれど・・・。
二首目。亡くなったスティーブジョブズ氏の仕事ぶり、業績を思うとありそうなこと。人々の夢を実現していったジョブズ氏のことだから、こんな夢も実現しそうな気にさせられる。
三首目。携帯電話は絶対に持たないと思っていた私でさえ、おととしの夏から持ち始めた。ときたま家族の写真などを眺める。携帯電話は人が持ち運んでいるわけだが、「電話が街を歩いている」と表現したのがうまい。

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