気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2013-06-10 00:07:17 | 朝日歌壇
ほんとうは知っているかも何もかも日なたぼこする母の横顔
(仙台市 村岡美知子)

夏服の女子高生の眩しさよ炭酸水のはじけるごとく
(姫路市 岩下玲子)

六十年まえの給与の明細書などある姉の遺品整理する
(竹田市 飯田博和)

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一首目。作者のお母様はご高齢なのか認知症なのか、そこまではわからないが、日常の会話などできなくなっているようだ。不思議なものを見るような眼で、母親の横顔を見る気持ちはどんなものだろう。芯には温かいものが流れていて、好感の持てる歌だと思う。
二首目。夏らしい眩しさの象徴として、夏服の女子高生と炭酸水の直球勝負の歌。炭酸飲料のCMのようでもあるが。。。
三首目。亡くなったお姉さまにとっては大切なものであっても、もう整理するしかない。六十年前の女性のお給料がどのくらいだったのか、知りたい気もするが、短歌という小さい器にはそこまでは入らない。入らなくてよかったと思う。

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