気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

家常茶飯 岡井隆歌集

2007-05-03 00:37:39 | つれづれ
読まないで返すことが多い夕ぐれは大きな翼の下に、図書館

文学は娼婦医学は正妻とチェーホフの言葉マジつぽくつて

苦しみもよろこびもふりをするだけだ傘のなだれてゐた霧生駅

葉書とはうたの書かれたわくら葉で日向(ひなた)から来て日かげへ去るの

遠ぞきてわれを見つめる吾の眼が河の対岸を移動してゐる

(岡井隆 家常茶飯 砂子屋書房)

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岡井隆の新しい歌集を読む。思えば、京都精華大学の短歌講座に行き始めたのが、わたしの短歌のはじめの一歩だった。
いまは口語も文語も、流行語も混じって自由自在の歌いぶり。朗読をされることも多いので、聴衆に聞きやすいようにという配慮も働いている。
こころ惹かれる歌は、たくさんあるが、わたし個人の好みでは、霧生駅の歌が好きだ。

話し変わって、きょうは岡崎の勧業館で開催されている古本まつりへ行ってきた。プールの続きだったので、サイフには3000円余りしかなかったが、佐藤佐太郎全集3000円を購入。直前に同じ本が4000円で売られていて、これはお金が足りないや、とあきらめていたら、別のところに3000円であったので、すぐに購入。ほかにも欲しいものを見つけたので、取り置きしてもらっている。開催中にまた取りに行って、何か買ってしまいそう。
古本まつりは、年に3回あって、5月は勧業館、8月は下鴨神社、11月は百万遍の知恩寺と決まっている。今回だけは室内なので、やはり埃っぽい。お客も店員も独特の雰囲気を持った人間が集まっている。ひと言でいえば「オタク」か。



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