強くなり弱くなりして暫くは棕梠の大葉を遊びいる雨
(山本栄子)
煮崩したいちじく掬う銀の匙どこに生きてもひとは寂しい
(佐藤慶子)
どんな店が建っていたっけ更地には狗尾草が揺れる ゆめだよ
(猪幸絵)
声あげて笑うことなき暮しなり雪降りくればなおさらのこと
(石川良一)
岡部桂一郎息絶え絶えにあるときを茸ご飯は炊き上がりたり
(高田流子)
銀と青との模様果てなき万華鏡刻刻冷えてゆく秋の部屋
(平野久美子)
浴室に誰もゐぬはずくぐもりて水の流るる音聞こえくる
(斎藤典子)
びはの木を揺りあげて吹く風の音のとほき明治の青年を恋ふ
(渡英子)
缶ビール一本飲めばこと足りる酒量のこともさびしからめや
(小池光)
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短歌人2月号、同人1欄より。本日、3月号到着しました。
(山本栄子)
煮崩したいちじく掬う銀の匙どこに生きてもひとは寂しい
(佐藤慶子)
どんな店が建っていたっけ更地には狗尾草が揺れる ゆめだよ
(猪幸絵)
声あげて笑うことなき暮しなり雪降りくればなおさらのこと
(石川良一)
岡部桂一郎息絶え絶えにあるときを茸ご飯は炊き上がりたり
(高田流子)
銀と青との模様果てなき万華鏡刻刻冷えてゆく秋の部屋
(平野久美子)
浴室に誰もゐぬはずくぐもりて水の流るる音聞こえくる
(斎藤典子)
びはの木を揺りあげて吹く風の音のとほき明治の青年を恋ふ
(渡英子)
缶ビール一本飲めばこと足りる酒量のこともさびしからめや
(小池光)
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短歌人2月号、同人1欄より。本日、3月号到着しました。
小島ゆかりさんの書評「雲が畑まで」もゆきとどいた解釈。
ほんとうは正解はないのだけれど、自分自身にひきつけて「ありますよ」というのが評。
だから評もそれ自体作品としてなり立つのでしょう。
鱧と水仙40号を、もう読んでいただいたのですね。ありがとうございます。
ブログの更新がなかなかできないのに、見ていただいていて、恐縮です。これからもよろしくお願いいたします。